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壁を作るときはプラチナで

 入学から数日経って、学校生活にも慣れてきた。

 ただ、交友関係はあまり広がっておらず、友達と言えるのは三首と静枷の二人くらいしかいない。

 別にクラス全員と友達になりたいとかではないが、もう少し交友関係を広げておきたいと思う、今日この頃。


 誰かに話しかけてみようか……でもクセ強い人しかいないからなぁ。


「みくびー、気になる人とかいない?」

「な、なんでござるか、急に!? せ、拙者の気になる人って――」

「ちょっと交友関係を広げようと思って」

「ああ、そういうことでござるか。それなら――」


 三首が振り返って、誰かを指そうとした、瞬間。


バキィ!


 教室の扉が粉々になり、破片が飛散する。

 それは、扉の近くの席に座っている、俺に襲い掛かって来た。


「うわっ!」

「ワン!」


 俺は腕をクロスさせて防御することしかできなかったが、後ろにいた三首が咆哮を上げ、その音圧で破片を全て弾き飛ばした。


「あっぶねー。ありがとう、三首」

「当然でござる。主殿、お怪我は?」

「ちょっと耳がキンキンするくらいだ。それより……なんか犬いなかった?」

「気のせいでござる」


ズシン


 お決まりのやり取りをしていた時、影が俺達を包んだ。


 そこにいたのは、壁のような大男だった。

 3メートルくらいはあるバカみたいな身長に、顔二個分くらいはある、バグった肩幅をした筋骨隆々な大男。

 目は常に白目を剥いていて、凄まじい筋肉の代償か、その頭には毛の一本すらなかった。


「スマ」

「「でたあああああああああああ!」」


 その化物のような風貌に、三首の後ろに隠れようとしたが、三首はもうそばにおらず、教室の角に逃げていた。


「みみみみ三首!?」

「かたじけない、妖の類は苦手なのでござる」

「逃げないで! 置いていかないで!」


 三首は教室を飛び出して逃げ出し、それを俺が追いかけ――


「マッテ」


 筋肉の化物は、教室のドア枠を破壊して、俺を追ってきた。

 ズシンズシンと重々とした音が背後から迫り、ヤツが足を動かすたびに学校が揺れる。

 学校の廊下で、突然リアル鬼ごっこが始まった。


 幸いというか、背は高いが、質量が大きすぎてそこまで速度は出せないようだ。

 ただし、圧は凄まじい。


「ヤバいって! 殺されるって!」

「主殿! 土遁鋼鉄壁!」


 三首が、逃げながら壁に手を触れたかと思うと、俺とヤツの間に鋼鉄の壁が生み出され、廊下を塞いだ。


「忍術で鉄!? 普通岩じゃない!?」

バキィ!

「こっちの方が頑丈でござる」

「確かに!」


 三首による、安心安全の鉄筋製。

 ツッコんでる間に紙みたいに破壊されたけどな!

 

「みくえもん、他に何かないの!?」

「土遁、プラチナ壁!」

バリン!

「すげえ、キラキラだぁ! キラキラに爆散してる!」


 見るからに硬そうな宝石の壁がでてたが、一瞬で突破されてた。


「そんな、隕石をも防ぐプラチナ壁が!」

「やられ役みたいなこと言わないで!」

「ヴォア」


バキバキバキ!


 ヤツは、急に足を止めたかと思うと、大木のような腕を振り下ろして床。

 十数メートル離れていた俺の所まで亀裂が入り、一帯の床を破壊する。


「おわぁ!?」

「主殿!」


 急に走る足場がなくなり、俺は下の階に転落してしまった。


「いてて」

ズシンズシン


 一階分落ちた衝撃で、歩けなくなった俺に、巨大な筋肉の塊が迫って来る。

 ヤツは、俺の手前で足を止め――


「大丈夫カ」

「……は?」


 手を差し伸べた。



「大丈夫カ」

「あ、はい」


 俺の手と同じくらいある人差し指を掴んで、立ち上がった。

 この人、もしかして、怖くない?


「……何で追いかけてきたんですか?」

「迷惑カケタカラ、謝リタクテ」


 あ、分かった。この人、心優しき化物だ。


「怪我トカシナカッタ?」

「大丈夫だよ。気にしないで」

「コレ、アゲル」


 彼は、ポケットから出した絆創膏をくれた。

 可愛いイチゴ柄の絆創膏。

 転落した時に手を擦りむいていたので、そこを包むように絆創膏をつけた。


「ありがとう。えっと――」

「リッキー・ストレイン、ダ。筋肉学校カラ来タ、ヨロシク」

「……君、こんなに大きかったっけ」


 リッキー・ストレインはクラスメイトの一人だが、これほど化物じみてはいなかった。

 平常時と比べて五割増しのサイズ。お買い得だね。


「朝トレシスギテ、膨張シテシマッタ」

「ああ、そう(思考放棄)。俺は佐藤誠一だ。よろしくな」

「ヨロシク。力仕事ハ得意ダカラ任セテ欲シイ」


 右腕同士を交わして、握手した。筋肉がカチカチでヤバかった。


「これにて一件落着でござるね」

「全然落着ではありませんが」


 上の階から俺達を見下ろしていた三首の前に、天上先生が舞い降りた。

 そして、鉄屑やプラチナが散らばり、床に穴が開いた校舎を指さす。


「全部片づけなさい」

「はい……」


 この後、三人で全部片づけた。

 俺が小さなゴミをほうきで集め、リッキーが大きめのゴミを拾い、三首が忍術で校舎の修復をしていた。

 ちょっと床の一部がプラチナになっていたけれど、まあ大丈夫だろ。


 更新時間について記載し忘れてました。適当です。

 ブックマークしたら分かりやすいヨ。

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