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事件の直後の三日間くらいは、警邏隊でも幹部クラスのひと達が頻繁に出入りしていたが、今ではもうそれもない。捜査が行き詰まっていて、あぐねているのだろう。どこを調べるか、手をつかねているというか。
プロルの件についても、結局なんなのか、正確にはわからないが、ワウラさんは「危ないと思ったんでしょ」とあっさり云っていた。
そのプロルが襲撃に関わった魔物のうちの一体と思しくて、警邏隊がそれをそのまま捕まえておくのは危ない、ってこと。遠隔で操られている可能性もあるから、いきなり暴れたりしないように駆使魔法を上書きした。檻にいれておけばいいのに駆使魔法をかけなおしたんなら、体になにか証拠でもあったのかもしれない、とも云っていた。
例えば装飾品をつけていて、それから辿れると思ったのかも。特徴的な柄や、かわった色の毛並みをしているとかで、それを手がかりに調べることができると思ったのかも。それらを確認する為に、近付く必要があって、駆使魔法を上書きせざるを得なかったのでは。
俺は納得したし、サフェくんもまあまあ納得したようだったので、そうなんじゃないかな。たしかにそれなら、警邏隊のやりようにも説明はつく。捜査の為にという理由でも、駆使魔法の上書きは簡単にはお咎めなしにはならないらしいのだが(サフェくん情報)、場合によってはゆるされる。
今回も、本当に犯人達の操っていた魔物ならば、理由があっての上書きならゆるされるだろうとのこと。ある意味見立てが間違っていなかった訳だし、それきっかけで犯人を割り出せるのならば、きちんとした「証拠」になる。証拠であれば、決まりは警邏隊の有利に働く。考えればそうだが、例えば凶器などの証拠だって、別に警邏隊の持ちものではない。でも、場合によっては押収する。それとおんなじような扱いになる、ということ。ジャーラムくんもそんなようなことを云っていた。騎馬武者で、騎乗できる魔物にくわしいランスさんにも、訊きたかったんだけど……。
とにかく、そういう証拠を手にいれようとしていたのに、進展がないからか、このところ空き間で見かける警邏隊には、凄くぴりついているひとも居る。そりゃ、大事な下山試験が邪魔されたのだ。先生達だって、事件前よりも緊張感がある。警邏隊がぴりつくのは仕方ない。
学生さんの間では、トゥラ嬢の悲運にまきこまれたのでは、なんてとんでも説が出ているらしい。トゥラ嬢の為にもはやく解決してほしいものだが、時間がかかりそうだった。動機が謎だし、目的も謎だからな。




