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「ぜったい、ぜったいにぜったい、云わないでよ」

「解ってる」

 サイレくんはくわしい話はしなかったけれど、俺の言葉を否定しなかった。そして、こうやって必死にくちどめしてきてる。だから、マイファレット嬢が好き、なのだろう。

 そうかあ、ぽかんとしてたのは、あれ、恋に落ちた瞬間だったのだな。わー、青春。甘酸っぱい。可愛い。応援したい。

 マイファレット嬢は、恋愛云々には縁がないみたいだけれど、どうなるか解らない。マイファレット嬢とサイレくんなら、相性も悪くない気がする。マイファレット嬢、ダストくんとよくお喋りしてたから、荒れ地近くのひとに対しての偏見もないみたいだし。

 俺は屈み込んだままのサイレくんの、肩口をぺたぺたした。

「いいねえ。若いねえ」

「ま、マオだって若いだろ。俺とそんなにかわんないじゃん」

 いやいやかわる。下手したら十歳くらい差があるって。サイレくん幾歳だったっけ?


 そんなことはどうでもいい。それよりも、サイレくんの恋だ。でも、よかったんだよなきっと。マイファレット嬢は一般寮生だから、サイレくんは来年には同じ寮にはいることになる。きっと仲好くなれる。

 サイレくんの、ドライフルーツ作戦に、俺も手をかすことにした。マイファレット嬢がサイレくんを恋愛対象にするかはともかく、サイレくんは役に立つ特殊能力、天意落掌の持ち主だ。で、来年には傭兵になって、入山前に依頼をこなす予定である。傭兵同士、仲好くなって困ることはないだろう。サイレくんと仲好くしてたら天気が解るしね。

 俺はにこにこする。

「サイレくん、一緒に来なよ」

「エッ」

 サイレくんが顔を上げた。混乱したみたいな表情だ。

「薬材採集じゃなくて、レントの外で気晴らしのお散歩するだけだし、そんなにこわくないからさ」

「こ、こ、こ、こわいとかじゃなくて、だって俺、ま、マオの友達ってだけだし邪魔したら悪いよ」

 あ、友達だと思ってくれてるんだ。嬉しい。

 俺はにまにまがとめられない。「だから大袈裟なものじゃないんだって。魔物が居たら戦うかもだけど、みんな強いし、それに昼間なら結構安全なんだって」

「そりゃ、夜よか安全だろうけどさ」

「じゃ、決定ね。サイレくん、準備してきて」

 サイレくんは口をぱくぱくさせる。と、ドアが開いて、マイファレット嬢が這入ってきた。

「お待たせいたしました、マオさん」

 どうやら、テーブルに隠れてサイレくんが見えなかったらしい。にこやかに云いながらこちらへやってきて、屈み込んでいるサイレくんに気付くと、マイファレット嬢はきょとんとした。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
[良い点] スキルと居住だけ見ると恐ろしく噛み合うなw サイレくんがんばえー
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