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白黒(2−11) 救出 科学者 大出世

 戦いが終わると観客達は「もう用は済んだ」とばかりにぞろぞろと闘技場を退出していき、天井から救出されたフログが目を覚ます頃には遮音結界を解除しても普通の声量で話し合いができるぐらいには静かになっていた。

 スノウとフログのクラスメイトも教室に戻っていて、今頃は真面目に授業を受けていたふりをしているか、偉い人にバレて怒られているかしている頃だろう。


「お二人とも、お疲れ様。 いやあ、お見事です。 生徒会相手にあれだけ戦えるというのは、今後が楽しみですね」

「はい〜。 勝てなかったのは残念ですが〜・・・まだまだ精進が必要です〜」

「スノウはまだマシなんだぞ☆ 私なんて・・・ま、そういうことはこれからなんとかしていくんだぞ☆」


 闘技場の外に避難していた科学者も闘技場内に戻ってきて、再び説明を始めた。

 スノウもフログも、まだ能力に目覚めたばかりで己の力の使い方も完全に理解はできていない。

 これは誰しも陥る状況で、大抵の新参能力者は、この最初の血統でコテンパンに敗れることで己の力の特性を知り、今後の戦闘授業や決闘においても幾多の敗北を通して『真の兵士』として成長していくのだ。

 そういう意味で、始めから生徒会役員(学園最強クラス)の相手と戦い、敗れるも善戦することができた二人の実力は、学校創立以来そうそうない好成績と言えるのだが、そのことをまだ二人は知らなかった。


「さて、スノウさんはもうご存知だと思うのですが、フログさんのために我が校の制度を一度説明しておきますね。

 我が校では、能力に目覚めてちょうど一週間後から、成績の評価基準に『戦闘能力』が加えられます。

 定期的に学校が指定した組み合わせで実戦形式の戦闘を行うことになるほか、双方が望めば互いの成績をかけた決闘を行うことも可能になります。

 決闘に敗れても即座にクラスが入れ替わるわけではないですが、成績に直結するので気をつけてくださいね」


 なお、科学者はあえて口にはしなかったが、決闘のランキングは生徒会などの役職にも直結することになり、卒業後の進路にも大きく関わってくる。

 直接前線に出て戦う兵士でなくても、例えば参謀や司令官にも一騎打ちで勝てる実力が求められる社会になっており、一般的に「偉い人ほど強い」がこの世界の常識で、「最前線で戦い続ける兵団による反乱を司令官一人で制圧した」という話も珍しくないほどである。

 無論、幹部の中での昇進には『個人の強さ』以上に『集団としての強さ』が重視される仕組は存在するのだが、それでも幹部になるための最低条件としてある一定以上の強さと戦功が求められるのが現実で、最終的に「強いやつから偉くなっていく」のが当たり前の社会なのである。


「スノウさん、フログさん。 それでは最後の行程です。

 まずはお二人に『戦績カード』をお渡しします。

 このカードには、カードを受け取ってからの戦績が全て記録されますし、戦闘時の能力の発動状態や戦闘映像、その他細かいデータが登録されます。

 ああご安心を、先ほどの戦闘に関してはデータは記録されていますが戦績に含まれておりません。

 このカードを無くしても再発行は可能ですが、戦闘データはすべて消去されてしまいますので、無くさないように気をつけてくださいね」

「はい〜。 早速今日、家に帰ったら映像を確認します〜」

「ありがとうだぞ☆ 私も帰ったら・・・一応中身は見ておくことにするんだぞ☆」


 こうして二人は、10歳の誕生日という一大イベントを無事に完遂し、同時に『学内ランキング』という泥沼の戦線に足を踏み入れることになった。

 学内ランキングには、『生徒会』という最強集団の他に、『風紀委員会』『園芸委員会』『学内戦攻略部』などのまだ見ぬ猛者が大勢待ち構えている。

 果たして二人の戦績(運命)やいかに!? そして続々と参戦するクラス・ゼロ(クラスメイト)強敵(ライバル)たち、ついに参戦する教師陣との決闘も乗り越え、ついに


 5年後・・・


 スノウ、フログの二人は、『生徒会役員』『学内ランキング1フログ&2スノウ』『武道大会(全年齢)ベスト8入賞』という三冠を制覇して王立学園を卒業した。

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