表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一日一話三十分  作者: 針野 あかうめ
一週目 世界観:現代 お題:男女の出会い
5/38

五日目 雨の中屋上に自ら出る変人、最低に出会う


夢とは何なのだろうと、時々考える。

 俺には将来の夢が無ければ、壮大な野望も無い。世の中は俺がいなくても回るし、俺の死はなんてこと無い出来事として風化していくだろう。


 煙草を口に加え、手すりに手を掛ける。

 ……いくらヤケになっているとはいえ、学校の昼休みに、雨の中の屋上で未成年喫煙をやろうとするのは無謀だったな。中に戻ろうと思っても、出入り口にはこの学校で有名な男が場を展開している。


 しかし流石に、こんなびしょ濡れの男が突然現れたら道を開けてくれないだろうかと思う。屋上に捨ててあった煙草を下に投げ捨て、出入り口へと向かう。

 ………? どうやら、女が来ているようだ。新しい標的だろう。助ける義理は無いが、俺が戻る過程に居ただけだ。


 扉を開けると、見るからに不良ですとの主張が激しい或人(あると)とその取り巻きが女を取り囲んでいた。或人よりイケメン的な面のいい女とは、珍しいな。

 足元を見ると、同じクラスの真面目男が項垂れている。あぁ、なるほど。女が来る前まで、コイツで遊んでいたのか。


「だ、誰だお前は!? 雨の中、屋上に居たのかよっ!?」

「悪いか? おい古杉(こすぎ)、立てるか? 保健室連れて行ってもいいが」

「ほ、星雅(ほしみや)くん……ごめ⸺」

「別に。俺がどういう人間かは、よく知ってるだろ」

「ほ、星雅だと……!?」


 キャンキャンと男共が喚いているが、どうでもいい。濡れた感覚が気持ち悪い……やっぱり雨の中の屋上に出るなんて馬鹿なこと、するんじゃ無かったな。

 古杉を立たせ、ついでに女の手首を掴んでこの場を離れる。人からの注目を受けるが、仕方ない。


「保険医、いるか?」

「はいは……影月(えんげつ)くんボケたの?」

「まぁな。古杉の手当頼む。着替えってあるか?」

「はいよ。着替えは体操服ならあるわね。……ここでラブるのはやんないでよ?」

「するかよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ