71 今後の計画
アリス、と呼ばれて振り返る。そこにはエドがいた。
「なぁに? エド」
「カフェテリア行かないか」
「うんっ、いいよ!」
元気キャラはちょっとつらい。できれば今後はしない方向で生きていこう、うん。
エドはコーヒーを、私はチョコレートマフィンとクリームソーダ。チーズケーキでもよかったな。
「後でチーズケーキ食べるつもりじゃないだろうな」
「なんで分かったの!?」
「食うなよ。昼飯が食えなくなるぞ。お前、ただでさえ小食なんだから」
それでも生きていけるけどね、と言うと怒られた。リィって何気に過保護だよね。
「で、どしたの?」
「今後について」
「ま、考えは一緒でしょ? すぐ殺して、しばらくこっちで生活する。ついでに、誰か洗脳して自殺してもらう」
「そうだな。じゃあ、エヴァンジェリンと確執のあるやつを洗っておく」
「あるかな~? あの子、相当いい子だよ。だからさ、ブスであの子と仲いい子を洗って」
嫉妬で殺す、なんて女じゃよくありそうだし。いい子の暗殺って大変だよね。殺すのは抵抗ないけど、手段が限られる。
「ねぇエド。みんなもう、エヴァと仲よくなったの?」
「ああ。特にキャサリンはよく懐いてるな」
「外した方が、いいね。あの子は素直すぎる」
明るいカフェテリア、明るい声、明るい笑顔。その中で、私たちは向かい合う。人が多すぎてこちらになんて注目していないし、されても自然体で談笑してるから疑われない。だから今は、普通にイアとリィに戻って会話する。元気で素直なかわいいアリスじゃ思いつかない計画を話しつつ。
「また、嫌われちゃうね」
「……そうだな」
私相手に誤魔化したって仕方がないのを知っているから、リィは普通に答える。
「ふふふふ。リサには昔からあまりよく思われてないとは思ってたけど」
「嫉妬だろ」
嫉妬ね。女の嫉妬って面倒くさい。
「私の見た目に? 頭脳に? 力に? 人生に?」
「すべてに、だな」
「……お望みなら、全部あげるのに」
いるなら、どうぞご自由に。見返りは、リサの平凡な見た目と頭脳と力と人生でいい。平凡だって言うと怒られるかな。でもね、随分と平凡でしょ?
貴族に家族を殺された? 一体何人そんな人がいると思ってるの。私は過去はそれなりに平凡だけど、きっと未来は波乱に満ちる。未来は自分で決められる? ううん、平凡か非凡かは、見た目や能力で決まる。
「まぁ、いいだろ。どうせ俺は、死ぬまでお前といるだろうし、多少なら守ってやる」
「私もそんな気がする。じゃ、私もできる限り手助けしてあげるよ。そのうち、私の上司になりそうだし」
「上司か、向かねぇな」
「やー、意外と向いてるんじゃない?」
なんとなくだけど、なにより当たるスラム仕込みの勘だ。どうせ、一緒にいるよ。どっちが先に死ぬかは分からないけど、大体同じ時期に死にそうだし。




