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ソウナンデスカスゴイデスネと云いつつ冷や汗がとまらない。フォージくんがわざわざ近寄ってきてなにやら確認していたのは、「悪しき魂」に反応してだったのか。
ナジさん曰く。
祇畏士は、魔を「感知」できる職業。基本的に「善なる魂」を持っていないと成れない。「善なる魂」がないと「恩寵魔法」をつかえないからだ。
祇畏士は、たまに荒れ地やその近くに来て、湧き出してくる魔を「滅却」する。
羽持ちの子=フォージくんは、みならいだろうとのこと。
「みならいでも、魔を感知できるんですか?」
「さあ、どうだろう。善なる魂を持っていたらなんとなく判るのじゃないかな?」
こわい。滅却って、倒すってことだよな?
しかしどうやらニュアンスが違うらしい。
魔物をなるたけ弱らせると、黒紫のもやが出てくる。それが「魔」なのだそう。祇畏士は魔を滅却しているのであって、魔物を殺している訳ではない。と云っても、殺すくらい弱らせないと魔が出てこないことも多い。だからまあ滅却するために殺すみたいな感じ。でも、死ななかった元・魔物はわざわざ殺さない。
ついでに、悪しき魂も弱らせないと滅却不可。で、滅却=消失。つまり自分の場合死ぬ。/(^o^)\
今の情況やばくないか? 滅却されない?
顔に出ていたようだ。ナジさんが心配してくれた。
「大丈夫かい? 馬車酔いか?」
「ちょっと、……だいじょうぶです」
「無理をしなくていいよ。横になりなさい」
横になっても心配の種は消えないが、断るのも変なのでそうした。ごくんと唾を嚥む。
「……ナジさん……」
「なんだい?」
「あ、悪しき魂って、滅却しないとだめなんですか? し、しんじゃうんですよね? もっとこう、へいわてきなかいけつは、でででできないものですか」
「んん、それはなあ……「封印」という手もあるが……」
ナジさんは顎を撫で、にこっとした。なんか方法ありますよね! ね!
「ずっと昔に魔王というこわい職業の者がいてね。そいつは悪しき魂の持ち主だったそうだ。悪しき魂の持ち主は人心を惑わし、人々に道を誤らせる。殺してしまっても仕方ないのじゃないかな? それに、当人に分別があれば、滅却してもらいたがるだろうね」
ナジさんは、マオも悪しき魂の持ち主に魅入られないようにな、と括る。こ、ここはやばい! 逃げなきゃ!
しかし、地理も解らん常識もない異世界人である。逃げると云ったってどこへ行くのが安全かも解らん。詰んでますね。
いつ馬車の戸が開いて悪しき魂の持ち主が居るぞ!と白ローブのふたりが乗り込んでくるかと怯えていた。が、ぼんやりは異世界に来たくらいでは治るものではないらしく、馬車の単調な揺れも手伝って……眠く……。
主人公は基本的に図太いです。




