表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ純粋な、  作者: 横山裕奈
チェス編 第四章
81/262

79 敵地に到着

「よーやく着いた!」

 隣でイアが伸びをする。戦闘服は暗い緑色で、イアにぴったりと合っていた。

「リィ、似合うね。戦闘服。絶対、軍服も似合いそうだよね」

「そうか? 戦闘服はともかく、軍服は動きづらそうで嫌だな」

 確か、軍服も同じ色だったか。戦闘服は動きやすくていいな。


「セナさん!」

「やあ、コラット。戦況はどうだい?」

 イアをちらりと見ると、すぐに意図を汲んで口パクで教えてくれる。(中佐だよ)と。セナさん……って、呼んでいいのか?

 苦笑するイアを見て、もしかしてもうイアはセナと話したのだろうかと思う。


「なにか変わったことがあるか?」

 待機という名の自由時間、俺たちは見晴らしのいいビルの屋上にいた。ここも当然、人は住んでいて、ビルもある。

 国籍はないそうだ。エーディ人と呼んでいる。

「変わったこと……。ま、なんか美女に目をつけられたね。アーリア・ヘアマーチ?」

 にこにことイアが言う。


「まぁ、遅かれ早かれそうなるとは思ってたけど。だってこの見た目だし?」

「自信満々だね、イア」

「自己分析って大事でしょ? それとも、私より綺麗な人を見たことがある?」

 ラーフが言葉に詰まる。……ないな。


「で、アーリア・ヘアマーチってどいつだ?」

「ちょっとリィ、殺さないでよ? えっとね、金髪で緑色の目の身長169体重50の20歳の美人さん。酒場に行ったらそれなりに誘われそうな」

「イアは誘われないのー?」

「……ナタリー、誘うの意味分かってんのか……。いや、いい聞かない言うな」

 パーシーが答えを予測して首を振る。まぁ、分かっちゃないだろ。


「私が誘われる? 私の場合、圧倒しちゃうんだよね。声かけられても舞い上がっててなに言ってんのか分かんない」

 イアの美しさは、人を圧倒する。会話ができなくなる、目が泳ぐ、赤面する……どれもこれも見慣れた反応だ。

 イアに対して口笛を鳴らしたり、微笑みを向けられるやつはほとんどいない。仮にできても、流し目1つで他と同じ反応をする。

「イアってすごいねー」

「どうもありがと、ナタリー」


 いやそんなのどうでもいい。前から知ってることだしな。

「ヘアマーチは殺して支障ないか?」

「もー、変な冗談言わないで。みんな本気だと思ってんじゃん」

「……今の、冗談なの? 冗談でいいの?」

 ラーフが強張った顔で俺に聞く。俺は少し首をかしげて、口を開く。

「半分くらい冗談だ」


 ヘアマーチが、マーチヘアだったと知るのは2日後のことだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ