表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/6795

79

 

 馬車から降りた。かたまった体を解そうと伸びをする。

 腕を降ろし、くるっと振り返って、大口を開けた。


 空はうすぐらくて、星がきらきらしている。今夜は半月だ。

 少しはなれたところにまちがある。

 高ーい石壁と、開け放たれた大きな門。それに吸いこまれてゆく行列。あと、もれてくる灯。

 夜なのに、レントは明るかった。勿論もとの世界程じゃない。でも、もとの世界の田舎より、レントのほうが明るい。あんなに明るくて、燃料は大丈夫なのかな?


 列が動く。ちょこまかと馬車へついていった。ハーバラムさんがトゥアフェーノを撫でている。

「レントは出入りに厳しくてね」

 ひょいと指差すほうを見た。門の傍に小屋があって、その前にお揃いの鎧姿のひとがたむろしている。「警邏隊が居るだろ? 門の随分手前から馬車を降りとかないと叱られるんだよ」

 警邏隊のひと達は、レントへ這入ろうとしているひと達の馬車を調べたり、なにやら質問したりしている。だが、列の進む速度は遅くはなかった。

 すぐに順番がまわってくる。警邏隊が馬車のなかをたしかめ、トゥアフェーノの様子を見る。魔につかれていないかの検査らしい。「大丈夫だ」

「馬車は問題ないな。レントへ来た目的は?」

「商売です。紙や、インクを売りに」

 商人証を見せ、ハーバラムさんが愛想よく云って、こちらを示す。「あの子は仕事さがしです。あっちの背が高いのは、見習い商人で」

「そうか。お前たち三人はこちらの護衛だな?」

 イルクさん達が姿勢を正してはいと返事した。門衛は頷き、ハーバラムさんへ商人証を返した。「遠いところをお疲れさま。あんたの商売に天の加護があるよう」

 門衛はにこっとしてそう云う。レントへはいる許可は、そうやってあっさりおりた。


「マオ、置いてくぞ」

 きょろきょろしながら歩いていると、ダストくんに叱られた。

 首をすくめ、馬車まで小走りで追いつく。「ごめん」

「めずらしいのは解るけどさ。見物は夜より昼間のがいいぜ、安全だから」

「うん。そうだね。ダストくん、レントのこと、くわしいの」

「たまに買いものなんかしてた。実技で指環やら腕環やらはすぐぶっこわれるから。上より安くていいもんも、ちゃんとさがせばあるんだ」

 成程。

 でもシアイルのやつらはお高くとまってておりねーんだとダストくんは吐き捨てた。余程シアイル出身の学生にちくちくやられたらしい。

 ハーバラムさんが馬車を停めた。「今夜はここへ泊まるよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ