捜査協力
「二人とも聞いてくれ。できれば警察に協力したいと思っているがどうかな?
肝心の死体いや本人がどこを探しても見つからないのが現状。打つ手なしだ。
第一の失踪事件同様に暗礁に乗り上げるのは目に見えている」
「オーコールドケース? 」
「だが我々には第一村人からの手紙がある。
この消失トリックには通常考えられない奇想天外な仕掛けが隠されているはず。
早くその手がかりを見つけ犯人を特定し次の犯行を未然に防がなければならない」
「そうっすよね。このまま犯人の思い通りに事が進めば何の為に来たのか分かりませんもんね」
助手は乗り気でなかった一連の事件に正面からぶつかることを誓った。
「レター? アイドンノー」
ルーシーには何のことを言っているのかチンプンカンプン。まあ当然か。
彼女の為にと助手が勝手に手紙を見せ同時に内容を要約する。
私はその様子を確認。彼女におかしなところがないかチェック。
表情からは何も読み取れなかった。おかしな様子もない。
相当訓練されたプロでない限りボロが出るはずだがいつものルーシーだ。
昨日会ったばかりだから何とも言えないが…… 彼女はシロ?
いや早計すぎるか。まだ完全に疑いが晴れた訳ではない。
それにしても助手の言動は浅はかで頂けない。
いくら海外からの客とは言えドス暗い裏の顔を持ってないとは限らないのだから。
二人で先に行くように促す。
「先生困りますよ。心細いそれに……」
「二人で先に食事を済ませてコウ君のところへ行ってくれ。
私は刑事さんに詳しい状況を聞きに行く」
仕方ないなあと少し照れたように頭を掻き恥ずかしそうにルーシーと手をつなぐ。
その様子を振り返りながら急いで駐在所へ。
「A班どうだ? 」
「A班今のところ発見できません」
「B班」
「人も物も何も」
「C班は? 」
「まだ見つかっていません。人数を増やしてもらえませんか?
これでは明日になっても終わりそうにありません。湖は広いですよ」
三班に分かれて二姫の捜索に当たらせている。
「増員は難しいな。引き続きよろしく頼む」
連絡を終える。
刑事は一息つくと口を開けボーっとしている。
進展が見られない現状にイライラすることなく気持ち悪い程の笑みを浮かべ呟く。
「上が冷静さを失っては下は着いてはこない。ぼっとするのがいい」
「あのー刑事さん」
こちらにまったく気付いていない様子。本当に大丈夫か気になる。
「ああ。何だ何か分かったか? 」
口を開け涎を垂らさん勢い。
恥ずかしいところを見られたと頭を掻く。
「二姫さんはまだ見つかりませんか? 」
「バカ野郎。勝手に入ってくる奴があるか」
訳の分からない叱責を喰らう。
お茶目な一面が見られたのだからそれくらい許すか。
「それで何か進展は? 」
「お前しつこいな。無いと言ったら無いんだよまったく。
探偵だか何だか知らないが勝手に俺の前をうろちょろするな。
警告したからな。次は容赦なく捕まえてやるから覚悟するんだな」
進展がないからって善良な市民を脅迫するなんて言語道断。
訴えてやってもいいんだからなと心の中で毒ずく。
もちろん聞こえてないので刑事を怒らせることはない。
さあどうやって聞き出すかな。
「あのそれで…… 」
「まだ何かあるのか? さっきも言っただろ二姫はまだ見つからない。
我々も捜査に全力を挙げている。そんな簡単に見つかったら苦労はない。
素人のくせしやがって生意気な…… いや済まない。それで何か用か? 」
キレて暴れかねないゴリラのような刑事が人間の心を取り戻した。
「この手紙を見てください」
さっきルーシーにも見せた第一村人の挑戦状を渡す。
「おおこれは脅迫状か? 」
「はい刑事さんのお耳に入れておこうと思いまして」
別に依頼主がいる訳ではない。もちろん依頼料も払われていない。
意味深な脅迫状の中身を警察に見せても守秘義務違反にはならないだろう。
続く




