77 臨時入隊
私たちは臨時で入隊して、応援に向かう部隊と一緒に行くことになった。それでも面倒だ。フード被ってたら、挨拶なんだから脱げとか。お前らのためだ被ってんの!
一応夜だけど、基地の中は昼のように明るくて意味はない。
「リークス・ソールだ」
「イアータ・クローバー」
「パーシー・フェリアです。よろしくお願いします」
「ラーフ・コストンです。色々教えてください」
「ナタリー・ノアーラです! 仲よくしてください!」
「リサ・オーテスです。どうぞよろしく」
リサは本国でお留守番だけどね。一応、挨拶だけでもと。この挨拶が終われば、すぐ出発だ。
てかさ、みんなごめん。私のせいで、たぶん名前覚えられてないと思う。みんな意識が飛びかかってるから。
『悪魔の瞳』だぞ。
いやでも、すっげぇ綺麗じゃね?
なにあの子、整形?
銀髪だ。
つーかプロポーションもよくね?
「静粛に!」
女の声……にしてはちょっと低いな。でも、女だ。肩までのふわふわした赤い髪に、緑色の瞳。背中には大剣。
「私が指揮官のセナ・カーハティ中将だ。普段は第3師団をまとめているが、この作戦に限り臨時で指揮を執る。よろしくね」
まだ20代後半だろう。なんだろう、この雰囲気。誰かと似てる……? ……ノーラ?
「じゃあ、行くか。全員、この世に残した未練を思い浮かべろ。それに縋って、帰ってこい。……行くぞ!」
……この人、出世しそう。もしこの任務が失敗すれば、私はこの人の下で働くことになるのかもしれない。
船に乗って30分。まだあと1日と半分ある。甲板で外を見ていたら、後ろから足音がした。
「ああ、いたいた。やあ、イアータ」
「……中将」
「堅苦しい呼び方は嫌いだから、セナさんくらいで」
「はぁ」
敬語を使うべきか否か。なるべく使いたくないなぁ。敬ってないやつに敬語とか。
「チェス。……クイーンらしい、慇懃無礼な態度だね」
「なんだ、知ってるの」
じゃあ敬語じゃなくていいや。
「ああ。陛下と私の計画だからね。あんたたちチェスは」




