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行動開始

「こんにちは」




後ろから話しかけられた気がした。




思わず後ろを振り向くと、若そうな、そこそこ顔のいい男がこっちを見ていた。




「……………こんにちは、何でしょうか?」なんとか言葉を振り絞る。




「君たちが、勇者であってるかな?」




「……はいそうです。」誰か知らないが、きっと王様がこないだ言ってた、俺達の面倒を見てくれる人だよな。




「では勇者のひとたちー、一回ここらへん集まってくれー。」




その声にクラスメイトたちが気づき始める。戸惑いつつも動き始めた。




「はい、ちょっと前にね王様から聞いてると思うけど、これからねあなたたちの面倒を見るリウムです。えーともとの世界にもあったと思うけど、先生です。」




そこで先生です。っていうのか、先生的存在ですならわかるけど。もしかして、俺達が後々行かされるはずの学校の担任だったりするのか?多分そうだ。




「先生ってきっぱり言っちゃったから分かった人もいると思うけど。あなたたちがもうすぐ通い始める学校の担任です。まあ、生徒に挨拶をしに来ました。あとみんなの指導のために、職業とかの把握かな。まあそこら辺が明日明後日やるからいいけど。まあとりあえずよろしく。」




クラスメイトたちは、こそこそとなにか喋っているが、その間にリウムさんは帰ってしまった。この人は、やけになれなれしいな。こういうやつは嫌いだ。




今日はこの城の書庫で、職業とかこの世界について本でも漁ってみるか。俺みたいな陰キャは、一人で行動してるから、自分から情報を手に入れるしかない。




この城では、俺達は行動が制限されていて、書庫なんて行かせてもらえるわけがない。だから夜に、こっそり行くしかない。




あの先生が、これから色々と教えてくれるんだろうけど、それじゃあだめなんだ。


群れをなすことしかできないようなクラスのやつらは、意外と情報を集めるのが早い。あいつらに遅れをとったら、落ちこぼれじゃすまない。




今から行動するしかない。




※




……………ッッッ 目をさます。




もう10時だ。俺は夜に行動するために仮眠をとっていた。夕食は城の人たちが、準備してくれるが、食べる時間は自由だ。だから俺は、早めに食べさせてもらった。




今俺が寝ていた部屋は王様が俺達のために準備してくれた、部屋だ。この部屋はとても広く、男子が全員寝ている。もちろん隣の部屋には、女子が全員いる。




耳を澄ます。




まだ女子の部屋の方から笑い声が聞こえる。まだ動くには早いが、あまり遅いと、書庫を漁る時間が短くなってしまう。




とりあえず音をたてないように、布団からでて、扉に向かう。試しに気配遮断を使ってみよう。念には念を入れないと。




これは便利だ。スキルは、何もしなくても頭の中で発動しようと思えば、発動できるらしい、発動しようと思ってステータスを見てみると、発動中と書いてあった。




しかも、さすがの気配遮断だ。足音も消える。きっと、異世界によくある魔力とかも消えてるんだろう。まあそのことも、書庫で調べてみるとしよう。とりあえず少し空いていたドアの隙間から男子の部屋を出る。




はあはあはあはあ




精一杯走っているが、陰キャにはきつすぎる。もう無理だ。歩いていこう。ステータスが上がれば、体力とか上がるだろうけど、それ以前に体力がなさすぎるな。毎日朝走ろうか。気配遮断があれば走れそうだ。




しばらくまっすぐ行って角を曲がる、王の間を通り過ぎていく。王の間への道は、食堂に行くときに通るから、もう覚えた。ここからは、自力で探すしかない。




漫画とかだったら、地下にありそうだ。まず地下に行く階段とかを探そう。




ふと王の間に目を向ける。もう誰もいないみたいだ。この世界のやつらは、寝るのが早いのだろうか。




王の間を通り過ぎたあと、左に曲がると地下につながる階段を見つけた。



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