ハロルドの婚約者になってしまい、魔物退治に駆り出されました
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
今週中くらいに完結予定です。
な、何でこうなった?
私は呆然としていた。
ロンドの王宮で、王太子に騙されて、大階段からダイブしたところで、前世の記憶を取り戻した私は、貴族として生きるのを止めようと思ったのだ。
なんかヒロインは性悪聖女だし、この国にいても碌なことはない。
なんとか、王太子と聖女に反撃して二人には一矢報いたが、それだけだ。
前世、当然、日本で普通の平民だった私は、元々貴族なんて無理だった。せっかく断罪されなかったんだから遊学という名の追放で、隣国で冒険者として自由に生きていこうと思ったのだ。
冒険者なら宮廷のドロドロした人間関係もいらないし、実力だけでやっていける。家事も平民だったから出来るはずだ。
大階段から落ちた時に見つけた、最強騎士に隣国まで性悪聖女から守ってもらってホッとしていた。
ペットに古代竜がなってくれて、これで冒険者としても十二分にやっていけるんじゃないかなと楽観したのだ。
無理やり護衛として連れ出した騎士のハロルドは、料理も家事も私よりも完璧で、馬車が無くなったらおぶってくれたし、本当に便利だった。このままハロルドをだまくらかして冒険者家業に二人でなっても良いかもと思っていたのだ。まさか、彼がこのベルファスト王国の第一王子だなんて知らなかった。
その彼があっという間に王太子になってしまったんだけど。
まあ、そこまでは良い。いや良くはないが。冒険者の従者としてハロルドは料理よし、剣技よし、最高の従者だったのだ。疲れたと言えばおぶってくれるし・・・・一緒に馬に乗るのは勘弁してもらいたいけど・・・・怖いし。
それが王太子になったら、いやいやいやいや、一国の王子なのを知ってしまったら、流石に従者として使うわけにもいかない。私は諦めたのだ。仕方なしに。
それは百歩譲って良しとしよう。もったいないし、嫌だけど。
でも、なんで、私がハロルドの婚約者になっているの? どうして?
うちのバカ親、私を追放するだけじゃあ事足りずに、譲渡証明書? つけてハロルドに渡しているんだけど・・・・何よ。私の意見も聞かずに!
ハロルドが私と婚約しょうと訳の判んないことを言った時に、
「いやいや、私は平民だから無理よ」
と即座に断ったら、ハロルドがニタリと笑ったのだ。
何故笑う? こいつがこんな笑いをする時は碌なことがないのだ。
なんか、懐からなんか書類を出してきたんだけど。
「何よ。それ」
私は難しいことが色々書いてある書類を見た。
そして、血の気が引いたのだ。
そこには婚約証書と書かれていて、うちの父親のサインとこの国の陛下のサインががはっきりと書かれていたのだ。
「ええええ! どういう事?」
私達、既に婚約しているじゃん!
「君の家に君を迎えに行った時に君のお父様から渡されてね。その時は断ったんだけど、父にまでおんなじ物を送ってきてくれていたから、そのまま使わせてもらったよ。キャサリン」
不敵に笑ったハロルドのいやらしい顔と言ったら無かった。
あの糞父、私の知らない間に何してくれるのだ。
せっかく王宮の泥々からやっと逃れられたと思ったのに、また、舞い戻ってしまった。
それも竜を連れた伝説の少女としてなんだけど・・・・。
「まあまあ、キャサリン様はスノードニアの大軍を殲滅していただけた救国の英雄ですから、仕方ないですよね」
エイブさんにまで言われてしまったんだけど。
いや、あれはたまたまだから・・・・
「それに王宮も大きく壊してくれたしな」
ハロルドがなんか怖い笑みで笑ってくれるんだけど。
あれは第2王子が私に余計なことをしようとしたせいでしょう!
「ピー」
龍は鳴いてくれるんだけど・・・・
王宮を壊した大本は巨大化した龍のせいだし。あんたが巨乳に囲まれて喜んでいたからよ!
私は思いっきり龍ちゃんを叩いたら逆にとても痛かったんだけど・・・・。こいつは小さくなっても竜だった。
龍が巨大化したせいで、私は伝説の聖女になってしまったし、全部龍が悪い・・・・
そう思ってうじうじしていた時に、国境の地で魔物の大発生の報が入ったのだ。
私はハロルドと現地に向かう羽目になってしまった。
ひょっとして龍ちゃんと一緒にいる私は、ハロルドの婚約者というよりも、魔物駆除要員になってしまったんじゃないだろうか・・・・少し疑問に思ってしまったのだ。




