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ただ純粋な、  作者: 横山裕奈
チェス編 第四章
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71 今後の計画

 アリス、と呼ばれて振り返る。そこにはエドリィがいた。

「なぁに? エド」

「カフェテリア行かないか」

「うんっ、いいよ!」

 元気キャラはちょっとつらい。できれば今後はしない方向で生きていこう、うん。


 エドリィはコーヒーを、アリスはチョコレートマフィンとクリームソーダ。チーズケーキでもよかったな。

「後でチーズケーキ食べるつもりじゃないだろうな」

「なんで分かったの!?」

「食うなよ。昼飯が食えなくなるぞ。お前、ただでさえ小食なんだから」

 それでも生きていけるけどね、と言うと怒られた。リィって何気に過保護だよね。


「で、どしたの?」

「今後について」

「ま、考えは一緒でしょ? すぐ殺して、しばらくこっちで生活する。ついでに、誰か洗脳して自殺してもらう」

「そうだな。じゃあ、エヴァンジェリンと確執のあるやつを洗っておく」

「あるかな~? あの子、相当いい子だよ。だからさ、ブスであの子と仲いい子を洗って」

 嫉妬で殺す、なんて女じゃよくありそうだし。いい子の暗殺って大変だよね。殺すのは抵抗ないけど、手段が限られる。


「ねぇエド。みんなもう、エヴァと仲よくなったの?」

「ああ。特にキャサリンナタリーはよく懐いてるな」

「外した方が、いいね。あの子は素直すぎる」

 明るいカフェテリア、明るい声、明るい笑顔。その中で、私たちは向かい合う。人が多すぎてこちらになんて注目していないし、されても自然体で談笑してるから疑われない。だから今は、普通にイアとリィに戻って会話する。元気で素直なかわいいアリスじゃ思いつかない計画を話しつつ。


「また、嫌われちゃうね」

「……そうだな」

 私相手に誤魔化したって仕方がないのを知っているから、リィは普通に答える。

「ふふふふ。リサには昔からあまりよく思われてないとは思ってたけど」

「嫉妬だろ」


 嫉妬ね。女の嫉妬って面倒くさい。

「私の見た目に? 頭脳に? 力に? 人生に?」

「すべてに、だな」

「……お望みなら、全部あげるのに」

 いるなら、どうぞご自由に。見返りは、リサの平凡な見た目と頭脳と力と人生でいい。平凡だって言うと怒られるかな。でもね、随分と平凡でしょ?

 貴族に家族を殺された? 一体何人そんな人がいると思ってるの。私は過去はそれなりに平凡だけど、きっと未来は波乱に満ちる。未来は自分で決められる? ううん、平凡か非凡かは、見た目や能力で決まる。


「まぁ、いいだろ。どうせ俺は、死ぬまでお前といるだろうし、多少なら守ってやる」

「私もそんな気がする。じゃ、私もできる限り手助けしてあげるよ。そのうち、私の上司になりそうだし」

「上司か、向かねぇな」

「やー、意外と向いてるんじゃない?」

 なんとなくだけど、なにより当たるスラム仕込みの勘だ。どうせ、一緒にいるよ。どっちが先に死ぬかは分からないけど、大体同じ時期に死にそうだし。

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