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 お祈りの鐘が聴こえてくる。久々に聴いた。昨夜、鳴っていたっけ? 昨夜は音がしなかった気がする。もしかしたら、日中しか鳴らさないのかも。騒音云々ではなく、単純に、鐘を鳴らす手が足りないということはありうる。

 多分、この時間が近いから、みんな屋内にひっこんだんだ。外でお祈りしているひとは、裾野系くらいで、ディファーズ系は人目につくところでお祈りはしないことが多い。

 他地域のひと達に難癖をつけられて、もめごとが起こる原因になることがあるからな。


 ディファーズのひとがみんなそうだってことじゃないけど、なかには、ディファーズ以外の地域の人間は(しゅ)にきちんと敬意を払っていない、お祈りもちゃんとやってない、と思っていて、その上それを態度に出すひとは居る。自分達ディファーズの臣民だけが、(しゅ)に敬意を払い、(しゅ)に愛されている、と、本気で思っているひとは、結構居るのだ。

 そういうひと達がきちんとお祈りをしろと、ディファーズ国外で、しかも他地域のひと達にまで圧力をかけたり、強要しようとして、問題になることがある。当人達はお祈りをきちんとやらない=(しゅ)にきらわれる=お祈りしないひとが可哀相! という考えでやっているので、余計に性質(たち)が悪い。

 で、ディファーズ系だからという理由で、そういうひと達の同類と勘違いされ、お祈りをはじめたら突然襲われる……なんて事件が、リアルに起こるのだ。

 ディファーズ以外のひとからしたら、お祈りの様式が同じなので同類と判断する訳だ。

 だからか、人目につくところでお祈りするひとは少ない。裾野式のお祈りならともかく、ディファーズ式の時間がかかるお祈りは、どうも他地域のひと達に無駄にプレッシャをかけているらしく、お祈りをするように云われたとか強要されたとかの経験がないひとでもいやがる場合がある。異質なものに対する嫌悪感は、どこの世界の人間も持っているらしいな。

 よなかのお祈りを庭でしている、ミューくんとジーナちゃんを目撃したことはあったが、あれは例外だ。ふたりが男女だから、よなかに同じお部屋に居ることができないんだと思う。ディファーズはそういうことに煩い。不要なくらい。


 しかし、鐘が鳴っているというのに、ほーじくんもミューくんもお祈りをはじめなかった。すぐに鐘がやみ、やっぱり人手が足りなくて長時間鳴らせないんだろうなと俺は思う。ひとりで鐘楼を管理していたら、日中だけ鐘を鳴らして夜はお休み、というのは、不自然ではない。


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