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駆使魔法が使役くらい強いものなら、まちに這入る時にあんなに厳重に注意されることはない。だって、心配がないから。
注意するとしても、駆使魔法が解けないようにしてください、だろ。或いは、死なないように気を付けてください、とかさ。あれって、死んじゃったら解けると思うから。いや違うのかな。わからんが、持ち主が死んでいるのに駆使魔法が続くことはないのでは。ああそもそも、まちなかで暴れさせないでくださいね、か、最初は。
この子達が暴れたらあなたが責任とることになるんですよ、というのは、駆使魔法をかけていてもそれに逆らう、もしくは不意に解けることがあるってことだ。そうじゃなきゃしない注意喚起である。勝手に解けない・完全な制御下におけるものなら、必要ないじゃないか。
そしておそらく、俺が思っているよりも、「駆使魔法は解けていないけれど持ち主からはなれることはできる」状態は、多いのではないか。
じゃなきゃ、駆使魔法をかけられている魔物を警邏隊が保護する、というのが、持ち主が身動きとれず助けを呼びたいなどで魔物に命じてまちへ向かわせた、って情況しかありえない。でもサフェくんの口振りだと、それ以外の可能性もある。だって、こういうことかも、ああいうことかも、って考える必要、ないじゃん。駆使されてる魔物がふらふら歩いてるってことは持ち主が身動きとれないんだ、さがせ、で終わりでしょ。
駆使魔法は絶対じゃない。俺が思うよりももっとずっと、効力が弱い。
なら、駆使されている魔物がひとりきりでうろついているというのは、遺棄じゃなく、遺失の可能性が高い。捨てたんじゃなく、失くした。逃がしたんじゃなく逃げてしまった、というべきか。
ってことは、拾った人間も届けてもらった警邏隊も、持ち主が誰かわかるようにしておくべきだ。駆使魔法を上書きするのは、拾ったものに書いてあった持ち主の名前を、消してしまうようなものってことか。勝手に自分の支配下に置く訳だから。
わかった。それは、駄目だわ。横領になる。その子が捨てられたのか、或いは逃げただけなのか、判断つかないなら、駆使魔法かけなおそうとはしない。リスク高いだろう。逃がしちゃった側にも問題はあるが、それを勝手にとっていいことにはならない。だから、サフェくんはさっき、あんなに驚いたんだ。で、俺に、例外になる荒れ地での話を教えてくれて、反対にそれ以外では普通、かけなおさないよって教えてくれた。




