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最強幻想使いの異世界魔術学園  作者: 十織ミト
第1章
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第8話 〜神威外装〜

ここでは少し、ほんの少しだけ拓斗が本気を出しますので読んでみて下さい。

 戦闘が始まり、まだそう時間は経ってないが拓斗と神獣達の戦闘の激しさは数手の攻防ではあったが遠目からでも分かるものだった。

 神獣達の相手が拓斗では無く、ただの人間であったのなら最初の翼を持つ狼の神獣『蒼天瞬狼(テゼラ・グリレス)』の虚撃に成すすべも無く切り裂かれて終わる。

 もし、それを命からがら回避出来たとしても、次の深紅と黄金を合わせた(おおとり)、『紅翼金凰(シュレル・フェニル)』の炎に焼かれ灰も残らない事だろう。


 しかし、シロナが目を引かれたのはそれだけでは無く、遠目に拓斗が笑った事を視てとった事だ。

 それが恐怖からなのか、歓喜からなのか、どんな感情からかは分からない。

 しかし、拓斗が笑ったのだけは確かであり、戦闘の本番もここからなのも確かだ。

 この試験では命の危険が無いように配慮しているが、これより始まる全力戦闘で命に関わる怪我を負う可能性もなくはない。

 それを何とかするのは自分の仕事だと気を引き締める。

 この世界は、どうしようも無いくらいに、命の価値が軽く、低いのだから。



      〜・・・〜      〜・・・〜

 


「ここからは俺も本気で行かせてもらう」


 戦闘開始時に行っていた魔力強化では足りない事は分かっていた。

 戦闘の合間に相手の強さに合わせて強化の度合いを上げていこうと思っていたが、どうもそう悠長は言ってられない。

 この状況が続けば、間違い無く負けるのは俺のほうだ。

 だからこそ、出し惜しみ無しの全力の本気でいく事にした。


「………すぅ〜。………はぁ〜」


 深く深呼吸し、身体から余分な力を抜き、開始時に行っていた強化の比ではない魔力を身体の隅々まで行き渡らせるように循環させる。

 魔力の循環と魔力操作は、この世界に生きる者達、特に戦闘をする者や職人にとっては必須技能である。

 この世界での戦闘に携わる者は、戦士や剣士、騎士といった前衛を担う者と、魔術を主に使う魔術師の二種類がいる。どちらも、魔力による自己強化をしながらの戦闘をすることから、必ず覚えておかなければならない技術だ。

 その点、俺の魔力操作と循環はシロナでさえ手放しで誉めてくれる程の熟練度を保持している。

 循環速度を徐々に上げていくと、俺を中心に風が緩く渦を巻き、徐々に僅かずつ火花が混じり最終的にそれは火炎旋風の如く燃え上がり始め、草も放射状に凪がれていく。

 徐々に循環速度が上がっていくその様は、まるで車のモーターとエンジンだ。

 そして、その魔術名を呟く――――


「【灼天外装マテウス・オーバー・ロード】」


 俺を中心に深紅の五、六メトスはある巨大な魔方陣が現れ、俺を覆い尽くすように焔が吹き荒れる。

 焔は長時間燃え続ける事無く、直ぐにその姿は消えたが、残滓(ざんし)として、火花と少しだけ気温が上がったようにシロナと神獣達は感じられた。

 が、今はそんな事はどうでも良いという思いで目の前の存在を注視する。

 焔の中から姿を現したのは、神獣の中にも居たところ人形(ひとがた)サイズまで小さくなった竜だった。いや、良く見ると完全に竜と同じ姿をしているわけではなく、その材質が無機質な物――――そう、まるで金属かなにかで出来ている真っ赤な深紅の彩りの鎧のように思えた。

 本来竜にある翼と尾が無く、鋭角と流線形が見事に調和したフォルム。まるで竜の特徴と鎧が一つに混ぜ合わされたかのようだ。

 そこからして、すでにそこにいる竜が本物では無く、ただ模した物である事が分かる。

 だが、それが単なる見かけ倒しでは無いことを神獣達は理解していた。

 目の前にいる存在から発せられる威圧感、それが自分達を越える存在である事を示している。


「まずは、一発いかせてもらう」


 俺は足を踏み出すと同時に、神獣達でさえ知覚出来ない、その姿がかき消える程の速度で最初に攻撃を仕掛けた巨狼の傍らに現れ、無防備なその横っ腹に一発の腰の入ったパンチを見舞う。

 結果――――



 ズドンッッ!!



「グゥゥガァァァァアァァッ!」


 拳が入った部分が陥没し、その衝撃で巨狼は数十メトスは吹き飛ばされる。

 不意打ちを喰らったため、最初は押されぎみだったが、今の一撃で形勢が逆転した事が示された。

 しかし、それも当然のことだ。

 俺が現在使用している魔術は、俺が独自に作り上げた()()()()()

 その中でも最強の一角。


 名を、【神威外装アストライズ・オーバー・ロード】という。


 この【神威外装】の概要は、属性の極限強化と術者を高次元的に同調させる事だ。

 属性にはそれぞれ特性がある。

 風なら〈鋭さ〉、地なら〈頑強〉、水なら〈流麗〉等のようにだ。

 俺が今使っているのは火属性で、当然火属性にもあり、その特性こそ全属性の中でそっち方面では最強と言っても過言でたない〈燃焼〉だ。

 火属性は八属性の中で、一番の火力だと言っても良いだろう。

 そして同時に、今の俺は、炎の精霊に限りなく近い存在へと一時的に至っているのだ。


 更に、俺は詠唱無くして、魔術を発動させた。それは無詠唱と呼ばれる技術で、全ての魔術師達が目指す目標の一つだと言われている。

 俺からすれば、そこまで難しいものでは無かった。訓練時代の最初は不発になる事もあったが今ではそれも無く、問題無く発動出来る。

 そこで分かった事だが、無詠唱に必要なのは明確化されたイメージ。

 それが不完全であれば、勿論の事不発に終わる。

 このアーテラルの魔術師達は、それがあまりにもおざなりであるから、全く無詠唱での発動に辿り着けない。


 それから始まったのは、蹂躙、殲滅、鎧袖一触、etc…とそんな言葉が思い浮かんでしまう程に一方的なものとなった。


 鳳から再び火炎攻撃が放たれるが、俺はさっきまで感じていた緊張が全く無くなり、冷静にそれを見て――――わざと攻撃を受ける。

 そんな行動に出た俺に、遠くで観ていたシロナはおろか、戦っていた神獣達さえも驚き動きを止める。

 が、そこで声が響いた。


「こんなもんで、さっきまで俺は焦っていたのか」


 燃え盛る炎が内側から吹き飛ばされ、その中から現れたのは無傷な姿の俺だった。


「見せてやる。これが、俺の炎――いや、焔だ」


 パンッと一拍の柏手を打つ。


「【煌焔赤柱(ブレイズ・ボルケーノ)】」


 俺の背後に魔方陣が出現し、そこから燃え盛り荒れ狂う焔が十本吹き出した。


 最初に対処しようとして鳳が同じく炎で相殺を試みるが、俺の魔術の焔に炎はおろか、鳳までも呑み込まれた。

 後に残されたのは、崩れ去っていく鳳の亡骸。

 この魔術も俺が作り上げたオリジナル魔術の一つで、威力的にも作った順番的にもオリジナルの中では比較的、最初側の物――――つまり、既存する魔術で言うところの初級魔術のように最初に覚える魔術に該当する。勿論、この魔術はオリジナルで初期に思いつき作り出した物で、威力にいたっても文句の無い出来に仕上がっている。

 その後も、俺は火属性のオリジナルと既存の魔術で戦った。


 一足で最初に吹き飛ばした巨狼の元に向かい、よろよろと立ち上がり掛けていた所に追撃を加える。

 しかし、他の残りの神獣達に気を配っていない訳では無い。

 なので、

 

「【蒼焔(ブルー・フレア)】【煌焔之剣(ブレイブ・セイバー)】【炎嵐(ファイヤーストーム)】」

 

 その光景を目にした魔術師がいたのならだ、間違い無く即倒するのではないかと思われる物が繰り出されていた。

 無詠唱での三つ連続での魔術発動。

 けして、無詠唱が出来る者がいない訳ではなく、無詠唱が出来るようになった者は次に向かうのが俺がやったような連続での魔術行使。

 シロナ曰く、出来ても下級、良くて中級の魔術が出来れば良い方らしい。それも、現時点では二つが精一杯との事。

 対して、俺はそれを超えた三つ。本気を出せばそれ以上の同時行使が可能で、それも上級以上の。


 蒼き焔がはぜれば、大地に広がる草原は燃え上がり、深紅の剣が舞えば全てを焼き斬る。

 炎の嵐が吹き荒れ、焼け野原を作り上げる。

 

「まだまだ、これからだぞ」


 俺は次に、空に向けて魔術を放つ。


「【煌焔赤雨(ブレイズ・レイン)】」


 手を空に向け、その掌から魔術陣からサッカーボール程の炎弾を打ち上げる。

 ある程度の高さまで上がると、そこで―――――――弾けた。

 花火の様に。

 そこからの変化は劇的だった。

 空が一瞬にして夕方の様な茜色に染め上がり、そして雨を降らし始めたのだ。しかし、それはただの雨では無い。

 それは、燃え盛る焔の雨。


「この焔の雨は、焼けるぜ」


 焔の雨粒の一つが地面に触れれだ、一瞬にして燃え上がり焼き付くす。

 神獣達は、一瞬の判断でそれが自分達にも害を及ぼすものであると理解し、回避行動に移るが、一歩遅かった。


「ガアアアアアアアッッッ!!!!」


 巨狼の左の翼に焔の雨が一粒触れただけで、焼け落ちた。

 この【煌焔赤雨】は、雨粒の一つ一つが太陽と同等の熱量を内包する魔術であり、言うなれば、その一つ一つが小さな太陽だと言えるだろう。

 その様子はまるで、かのイカロスの(ろう)の翼のようだった。

 そして、俺の攻勢はまだ終わらない。


「さぁ、まだまだ行くぞ」


 まず最初に、既に瀕死の狼の神獣に止めをくれる。


「【緋獄焔界(プラウデル・ゲヘナ)】」


 辺りに燃え盛る焔たちが、まるで意思を持つかのように狼の周りを包み込み、断末魔の叫びさえ上げることなく燃やし尽くす。


「これで二体目」


 周りを見回し、次の標的を蛇の神獣に定める。


「次は、お前だ」


 唐突に強風が吹き荒れ始める。俺を中心に無風もしくはそよ風程度しか感じられないが、それ以外の俺から多少離れた所ではあたかも台風が吹いているのかと錯覚してしまう程の突風が吹いている。

 そして、地面にはあの魔方陣が描かれている。しかし、そこから発せられている光の色は深紅では無く、エメラルドグリーンの様な深緑色を含んでいた。


「【凰天外装エウル・オーバー・ロード】」


 風が吹き散らされ、台風もとい竜巻にまで成長したそれの中から現れたのは【輝焔外装】に似た、しかし若干の違いのある竜の姿を模した騎士。

【輝焔外装】との違いを上げるなら、【輝焔外装】は炎の模様が時間が経つに連れその形状を変えるのと鎧が深紅である事、そして後頭部身体の二本の角を生やしていた。

 対して、【凰天外装】は身体の模様が炎から風の模様に変わり、後頭部に合った角が無くなった代わりに額から一本の角と背中に突起が付属されたくらいだ。

 が、姿が変わったという事は、俺が使う属性も変化したという事だ。


「【絶空斬華(ウェイル・ザイン)】」


 【凰天外装】は風の強化魔術。そこから放たれるのは自然の猛威のそれだ。

 今の拓斗は風を支配する王もしくは神そのもの。

 それはまさしく人の姿をした神獣。

 風が吹き、蛇の神獣を包み込んだ次の瞬間。


「ジャラアアアアア……………ッ!!」


 吹き荒れる風の中から神獣の悲痛な叫びが、それは徐々にか細く薄れていく。風が止み、あとに残るのは細切りにされた元神獣の成れの果てのみ。


「これで三体目。残りは二体」


 俺が動き出す前に、その機先を潰すかの如く俺に向かって高エネルギーを含んだ攻撃を放たれる。が、俺はそれを何でもないように即席で作り出した風の剣で防ぎ、切り裂く。

 切り裂かれた高エネルギーの攻撃は俺の直ぐ側を通り抜けて、俺の後方に流れていく。

 視線を攻撃された方向を向けば、そこにはあのガメラモドキな亀の神獣が大口を開けていた。それを見るからには、今のはこいつの仕業で間違いない。

 が、残る神獣達の猛攻はこれで終わりでは無かった。

 ガメラモドキが咆哮を上げれば、地面が波打ち、石礫や岩の槍、鋼鉄の棘が突き出され撃ち出される。


「流石は神獣。一咆哮でこれだけの魔術攻撃をしてくるとはな。だが………」


 俺は地面を蹴り、空中に飛び上がる事で地面から飛び出してきた鋼鉄の棘を躱し、空中で石礫と岩槍を俺が発動した魔術で迎撃する。


「【爆風衝轟(ゾア・バニッシュ)】」


 ボゴオオオオオン


 全てを薙ぎ払う暴風を持って、石礫や岩槍、鋼鉄棘を粉砕する。そのままガメラモドキにお次の魔術を行使しようとした時、背後に突然の気配を感じ即座に魔術を捨て回し蹴りを見舞う。

 しかしそこに居た存在に受け止められてしまう。そこに居たのは俺が神獣達の中で一番強いと感じていたあの人形の竜だった。

 その竜は握り振り抜いた拳で俺の蹴りを受けていたのだ。


「やっぱり、お前が一番ヤバイみたいだな」


 仕切り直しする為に竜と俺は多少の距離を置いて立つ。

 まだ後方には亀の神獣が居るが、今は目の前のこいつから視線を外すのは論外だ。そんな風に考えていると、竜人が一瞬にして目の前に現れ、俺を殴り飛ばす。


「ぐっ」


 突然だったので咄嗟に腕をクロスして防ぐが、それでも受け止めきる事は叶わなかったのを一瞬で理解しその衝撃を受け流すために後ろに跳ぶ。

 衝撃に身を任せ、翔んでいるとその方向には亀が大口を開け、エネルギーを溜めて居た。


「これを予想していたのか!?」


 このままでは、少なくないダメージを受ける事になるが、俺はそのままもうすぐ落ちる場所まで行きそこで瞬時に反撃に出る。


 ズシャアアアアアアッッッ!!!


 俺が地面に降り立ったのと同時に撃ち出された三つの光源。

 俺はそれを真正面から魔術で迎え撃つ。


「【嵐天爆轟陣(エデル・ゼペラ)】!!」


 ズゴオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!


 乱回転する暴風と三つの光源がぶつかり合う。


「ハアアアアツ!!」

「ギュアアアッ!!」


 お互いに気合いを込めた気勢を上げる。

 最初は拮抗していたが少しずつ俺が押され始めている事に気付く。


「なっ!?」


 それに驚愕するが、こんな所で諦められないと気合いを入れ直す。

 そして、このままではダメなのも理解った。

 だから、さらに一段階も二段階も上げなくてわならない。


「ハアアアアアアアアアアッ!!!」


 魔力の出力を上げ魔術をさらに強化する。それは【神威外装】であり【嵐天爆轟陣】である。

 それが功を奏し、俺の魔術は勢いを増し、光源を呑み込んだ勢いのまま亀の神獣を呑み込む。

 だが、あの巨体から想像出来る様に防御力が半端ない。


「【壊覇外装バゼル・オーバー・ロード】」


 砂塵が舞い上がり、俺の姿を包み込み隠す。

 そうして、再び姿を変える俺。

 地面を踏み抜くと踏み抜かれな地面は陥没し俺の姿がかき消える。

 次に現れたのは亀の神獣の甲羅よりさらに上の空中。

 その時の俺の身を包むのは黄土色の今までの二つとはまた異なる異様な姿の鎧だった。

 一番の特徴として上げるなら肘から指先までの腕と膝からつま先までの足、そして胸の辺りを包む強靭な装甲。

 落下しながら腕を弓を絞る様に構え、ましたの甲羅に向けて拳を振り抜く。


「津我無流体術:(さん)ノ型『波轟(はごう)』!!」


 落下のエネルギーをそのままにさらに魔力と土属性の強化で強化された今の身体から放たれる一撃は簡単に受けて良いものではない。

 その証拠に、こいつは身体の中身を全て破壊され尽くし死んだのだから。

 甲羅の上から飛び降りた俺は後ろを振り返り、そいつの状態を確認する。

 見た目は無傷だが、腹の方から血が滴り落ち、その身を崩れさせる。


「さぁ、これで最後はお前だけだ」


 俺の後ろに佇む竜人を見据えた俺は何時でも動ける様に構える。

 それはそいつも同じで、最後はどちらの合図も無く始まる。

 空いていた距離を俺と竜人はほとんど一瞬にしてゼロにする。竜人との間にあった攻防は簡単に言うならば、素手格闘(ステゴロ)のインファイトと隙を付いての魔術の応酬。

 拳と拳をぶつけ合い、衝撃で空気が荒れ、撹拌される。

 どうにか隙を作り、大打撃を与えようと互いに魔術を発動し合う。

 俺が地面から岩弾と岩槍を作り飛ばせば、竜人は俺と同じ魔術と、さらに炎槍、暴風、暗黒弾をぶつけて相殺。

 だが、それで終わる程、俺も甘くは無い。

 相殺される事は折り込み済み。

 これで勝てるなんて思っていない。


 だから、最後の一手をここで打つ。


「【砂刃乱舞(アルナ・スライサー)】」


 砂塵の刃を放てば、


「ゴオギャアアアア!!」


 竜人が咆哮を上げ、咄嗟に激流を撃つ。


 水飛沫(みずしぶき)と砂塵が吹き荒れ、視界が遮られる。

 しかし、それは想定済み。


「これで、仕舞だ」


 この時の為に仕込んで置いた必殺の魔術を行使する。


「【壊戒旋迅(セテン・シュベール)】!!」

「ゴオオオアアアアアアッ!!」


 俺のあらゆる物を削り壊す破壊の旋塵と、竜人の放つ漆黒の閃光が真っ向から衝突し合う。

 視界を染め上げる閃光と全身を駆け巡る虚脱感と痛み。

 それでも俺は諦めない。


「ハアアアアツ!!」


 周囲一帯を巻き込んで大爆発。

 最後の最後で俺達は互いに魔術を直撃させる事となったが、俺は鎧の腹部を吹き飛ばされ内臓にも少なくないダメージを受ける事となるが、竜人は文字通り身体の中心から吹き飛んでいた。


「これで、終わりだよな?」

「ええ、お疲れさまです。タクトさん。これにて、貴方は無事に試験を乗り越えました」


 シロナの最終試験終了を聞き届けた俺は、襲いかかる虚脱感と疲労から意識を手放した。


「本当に、お疲れさまです。拓斗さん」

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