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第十七話

「着いたわよ」


あれから時間が経ち、さっきから続いていた沈黙という気まず過ぎる雰囲気が終わりを告げた。


「「「はぁ……」」」


全員して溜め息するなよ。


「ん~、……なんも無いじゃん」


車から降りて伸びをしながら辺りを見渡すが、あるのは木々と林とぽっかりとあいた平地だけだ。

一体ここに何があるんだ?


「それじゃ、行くわよ」


姉ちゃんは俺達の先頭に立ち、平地の中央に向かっていく。


「行くわよって言っても何も無いじゃねーか」


繰り返すが此処には何も無い。そう、何も無いのだ。

そんな俺を見かねたのか聖夢が口を開いた。それは一時間ぶりの出来事である。


「私達の組織の基地は周りの目を避けるために地下にあるのよ」

「今…なんていった…」


多分聞き間違えで無いと思うが一応確認をしてみた。


「え…、なにって地下に…」

「地下だってっ!!」

「なんでそんなに興奮してんのよ…」


地下って事はアレだろ、地下基地ってことだろ。夢と希望と男の浪漫の塊じゃないか。

他のヤツは知らんが俺はそういう人間である。


「…行くわよ、開けてくれ」


姉ちゃんは通信端末をとりだしてそう言った。

すると…


パコンッ


という何とも拍子抜けな音を立てて人一人が通れそうな縦穴が開き、梯子が伸びて来た。


「……これだけ?」


いやもっとこう…なんていうか、ウィーンなんていう擬音が似合う出来事を想像していたんだけどな。

イメージと違うというか、ぶっちゃけショボい。


「人しか通らないんだし、第一周りの目を避けてるんだから当然でしょ」

「Oーー!!」

「なんで悲鳴がアルファベット!?」


聖夢が俺にそう言った。その言葉は俺を地獄に落とすには十分すぎる内容だった。


「hahaha、sonnakototte…」

「なんでそこまで落ち込むかな…しかもローマ字だし」


俺は膝をつき目の前に広がる現実に絶望した。そんな俺への態様に聖夢は困り果てていた。

しかし、そこに一筋の光明が…


「…安心しなさい。大きな荷物を入れるときは大きなハッチが開いて入れれる仕組みになってるから…」

「Sester…」

「今度は英語…」


姉ちゃんの背中から後光が・・・


「まさか、姉ちゃんも…」

「ええ、最初はガッカリしたわ…」


姉ちゃんも俺と同じ人種だったのか…


「姉ちゃん…」

「弟…」


「「…いや…同志よっ!」」


俺達は抱き合った。まるで仲間と再会したかのように…


「俺だけじゃなかったんだよな。そういうのが好きな人ってちゃんと居るんだよな~」

「私も同じ事考えてたの。もしかしたら私一人だけじゃないかって~」

「ねーちゃん~」

「おとーと~」


俺達は泣きながらお互いに称え合った。


「ムゥ・・・」


熱き抱擁も終わり、健闘を祈る合うと聖夢が膨れっ面になっている事に気付いた。


「どうしたんだ聖夢?」

「何でも無い!」

「???」


どうしたんだろう、と考えていると姉ちゃんが聖夢を呼び出した。


「聖夢よ、お前もこっち側の住人なのか?」

「ち、違いますっ!」


そうじゃなかったのか、俺もそれを考えていた。仲間外れにされて寂しかったのかなって…


「それじゃあ…」

「!?」


姉ちゃんが聖夢の耳元で何かを囁いた。しかし残念ながら全然聞こえませんでした。


「い、意味不明です…」

「はは、まだ聖夢には早過ぎたか…」


何が早いのだろう?


「さてと行くか…そのまえに活生」

「なんだ?」


姉ちゃんが一歩出て振り向き、俺の前に立つ。


「今言うのは遅すぎるんだけど、これから起こることは非日常すぎる。活生のこれからの日常…、人生に関わってくる。私が薦めたのもあるけど、今ならまだ引き返せるわよ…」

「……」


姉ちゃんは俺の身を案じてくれている。

だけど俺は進む道をもうとっくにを決めている。


「言っただろう、宜しく頼むって。それに俺を弟って認めてくれた姉ちゃんの思いを、父ちゃんや母ちゃんの死を無駄にする訳にはいかないから」


もう…俺のせいで誰かが傷つくのはゴメンだ。


「…わかったわ」


姉ちゃんは俺に背を向け歩き出す。


「歓迎する、ようこそジェネラルへ」


そして梯子を降りていった。


「…よく言ったわね。でも、貴方ははもう一つの思いがあったからここに来たんじゃないの」

「……」


聖夢には見透かされていたようだ。

姉ちゃんに薦められたから、父ちゃん達が死んだからってだけではおれはもしかしたら此処には来ていなかったかもしれない。


「止めておきなさい。その道は過酷であり、そして後には何も残らない」

「それでもやるんだよっ」


俺は決めたんだ。あの男を…


「乱土を殺す」



―Side セイム―


「乱土を殺す」

「……」


私は彼の進むその道は過酷だと思う。そして私は感じてしまった。

彼は今も自分も責め続けていて、どうすればいいのかをわかっていない。ただ目の前にある原因を消すことによって自分の罪を償おうとしているのだ。

でも私は思う。そんな自分を責め、そして痛め続けながら進むような道を歩まなくたっていいんじゃないかって…


「それはそうと、さっき姉ちゃんと何言われたんだ?」

「え、え~と…」


突然話を変えられた。しかもそんな事いきなり言われても何も答えられない…


『嫉妬か…』


副長の言葉が頭に響く。


「………」

「おい、聖夢…」


こんな男になんて何も…。でもそれを肯定しようとすると胸が痛くなってくる。


「……」

「お~い、聖夢さん…返事して~」


なんなの、この気持ち…


「聖夢っ」

「えっ」


肩を揺さぶられ、我に返ると目の前に私の顔を覗く彼の顔が…


「おい、だいじょう「い、いやー!!」ぶぐっ!?」

「あっ!?」


反射的に肉体強化を加え活生の顔にアッパーカットをお見舞いしてしまった。そして彼は吹き飛び宙に浮き重力の力によって地面に叩きつけられ、そして地面に横たわる。


「ちょっと活生、生きてるっ?」

「きゅー…」


意識が無い、突付いても起きない。

こうなったら…


「とりあえず放置ね」


私は活生をその場に置いて行き副長の後を追った。


ごめんね、活生…


―Side Out―


後書きに初めて手をつけてた秋島、久々の投稿です。この作品を書いている最中違う物語の構想が浮かんでしまい、内容を考えていたりしていたら気が付けば一月が経ちました。いや~時が経つのってホント早い。そして咄嗟の思いつきってホント怖い、たまに身を滅ぼしそうになります。最近は寒いし暗いし金無いし暇無いしでホント遊んでいません。最後遊んだのゲーセンのスロットで大当たりしたときですかね。大当たりしててまだ続いてたのにツレが帰るからということで渋々諦めて帰りました。後悔後悔…あれ続けてたらもっと稼げてましたね。風邪やらインフルが流行る季節になりました。秋島的には秋こそが大好きな季節なのですが病気にはなりたくないですね。そんな秋島現在熱が出ちゃいました。そのおかげで小説久々が書けたので幸というか不幸というか…。この小説を読んでくれてる皆さんに限らず、病気等にはお気をつけください。

2011年11月17日 秋島

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