表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3385/6880

3251


 あ、と、メイリィさんが耳に手をあてた。小さく頷いている。

 と、頭に声が響いた。

〈マオ、ごめん!〉

 タイティーダさんだ。伝糸で連絡してきたのである。〈メイリィには戻ってもらう。ちょっと、新人達が()()しちゃって、洗濯場が色々大変なの。だからメイリィに助っ人してもらうから。まったくもう、いやんなる。ああ、誰かがそっち行くって。だからそれまでリッターさま達から離れないようにって、エイジャが喚いてる。いい? 伝えたからね!〉

 俺には伝糸がないので、返事はしようがない。だが、低声(こごえ)ではいと答えた。

 メイリィさんがとことこやってくる。「マオ、聴いた?」

「うん。タイティーダさんが、洗濯場が大変って」

「カラが、洗濯場中泡だらけで、洗いものがむちゃくちゃで……もとの通りに、仕分けてるって」

 それは酷そうだ。

 エイジャさんが喚いているというのは、智慧者のエイジャさんが、しっちゃかめっちゃかになった洗濯もの達を仕分けしていて、タイティーダさんの傍に居るってことかもしれないな。かごがごちゃごちゃになったりしたら、智慧者に手をかりなければやってられない。

 ちまきをもぐもぐしていたミューくんが、俺とメイリィさんを見る。

「なにかあったんですか?」

 ミューくんを見て、俺はぎこちなく微笑む。学生さん達をまきこむことではないが、メイリィさんが居なくなったらまきこんだのと同じな訳で。

「ええっと、ちょっと。メイリィさん、寮へ戻らないといけなくなっちゃった」

「ああ、大丈夫よ」

 ユラちゃんがビスケットをかじりながら云う。「メイリィ、心配要らないわ。マオならちゃんと、わたし達でまもるから。安心なさい」

 メイリィさんは小さくお辞儀して、俺の手を軽く握った。

「マオ、ひとりにならないで」

「わかってる。心配してくれてありがとう、メイリィさん」

 メイリィさんは頷いて、俺の手をはなし、学生さん達にお辞儀してから走っていった。髪飾りをひとつもつけていない灰色の髪が、うなじの辺りでふわふわしているのが、見えた。


「四月の雨亭に行ったら、なにをしたい?」

 サキくんが云って、みんなが考えている。ジーナちゃんはだいぶ落ち着いたみたいで、ミューくんの手をはなさないが、もう目が潤んではいなかった。〈マオ、本っ当にごめん〉再び、タイティーダさんの声がする。〈今日に限って誰も手があいてないんだと! 冗談じゃない。でもごめんね、しばらく誰もそっちへ行けそうにないって。畜生!〉


感想ありがとうございます。はげみになります。

誤字報告ありがとうございます。助かります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ