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ただ純粋な、  作者: 横山裕奈
チェス編 第三章
40/262

39 随分と遅いお目覚めで

 ……。………………。………………………………。

 うわ意識ある。死んでんの? 生きてんの? どっちかハッキリしてよ。ああそうだ、目が開いたらいいのか。分かるよね、そしたら。

 ……。あー、知ってる天井。つまりは……生きてるのか。


「イア!」

 リサがすごい勢いで立ち上がる。ナタリーは……うん、そのまま寝てていいよ? 気にしないから。

「起きたの!? あんたもう3日も……」

「リィは?」

 またそれ、とリサは呆れた顔で肩をすくめる。


「まだ寝てるわ。リィの方が、解毒剤の効きが悪いのよ。完全に半分にしちゃったから、体重的にリィはきついの。あんたは体重軽いからすぐ効いたんでしょうね」

 あー、そうなんだ?

「じゃあリィのとこ行く。リィが死んだら私も死ぬから、そのつもりで」

「縁起でもないこと言わないでよ! ……ああそう、国王は帰ったわよ。どうせ生きるだろう、あいつらのことだ。ってさ」

「あっそ。……あ、そうだ、ありがとねリサ」

 それどころじゃない、と男子部屋に飛び込む。


「イア。もう大丈夫なのか?」

「大丈夫だよ、ありがとうパーシー。ラーフも」

「僕は大したことしてないよ。お礼ならナタリーだ。解毒剤を半分こしたらいいって言ったの、ナタリーだし」

「解毒剤。……えっと、1人分しかなくて仲よく半分ずつ飲ませました、的なこと?」

「なんだ、まだ説明されてなかったのかよ」


 実はリサの話なんか聞かずに飛び出しました。すみません。……言わないけど。

「あ、起きるよ、リィ」

「え?」

「マジかなんで分かった!?」

「……気配?」

 ぎょっとした顔で見るのやめて? いやマジで起きそうな気配になったじゃん。ほら、まつげも動いたし。……リィ、まつげ長くない? てかやっぱ綺麗な顔してるよね。寝てたら寝てたら(・・・・)かっこいい人形みたいだ。


「リィ!」

 ラーフとパーシーが嬉しそうに声を上げる。私はにっこり笑顔でリィの顔を覗き込む。

「おはよう、リィ。随分遅いお目覚めだね」

「……うるせぇ。あとついでにイア、お前まだ寝てろ。体調悪いだろ」

「寝起きで人の体調見抜くのやめてもらえます?」

「寝てろ」

「……は~い」

 なんで私の演技を見破れるんだか。……まぁ、私はリィのことを見破れるけどね?


「あら、リィは?」

「起きた。寝てろって言われた。寝る。おやすみ」

「……いつ知能が3歳児に戻ったのかしら? イア」

 その言葉は聞かず、すぐに眠る。本当は、身体もだるくて頭も痛くて手足も上手く動かなかった。……なんで分かるのかなぁ、ホント。心配かけたくないだけなのに。

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