39 随分と遅いお目覚めで
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うわ意識ある。死んでんの? 生きてんの? どっちかハッキリしてよ。ああそうだ、目が開いたらいいのか。分かるよね、そしたら。
……。あー、知ってる天井。つまりは……生きてるのか。
「イア!」
リサがすごい勢いで立ち上がる。ナタリーは……うん、そのまま寝てていいよ? 気にしないから。
「起きたの!? あんたもう3日も……」
「リィは?」
またそれ、とリサは呆れた顔で肩をすくめる。
「まだ寝てるわ。リィの方が、解毒剤の効きが悪いのよ。完全に半分にしちゃったから、体重的にリィはきついの。あんたは体重軽いからすぐ効いたんでしょうね」
あー、そうなんだ?
「じゃあリィのとこ行く。リィが死んだら私も死ぬから、そのつもりで」
「縁起でもないこと言わないでよ! ……ああそう、国王は帰ったわよ。どうせ生きるだろう、あいつらのことだ。ってさ」
「あっそ。……あ、そうだ、ありがとねリサ」
それどころじゃない、と男子部屋に飛び込む。
「イア。もう大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ、ありがとうパーシー。ラーフも」
「僕は大したことしてないよ。お礼ならナタリーだ。解毒剤を半分こしたらいいって言ったの、ナタリーだし」
「解毒剤。……えっと、1人分しかなくて仲よく半分ずつ飲ませました、的なこと?」
「なんだ、まだ説明されてなかったのかよ」
実はリサの話なんか聞かずに飛び出しました。すみません。……言わないけど。
「あ、起きるよ、リィ」
「え?」
「マジかなんで分かった!?」
「……気配?」
ぎょっとした顔で見るのやめて? いやマジで起きそうな気配になったじゃん。ほら、まつげも動いたし。……リィ、まつげ長くない? てかやっぱ綺麗な顔してるよね。寝てたら寝てたらかっこいい人形みたいだ。
「リィ!」
ラーフとパーシーが嬉しそうに声を上げる。私はにっこり笑顔でリィの顔を覗き込む。
「おはよう、リィ。随分遅いお目覚めだね」
「……うるせぇ。あとついでにイア、お前まだ寝てろ。体調悪いだろ」
「寝起きで人の体調見抜くのやめてもらえます?」
「寝てろ」
「……は~い」
なんで私の演技を見破れるんだか。……まぁ、私はリィのことを見破れるけどね?
「あら、リィは?」
「起きた。寝てろって言われた。寝る。おやすみ」
「……いつ知能が3歳児に戻ったのかしら? イア」
その言葉は聞かず、すぐに眠る。本当は、身体もだるくて頭も痛くて手足も上手く動かなかった。……なんで分かるのかなぁ、ホント。心配かけたくないだけなのに。




