32 大丈夫
どうして、こんなことになった!? リィもイアも死にかけてて、俺たちは国王が来るまでなにもできなくて……!
やっぱり俺が……。
「俺が行けばよかった。あの辺りで働いてたのに」
あのカジノのはす向かいで働いてたのに。
「パーシー。あたしね、思うんだ。もしパーシーが行ってても、結果は変わらなかったって」
不意に声がした。しゃがみこむ俺を、ナタリーが見下ろしていた。
「だから、落ち込まなくていいよ!」
「落ち込むさ。2人は死にかけてんだからな。みんなそれぞれ、自分のせいって責めちまうんだよ!」
真剣な顔のナタリーに、つい八つ当たりをしてしまう。
「あたしは、そう思わない。だってこうなったのは、チェンバレンのせいじゃん!」
目に涙を溜めて言うナタリーを見て、申し訳なくなる。それに、確かにそうだ。チェンバレンのせいだ。
「それにさ、2人はなんて言うと思う? 自分のせいにしそうじゃない?」
「ああ……。お互いに押しつけ合うか、お互いを庇うかだな」
『リィのせいだって!』『なに言ってんだお前だろ!』
『リィのせいじゃないよ』『いや、俺のせいだ』『違うって』『だから俺だ』
その光景を想像して、ニヤッと笑う。どちらのパターンも、簡単に浮かぶ。
「今回は庇う方かしらね。リィは悪くないよ私が悪いんだよ、いや俺が悪いんだ……って感じね」
リサがパサッと髪を掻き上げながら来た。近くまで来て、声からおどけた響きが消え失せる。代わりにどこか、懇願するような縋るような響きが含まれる。
「あと5分で来るわ。そうしたらきっと……大丈夫」
ああ……きっと、そうだ。
……そうあってほしい……!




