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Day3-1♦公衆トイレ

 朝になった。

 ふと、時計を見る。8時ぐらい。

 懸賞金…201万6千円。

 俺とこの子のだ…。


 朝飯を食べようとベットに立ったが、あいつがいなかった。

 なぜだろう?

 ここの近くのトイレに行ったのか?

 あの子はまだ寝ていた。泣きつかれたのだろう。


 トイレに着いた。

 男子トイレの戸を開けると…俺は後ずさった。

 なんとそこには…血まみれの男がいた。


 「だいじょうぶですか!?」


 俺は駈け寄るとハッとした。

 あいつだった。間違いなく。

 俺は声をかけながら、そいつの体をゆすった。

 すると、かすかだが声が聞こえてきた。

 

 「あ……あぁ……おまえか………。」

 

 苦しそうだ。俺は「何があった!」と叫んだ。

 すると、そいつは言った。


 「スリだ……スリにやられた……小便し終わって……振り向いたらナイフで……刺された……。」


 確かによく見ると腹にいくつか刺された跡があった。

 

 「刺した奴の顔は見たのか?」


 俺は聞いた。


 「いや……サングラスにマスクをしてたから……分からなかった……だが……髭が生えてから……男だと思う……」


 やはりそうだったか。女ならこんなに深くさせるはずがない。


 「おれはもうダメだ……お前……お前があの子を……守ってやれよ……。」


 「は?何言ってんだ?やだよ!おれはなぁ、あんたに会ったから昨日の夜よく眠れた!あんたがいなかったらきっと歩くことだってできなかったんだよ!」


 そう叫んだ瞬間、俺の目から涙がこぼれた。


 「そう……か……。俺もな……一人だと心細かった……でもお前が……ここに来てくれたおかげで……とても安心した……ありがとう……な………………………………。」


 そいつは、だんだん呼吸が小さくなって、止まった。


 「ウソだろ…?おい!起きろよ!おい!」


 大きくゆすってもそいつは目をつぶったままだった。

 俺は泣きじゃくった。子供みたいに。


 俺は親友を失い、そして仲間も失った。

 

 8時30分。

 田折 源次郎を殺したスリ男は、406万8千円を獲得した。

 


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