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残虐姫、脳筋姫になる

しばらくして私は思いついた。拷問とかに熱を入れるなら筋トレに熱を注ぐべきだと。前世の私は陸上部で砲丸投げと高飛びを専門にやっていたので、部活の練習メニューをこなせば、拷問好きの苛虐娘じゃなく、活発な娘と思われて死亡フラグをへし折る可能性が高まるだろう。よし、物は試しよう。早速決行だ!





「おーい、高いバーと動きやすい服と運動靴、砲丸を準備してくれないかね!」



「お、お嬢様!?いきなり何をおっしゃるのです!



「は、何って筋トレするんだよお。立派な20代になる為のな。」



「大貴族の御令嬢のなさることではありませぬ!いけませんわ!」



「ンなのどーでもええわ!早よ用意せいや!こちとら死ぬワケにはいかねえんだよおおおお!!」



「また訳の分からないことをおっしゃられて....!!」



「頼む!一生のお願いだーかーらあああああ!!!」




精一杯の6歳児の駄々捏ねを必死にする私の気持ちを頼むから汲んでくれ....!!

だって精神年齢が成人してんだよ、見た目は幼女、頭脳はオトナ、その名も悪役令嬢エリザベート。前世でめちゃくちゃ人気の某名探偵風に言ってるけど、それは心の中にしまっておこう。前世の記憶を取り戻したおかげで、ゲーム通りのエリザベートではなくなった私は、使用人達に私の変わり様に戸惑いを隠せていない。しかも『医者に一度診せるべきだ』とまで口々に父に言っているのだ。解せぬ。


そして、なによりも、家族がみんな仲良しこよしなのだ。いや、それ自体は良いけれども。ゲームではめちゃくちゃに冷めまくってるのだ。まるで血の繋がった他人の様な。うひゃー、私だったら絶対無理だ。おおっと、いけない。筋トレしなきゃいけないんだった。でも先程から私が駄々を捏ねまくっている相手、使用人リリーは大反対している。ここは、本来のエリザベートを出さないとダメそうだ。



「.....アナタ、この私に楯突くの?イイわよぉ、そういう反発性のある子が一番、好きよ!愉しい私のオモチャになれるもの!ああ、ナニで遊ぶ?アレがいい_____」


「ひっ、も、申し訳ありません、直ぐにご用意致しますから______」


「ウソよ、ごめんね。リリー、私ね、このままではダメになってしまうのよ。もうこんな脅し方しないわ。本当よ、約束するね。____________よし、じゃあ早よ準備して」


「お、お嬢様...本当にどうされたのです。私は、お嬢様が何をお考えか分かりませぬ。」


「言ったじゃないのー。だから、使用人いじめはもう絶対しない!今まで本当にごめんなさい!____________きっと、『私』寂しかったんだわ。だから、いじめて使用人(あなたたち)を困らせてた。私、もう6歳だもの。このままじゃ私、死ぬ。約束しても、またやっちゃう。だから、筋トレして身も心も鍛えるんだってばよ!」



「お、嬢様......!!!____________なりません。」



「ハアー!?ちょ、おま、今の『かしこまりました、お嬢様!一生ついて行きます!』っていうところじゃん!空気読めよお前えええええええええ!!!」



「ならぬものはならぬものです。仮にやるとしても、奥様に知られたら、私の命がございません。やるなら、お嬢様だけでして下さいまし。」



「お前、私が改心した途端に手の平返しやがって!コノヤロウ、イイわよ!自分でやりますう!」




まさかの展開だ!リリーがこんな薄情な使用人だったとは!ゲームでも主人公の邪魔の手助けをしてくれるイイ奴だと思ってたのに!チキショウ、なんてことだ。自分はやらんけど、やるんだったら自分でしろ、とか!使用人言わないよね!?あ、前世の悪い口調が

いけないとか!?だああ、めんどくせぇ!


でも待て。筋トレっていっても走り込みとか腕立てとか腹筋とか道具なくてもできるな。何で気づかなかったんだろう....自分のアホさに嫌気が差すわ.......。


ということで、明日から外周10周を5セット、腕立て30回を2セット、腹筋30回を2セット、バービー20回を3セット、100mの流しを10本、インターバル1000mを3本にするか。勉強が終わればめちゃくちゃ暇だし。前世の私は、強豪陸上部だった。これくらいの練習はした。

あと、父に言って格闘技の先生を呼ばせるか。



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