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ただ純粋な、  作者: 横山裕奈
チェス編 第四章
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62 謝罪

「姉ちゃん起きたの!? おはよう!」

 廊下に出た瞬間に、ケヴィンに抱き着かれた。

「おはよーケヴィン。心配してくれたんだって? ありがとう」

 頭を撫でると、ふわふわの金髪が気持ちいい。……ヤバイ、30時間も寝たら力が入んない。


「大丈夫か」

 よろけそうになった私を腕一本で支えて、リィは私の顔を覗き込む。……背ぇ伸びたねー……。頭1つ分違うんだけど。

「力が入らなくて。30時間睡眠はきついね」

「お前がバカだからだろ」

 またバカって言うし。


「もう大丈夫なの? 姉ちゃん」

「うん、大丈夫だよ。ケヴィンが心配してくれたからかなー」

「僕より、リィ兄ちゃんの方が心配してたよ。昨日とか」

 まぁね。リィ、いつまで経っても休養日に慣れてないからね。

「そっか。でも、ケヴィンもありがとう」


 手を振って駆けていくケヴィンを見送ったところに、4人が来た。少し身構えてしまう。

「おはよ、みんな」

 でもきっと、身構えたことは分かっていない。

「イア……ごめん!」

 ラーフに続いて、次々に謝っていく。リィが冷静な目でそれを見つめる。冷静というか、冷たいというか。

 なんかあった? 私が寝てた間に。リィの対応がとても怖いんだけど。


 謝ったって、信頼が回復するわけじゃないのに。少なくとも私はもう、あんたらのこと信頼できないよ。

「なんで謝るの? あのときの状況考えたら当然でしょ。別にいいよ」

 ごめんね、みんな。一応、信頼するフリはできるし、気づかせない自信はあるから。


 だから今まで通り、家族ごっこしようね?

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