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それから数日、俺達は奉公人として、研修に励んだ。
朝、ご飯を食べて身支度を調えると、仕事先へ向かう。
先輩達の指示に従って、お掃除や片付け、草むしりをこなし、お昼にはご飯を食べに寮へ戻る。
お昼ご飯を食べ、服をきがえたり、ざっとお湯を浴びたりしてさっぱりしたら、仕事先へ急ぐ。
先輩達の指示で、調理の下拵え、お洗濯、お風呂掃除などをこなす。お茶の時間くらいに寮へ戻って、なにか食べ、鍛錬でくたくたの私兵達を迎えてお世話する。
晩ご飯の下拵えを手伝って、晩ご飯を食べ、お風呂にはいって、なにか指示があれば仕事先に出向いて大急ぎで片付け、寮へ戻り、眠る。
やっぱりなにかあって起こされたら急いで赴き、仕事を片付け、戻って眠る。
その繰り返し。話には聴いていたけれど、やっぱり忙しい。
洗濯ものを外に干す習慣がないからか、お洗濯は雨だろうとくもりだろうとするし、実技を終えて戻る学生を想定しているのか、午后にするほうが多い。あと、真夜中。朝ご飯に着ていくつもりだったドレスが汚れてるから洗って! と、令嬢達に泣きつかれるのである。朝ご飯ったって、許嫁とともに優雅な朝食、なのだ。要するにデートだし、しかも政治的な思惑も絡んでいるので、よなかにSOS出してもしょうがない。
同じ理由で、よなかに繕い仕事を請け負うことも多々あった。俺、そこまで上手じゃないんだよな。でも、アロさんやファラワさんに訊いて、やりかたとかこつを教えてもらったので、結構上達したと思う。奉公人同士の助け合いって、なんかいい。
そういえば、アロさんやファラワさんみたいな、新入りの指導をしているひと達は、奉公人歴が長いそう。アロさんなんて、五年も奉公しているそうだ。
で、アロさん、ファラワさん、エイジャさんは、それぞれ私兵以外の全部の部署に配属されたことがあって、今は新入りの指導担当か、遊撃隊をやっているんだって。手が足りないところに行って助ける、オールマイティーに家事をこなせるひと達、ってこと。
お掃除は毎日ある。俺達が毎日行っていたってことじゃなくて、俺達も含め奉公人がいれかわりたちかわり、毎日派遣される。なのに、一体なにをやったらそんなに汚くなるのか、と本気で疑問に思うくらい、学生達の寮はいつ行っても汚れていた。ましなのは一般寮かな。人数が少ないし、家政三職、って、家政取締役、清掃人、執事のことなんだけど、一般寮には必ずひとりは居るらしい。
その子が自分の修行として、ある程度の家事を担ってくれているので、奉公人にとっては仕事が楽な寮なのである。




