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考えるだけでも、と云って、帰った。サッディレくんは子ども達の人気者になってしまっていて、引き離すのに苦労した。
そういや、傭兵を雇うのって、ひとに代行してもらってばかりだった。やりかたがよく解らんが、セロベルさんに訊けばなんとかなるか。
お昼に、ライティエさんメイラさんマルロさんが戻ってきて、ご飯を沢山食べた。一番忙しい時間は過ぎていたので、お食事中の三人のテーブルへ行って、傭兵の雇いかたについて訊いてみる。
「マオくん、傭兵雇うの-?」
「また薬材採集?」
「はい。セロベルさんにさがしてもらったり、マルロさん達に直に頼んだりだったので、雇いかたが解らなくて」
「どういうやつが必要なの」
マイファレット嬢は、物理も魔法もいけるっぽいし、必要なのは癒し手と盾役かな。
そう伝えると、三人はにんまりする。「わたし達、最近机に縛り付けられてて、体が鈍っちゃってるんだよねえ」
「三人とも、恢復魔法、少しだけどつかえるです」
「ま、わたし達なら、そう云うのが必要な怪我なんてめったにしないけどねえ?」
「えーと」苦笑いしてしまった。「たいした代金は払えませんよ。目覚めの滝の近くまで行って帰って、銀貨40枚づつ、薬材からの配分はなし」
「それならじゅーぶん。いつ出るの?」
三人は駈けずりまわる気まんまんらしい。俺は頭を掻いた。
支度が整えば二・三日中に、と云うと、三人は張り切った。それまでに、上から文句をつけられないくらい仕事をこなしておく、とのこと。
セロベルさんに許可をとらなくてはいけないので、マイファレット兄妹のこと含め、それなりに詳しく話した。あのマイファレット家の人間が幼稚園をやっているのに、セロベルさんは吃驚していた。ただ、害のあることでもないし、寄付では納得しないだろうから、という俺の考えにも同意してくれた。
「あ、それで、気になってたんですけど、こういう場合マイファレット嬢に護衛費を払うのって、だめなんですかね」
「傭兵協会への依頼主を、お前とそのお嬢ちゃんの連名にしとけ。別にお前の名前でも大丈夫だろうが、念の為にな。連名にしておけば、薬材の代金を山分けしたとみなされて、確実に問題ない。時間停滞の収納空間で薬材を運んだお前のほうが、少々多くもらってもおかしくないしな」
成程々々。連名ね。ちゃんとしなきゃ。
傭兵許可証って云うくらいだし、傭兵のような活動をするのには許可が必要ということだろう。探偵許可証的な。
「ああ、朝飯つくるのに響くような無茶はするなよ」
「大丈夫ですよ。らいていえさんと、メイラさんと、マルロさんで護衛してくれますもん」
「それは別の意味で心配」
セロベルさんはぶるっと震えてそう云った。




