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おお。
立派な宿だ。ここへ来るまでも背の高い建物が並んでいたけれど、宿もそう。……四階建てかな?
門があって、くぐると前庭。フリージアみたいなお花が咲いている。
外壁に等間隔で灯が取り付けられ、ほんわり光っていた。建材はれんがと漆喰っぽい。あと木。
黒っぽい木の、両開きの扉の奥が、フロント。お揃いの制服のお兄さん達が、荷物の有無を確認してくる。ハーバラムさんが馬車のことを伝えると、ひとりがさっと出て行った。
「うらに厩があるんだよ。世話してもらえるんだ」
「なんか……凄いですね」
今までの宿では、こんなに職員は居なかった。
フロントで宿賃を払ったら鍵をもらう。そういえば、今までの宿はかんぬきがついているだけで、外からは施錠出来なかったっけ。
食堂に案内された。テーブルとテーブルの間が広い。しかもしゃれた丸テーブルだった。天井も高いし、壁に取り付けられた灯のおかげで明るくて、雰囲気もいい。
席へ着くと、ウェイターさんが来て、注文を取った。今までは出されたものを食べていたが、この宿では食べたいものを選べる。といっても、三種類からだけど。
一番量が多いのはなにか訊ねて、それにした。ダストくんが呆れ顔をしている。だってお腹空いてるんだもの。
ご飯はまあまあの味だった。ま、そんなものだろう。食べられたし量はあったからいい。
雑穀ご飯と、野菜いため、山羊肉のステーキ、カットされたマンゴー。お酒もございますが?と云われたが呑まなかった。お酒で胃を圧迫したら食べられるものも食べられない。お酒より食事だ。
マンゴーは食べ放題なので沢山食べた。荒れ地の近くのほうがおいしかったなあ。ここのはなんだか水っぽい。
ハーバラムさんやダストくんはお酒をすすめられることもなく、傭兵三人はすすめられる前に注文した。多分、信仰の違い。とはいえお酒を呑んだからと云ってハーバラムさんもダストくんもなにも云わない。
お酒がはいったせいか、護衛仕事に一段落ついたからか、傭兵三人の口は滑らかだった。
マンゴーをぱくぱく食べていると、ききずてならないことをイルクさんが云う。
「荒れ地の近くでは、魔物に備えて傭兵を雇っているんでしょう?僕らも候補にいれておいてもらえませんか」
「わたしは長老じゃないからねえ」
「では、長老がたへお伝えください」
「ね、あなたの村、傭兵が頼りないってきいたわよ。お菓子くれたおばさんが云ってたわ。あたしたちを推しといてよ」




