ステータス
王がなにか、ただならぬ雰囲気をまとってこちらに向かって立っている。
「今から魔法を使う。そなたらは、少し離れていなさい。」
この王様マジだ。これは嘘じゃない。俺はなんとなくそう思った。
「炎」
王が魔法を使った。右手には魔法陣のようなものが現れ、炎の玉が一つでてきた。10メートルぐらい先までとんでいき、少し絨毯が焦げて溶け落ちていた。でもなんかショボいな。と思ってしまった。
本当にここは異世界なんだ。試しにほっぺをつねってみた。痛い。分かっていたことだけど、信じられなかった。魔法が使えるなんて最高じゃないか。漫画とか小説と同じなら、職業とかあるんだろうけど。後で聞いてみるか。
「今ので理解してくれたかの?」
さすがにこの事実は受け入れるしかない。みんなは明らかに動揺していた。あの田崎でさえ、黙っている。興奮しているのは俺だけか。
その後も色々と説明をしてもらった。どうやらこの世界は大陸が一つになっているそうだ。この大陸の外には何があるかわかってないらしい。さっきの魔法がショボかったのは、あの王様が魔法を使わないかららしい。まあ異世界の人が全員使えるわけじゃないのはわかる。
そして気になる職業などについてだが、ステータスオープンと唱えるとステータスが表示されるらしい。試しにやってみる。
「ステータスオープン」
効果音はなく、ぬっと目の前にパネルが現れた。
【ミウラ ヒロキ】
LV1
HP:10
魔力:10
攻撃:10
防御:10
体力:10
速さ:10
成長力:50
どうやら、これが初期ステータスで、人によって個人差があるらしい。
名前がカタカナになっているのはこの世界だからだろう。
職業や固有スキルが下に少し見えたので、俺は下にスライドをした。
職業:未選択
スキル:なし
固有スキル:なし
今のところスキルはないらしいが、なんだろうか職業が未選択と表示されているが、選べるのだろうか。戸惑いつつも俺は他のクラスメイトの方を見る。
「ステータス開示」
和田がステータスを表示していた。和田のステータスが俺に見えた。ステータス開示と言うと他人にステータスを見せることができるらしい。
【ワダ ユウセイ】
LV1
HP:10
魔力:30
攻撃:10
防御:10
体力:10
速さ:10
職業:賢者
魔術:火炎系・氷雪系LV1
スキル:なし
固有スキル:解析
和田には、固有スキルがあるみたいだ。解析?きっとあれだ。見たものの情報が目の前に浮かんでくるみたいなそんなやつ。便利そうだな。
しかも、賢者か。頭の良さそうな和田にはお似合いだな。
初期ステータスは魔力以外は俺と同じだ。魔力が少し高いのは、賢者だからだろう。
他のクラスメイトのステータスも、表示してるやつのだけのぞいてみたが、やっぱりみんな職業がきまっていた。
簡単にまとめると、だいたいの男子が戦士や、槍兵などで、かなり少なかったが、剣騎士、弓兵、魔術師がいた。魔術師は賢者の下位互換だ。特に珍しかった職業は、田崎の狂戦士だ。スキルには、デフォルトで自我を失う代わりにすべてのステータスが、数分間数倍にもなるというかなり強そうなのを持っていた。
次に女子だが、男子と違い、大半が魔術師であった。3人ぐらい、回復術師がいたが、あまり戦闘には向いていなそうだ。
河野さんのステータスは見えなかった。
俺は自分のステータスのパネルに視点を戻す。




