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駆使魔法が使役に似通ったものなら、そういう運用をするひとが出てきそうなものじゃないか。それを狙ってやるのはこっちでも倫理的に問題があるとされているのだとしても、なんらかの逸話は残ると思う。できるんだから、誰もしないとは思えない。今はそこそこ平和な世のなかだが、昔は戦争をやっていたんだし、今だって魔物に襲われることが日常的にある。
駆使魔法をつかえるひとが、駆使している魔物から体力や魔力をもらって助かった、って話が、ひとつくらいはないとおかしい。それで難を逃れました的な、昔話。伝説的な護衛士のお話が残っていたりするのだから、あるでしょ。遭難して、魔物に命を救われました、みたいなの。わかりにくい表現だとしても、ああ多分奪って生き延びたんだなってなるやつ。
で、それを理由に駆使魔法をきらうひとも居る筈。魔物からなんかもらうなんて、って。魔物をつかって戦っているって理由で駆使魔法をきらうひとは居るが、それは魔物それ自体をいやがっているのだ。それから体力や魔力をもらえたら、もっと拒否感をあらわす。魔からさえ距離をとるのに、魔物から実際になにかをもらうなんて、いやだろう(それにしちゃあ魔物からできてるお薬もあるのだが、魔物ぎらいのひと達はそういうのは都合よく見ない。或いは、しっかり認識していて、全部避けて通る)。
でもそんな話は誰からも聴かないし、駆使魔法を得意としている先生や、学生さんも、そんな話はしない。いや教えるでしょ。いざとなればこういうこともできるから覚えておけ、って。それをやるかどうかはともかく、まちのなかに居たって命の危険が能動的にやってくるのだから、教えておくのが普通だ。知識のあるなしは安全を保てるかどうかに直結する。
もっというと、それで魔物を倒すっていう運用もできる。使役ではできる。やったことはないけれど、できるのは確実。
だが、駆使魔法でそれをしたって話を聴かない。面倒だからとか、折角駆使したから勿体ないってことかもしれないが、還元過多による襲撃の時って信じられないくらい大量の魔物が来るからな。同士討ちも、どれだけさせられるか、わからないし。
いやがることはさせられない。それを聴いたことがあるのだ。魔物にその魔物の子どもを殺させようとしてもいやがるとか、そういう話。抵抗する、みたいないいまわしだったっけ。座り込んで動かなくなるとか。




