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試験さえ終わればあとは自由みたいで、試験が終わったからとっとと出ていくっていうヴァルグイス嬢達のようなかたもいらっしゃれば、最後の最後まで御山の資料をつかって研究をすすめたいかたも居る。教員になりたいとかじゃなくて、とにかく資料が豊富な御山に居る間に利用しておきたいって意味で。
卒業式は、あれなのかなあ、宗教的な問題で一緒くたにはできないのかも。寮では、見送り式くらいやるみたいだし。ご飯の用意、依頼されたから、知ってる。でもあれも、下山していく全員に対してするものじゃなく、親しい先輩を個人的に見送るみたいなやつだった。
あ、そっか。普通に、下山できるのならすぐにしてしまって、お仕事さがしたほうがいいのだ。貴族のかたならともかく、一般家庭出身のかたは、入山経験者という「箔」でいいお仕事をさがし、とっとと就職してしまいたいだろう。だから、下山でも下山相当ではなくても、すぐに出ていったほうがいい。皆が皆、研究者になりたい訳でもない。
一昨日、ランスさんがサフェくんを背負って何往復もしていたのを見た。一の門方面から、寮舎の前辺りまで、何度も。俺の居た位置からは見えていないけれど、山道も行き来していただろう。
試験がほぼ終わったから、もうお勉強も鍛錬も、追い込むようにする必要はない。追試があるかた、教員になる為に論文を仕上げようとはりきっているかたは、別だけれどね。
沢山の本が詰まった箱や、大量の武器(シアイル寮だけじゃなく、どこの寮にだって学生さんの武器は沢山あったのだ)、春ものの衣裳、などなどが運び出されていた。それらは箱詰めにされり風呂敷に包まれた状態で運ばれてきて、幾つかの運送業者にひきわたされていた。本国へ送るかた、これから住む予定のまちにかりたお家へ送るかた、これから一緒に暮らす親戚や結婚相手の家へ送るかた、様々で、絶対に間違わないようにと、その係にされたユームさん、一緒に作業していたレーイチくんとシエラくんは、目を血走らせていた。
サフェくんとトロームさん、だったっけ、たしか。そのふたりで、荷物を運んでいた。背負っていたのは、サフェくんはランスさん、トロームさんは、途中までルーレウさんで、そのあとは警護班の若い男の子? いやあの時は、もうトロームさんじゃなく、後輩の奉公人にかわっていたのだっけ。とにかく一昨日、最初から最後まで荷運びをしていたのは、サフェくんだ。




