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 グエンくんが、聴取が終わったようで、傭兵へ頭を下げた。リーニくんが近付いていって、肩を抱く。はげましているのかなぐさめているのか、グエンくんの表情がちょっと和らいだ。リーニくんはそつがない。


 ツィークくんがもう一度テーブルを叩いた。「きいてますか?」

「はい」

「……彼らのこと」ツィークくんは顎をしゃくって、けもみみさん達を示した。「どうして知ったんです?」

「あー……簡単に云うと、四月の雨亭に雇われたから、かな」

 そもそも、セロベルさんが借金で首がまわらなくなっていたから、俺みたいな能力証もないあやしいやつを雇ってくれた訳だけど。

 ツィークくんは上体を屈める。

「耳持ちを集めてる、っていうのは、商人協会から聴いてはいました。それを、どうしてマオさんが?」

「あ、問題視されてるって本当だったんだ」

「はあ?」

「レントに連れてきてくれたひとが、云ってたんです」

「誰です」

 迷ってから、結局口に出した。「ハーバラムさんっていう、行商をしてるひとです。荒れ地近くの村の」

「荒れ地?……ああ、マオさんは荒れ地から来たんでしたっけえ」

 ツィークくんの云う「荒れ地」は、荒れ地近くの村も含めたものだろうけれど、俺は本当に荒れ地から来たのだ。なんだかそれを云われたみたいな気がして、笑ってごまかす。


「で、彼らを解放するだの、借金を棒引きにするだの、なんなんですかあなた?意味が解らないです」

「えへ。ツィークくん、喋りかたこわいよ?」

「気色悪いからやめて下さい」

「えー、一緒のお布団をかぶった仲じゃない」

 近場に居た傭兵数名がばっとこちらを振り向いた。ツィークくんが赤くなっている。「語弊のある云いかたはやめてもらえますか!」

「語弊もなにも、事実でしょう……」

「えー」リーニくんがとことこやってきて、ツィークくんの肩に手を置いた。「ツィークさんかっこいいなって思ってたんだけどな。マオがいいの?」

「お、俺は男に興味ありませんっ」

「それはほら、試してみたら案外、ってこともあるし。僕、職業が娼妓だよ。初めてにはぴったり」リーニくんはツィークくんの肩に顎をのせ、ささやく。「僕たちの話も真剣に聴いてくれたし。安くしてあげてもいいんだけどな」

「やめてくださいっ」

 ツィークくんがリーニくんの手を振り払い、後退る。「と。とにかく。またくわしく話してもらいますから」

 そう云って、けもみみさん達のほうへ逃げてしまった。はずかしかったのかな。

 リーニくんと目が合うと、いたずらっぽくウインクされた。俺が困っていたので、ツィークくんを追い払ってくれたみたいだ。リーニくんって凄く優秀。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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