70 コーヒーまずい、紅茶もまずい
ホント、変装しててよかった。私の見た目だと、変なやっかみとかあって面倒だからね。とはいえ、普通に面倒だな。
標準より綺麗にしたから、それでも妬まれるんだね~。
「おはよう、アリス」
「おはよう、エヴァ。朝ご飯、食べに行こう?」
「ええ、もちろん。他のみんなは?」
「寝坊しちゃって。置いてかれた」
今日は、先に行ってもらった。食事って都合がいいんだよね。親密度が上がるから。
「もっと食べなきゃダメよ、アリス」
「ん~、低血圧なんだよね」
「あんなに元気なのに」
「心はいつでも元気だよ!」
低血圧なんだよね、ホントに。ていうかそんなに食べれない。
今日のメニューは、シリアルにパンケーキ、ソーセージ、ベーコン、目玉焼き。メニューはいい、いつもと同じだし。……量が多い!
「ちゃんと食べないと、背が伸びないわ」
「もうこの身長でいいよ~」
「そういえば、エドワードって背が高いわよね! 何センチあるの?」
「186センチ。大きいよね。でも、喋るとき大変だよー! 首痛いもん」
「ああ、幼なじみって言ってたわよね? いつから?」
「7歳。昔は私より小さかったんだよ~?」
コーヒーを飲む。……あまり好きじゃないな、コーヒー。でも紅茶はまずいし。なんであんなにまずく淹れられるんだろう。
「あ、遅れるわ! 行きましょう」
「わぁ、大変! 怒られる!」
「ま、ちょっとくらいなら大丈夫よ。まだね」
何度か重ねると罰則があるんだっけ。気をつけなきゃ。なるべく記憶に残るようなことはできないし。




