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深呼吸した。
「じゃあ。ユラちゃんとリッターくんは、もう知ってることだけど、しばらく聴いててね」
前置きする。ユラちゃんは大きく頷き、リッターくんはかすかに頷く。
俺はミューくんとサキくんへ顔を向けた。「俺とほーじくんが荒れ地で出会ったことは知ってる? その少し前に、俺がダストくん達に助けられたことは」
「ええと」
ミューくんがサキくんを肩越しに見た。サキくんがやわらかい調子で云う。
「おおまかにですけれど、僕はセロベルさんに訊いて、知っています。その話は、ミューにもしました」
「マオさんが、ダストさんが怪我してるのを助けて」
ミューくんは俺へと目を戻し、サキくんがミューくんの体に両腕をまわす。なにかしら、重大な話があると察したみたいで、サキくんは緊張した面持ちだ。
「ダストさんが、お礼にって、村まで案内することになったんですよね。マオさん、荒れ地で迷ってたから」
「でも、マオさんは罪人って訳じゃなかったとも聴いてます。その直後に、魔物に襲われて、ほーじやサーダ卿がそれを救ったと」
サキくんは、それなりにくわしいことをセロベルさんから聴いたみたいだ。
俺は頷いて、左掌をふたりに見せた。「これから話すのは断じて嘘じゃないし、悪ふざけでもない。納得できないことがあっても、とりあえず最後まで話をきいてほしい」
ふたりとも面喰らったらしいが、頷いてくれた。
左手をおろす。
「俺、よそから来たんだ」
ミューくんはのけぞったし、サキくんは前のめりになった。サキくんがじりじりっと移動する。
「どういうことですか」
「そのままよ」
ユラちゃんが云って、じゅうたんの上を移動する。リッターくんもだ。
最終的に、車座になった。リッターくんとサキくんが隣り合っている。あぐらをかいたユラちゃんがサキくんを見、それから俺を見る。
「このほうが聴きやすいわ。マオ、わたし達も成る丈遮らないつもりだけど、気になったことがあったら口をはさんでしまうと思う。いいかしら」
「うん」
「マオさん」サキくんはじれったそうだ。「さっきの言葉の意味は? もしかして、荒れ地の向こうから来たんですか。荒れ地の向こうにある、不思議な国から」
表情が強くあらわれているサキくんと比べ、その腕のなかのミューくんは、かすかな驚きと嫌悪らしいものをうかべているが、瞬き以外は動きがない。それくらい衝撃的な言葉だったのだと思う。
ほーじくんが、サキくんとミューくんの腕を撫でた。「マオはほんとに、よそから来たんだよ」




