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サーダくんとほーじくんが云い争っている様子なのを、近くで見ていたくなかった。それだけだ。
また、変な不安や疑念が出てくると思う。そんなの、よくない。
まわりにも俺の不安は波及するだろうし、なによりも俺が保たない。気持ちが、おかしなことになる。
ユラちゃんは、魔法の練習をしているみたいだ。両手で慎重に火を操り、空中にアーチみたいなものをつくっている。こんなの、もとの世界だったらもの凄いイリュージョンである。
俺はユラちゃんの視野にはいり、サンドウィッチを持った手を軽く振った。ユラちゃんはそれを見て、ぱぱっと火を消し、こちらへ片手をさしだす。小さな手にサンドウィッチはひとつしかのらないし、ユラちゃんは結局、両手でサンドウィッチを掴んで、包みを開く。
俺は道端まで行って、地面からつきだした岩に軽く腰掛けた。ユラちゃんもやってきて、似たように、岩に体重をかける。別に、馬車内で食事してもいいのだけれど、ずっと馬車のなかに居るのは気詰まりだ。だからなんとなく、座れるところをさがしている。
カルナさんとミエラさんが、どこからか歩いて戻ってきた。馬車にずっと揺られていたから、歩いて体を解したんだろう。サーダくんとほーじくんもそうだったんだと思う。
サーダくんとほーじくんはまだ、テーブルの近くでもめているらしかった。俺はそれを見たくない。俺が原因でもめていると思うから、罪悪感にちくちくと刺されるのがいやなのだ。逃げている。それだけである。
カルナさんとミエラさんを、リッターくんが手招く。ふたりはおずおずとテーブルへ近寄っていった。リッターくんは、左手をヨヨにひっぱられ、体が傾いている。
サーダくんとほーじくんにも、リッターくんはなにか働きかけた。ほーじくんがぱっとリッターくんを見る。その間に、カルナさん達はサンドウィッチを幾つかとって、後退った。リッターくんにお辞儀して、来た道を戻っていく。
こんな時に、喋れたら、随分気が楽なのにな。
ほーじくんはリッターくんと、サーダくんはダストくんと喋っている。ほーじくんとリッターくんはお互い、かすかに笑っているし、サーダくんとダストくんは楽しそうに笑い声をたてていた。
俺はなんにもできずにサンドウィッチを食べているだけだ。サーダくんがダストくんにサンドウィッチを食べさせているのを、ぼーっと見ている。ヨヨはリッターくんとほーじくんのまわりをとびまわって、楽しそうだ。ニーバグは人間が好き、というのは、本当らしい。
ニニくんとネクゼタリーさんはどこに居るんだろう。




