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 槍を持つ手がゆるんだ。凄え爪してる。形状もだけど、何色だあれ?

 血でかすんでてよくわからない。

 俺は右腕をぶんまわし、レットゥーフェルを弾き飛ばした。魔王のスキル、舐めんなよ。魔物に対してはダメージが莫大になるのだ。

 槍が重たい音をさせて床へ落ちた。俺はそれを踏む。「崩潰」

 槍はあっという間に、砂みたいになる。床まで崩潰の効果が及ばないように気を遣う。

 槍を持っていたレットゥーフェルは、床に倒れて動かない。その傍に別のレットゥーフェルが降り立ち、倒れた仲間に手をかざす。まさか恢復(かいふく)か、と身構えたが、倒れたレットゥーフェルは次の瞬間、装備品とともにきらきらと光る粒になって空中に飛散した。

 還元されたのだ。

 ぞわっとして、俺は二歩さがる。使役している三頭から状態異常を奪い、魔力を与えた。妹は無事だろうか。こいつら。


「魔王か」


 呻くような声がした。誰が喋ったのかわからなかったが、仲間を還元したレットゥーフェルのようだ。多分な。口をあまり動かさないから、わからない。

 俺はそいつを見ている。偸利で腕の傷も、目の傷も治った。流れた血は戻らないが、普通の恢復(かいふく)魔法と違い、偸利は生命力そのものを奪うのだ。貧血のような症状は出ていない。その点、恢復(かいふく)魔法よりも優秀だ。

 血で汚れていない左手で、顔を拭った。口にはいった血をぺっと吐き出す。あとでお掃除するから、おじさんには勘弁してもらおう。

「だったらなに?」

 会話が成り立つかどうか謎だけど、そう返した。俺はまた、レットゥーフェルを睨む。

 レットゥーフェルは槍を両手でかまえ、きっさきを俺に向けた状態でゆらゆらしていた。その背後に、別のレットゥーフェル達が滞空していた。

 ほんのちょっとのにらみ合いのあと、俺は奥の一頭に狙いを定めた。「四散」

 そのレットゥーフェルの上半身がはじけ飛んだ。そいつはそのまま墜落する。仲間は動揺を見せない。

 魔王か、と尋ねてきたレットゥーフェルが、槍をかまえたまま突進してきた。腹のたつことに床から足がういている。浮遊って、あるんだってな、特殊能力。

 避けたら後ろに居るひと達が傷付く。

 内臓をやられたら俺が死ぬ。

 そのふたつがぱっと頭にひらめいて、俺はほんの半歩くらい、左に避けた。レットゥーフェルの持っている槍をしっかり目にいれる。四散と云う。

 レットゥーフェルは俺の魔法を避けるという判断をした。とび退る。槍は無事で、かわりにその延長線上にあった床がばんとはじける。おじさんまじでごめん。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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[良い点] しゃべったー!!!
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