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大家族体験承ります!  作者: 茅野ちよ
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8/8

大家族と男の子 ⑦

「すごいですね……」

「別にそんなことないよ。自分が好きなことをしてるだけだし。まあ、父さんの言うことも一理あるんだけど。俺は早めに決めておきたいんだ」


 陸斗さんが悠人の目を見て困ったように笑う。


「陸斗兄(りくとにい)は衣織姉(いおりねえ)とおんなじ部類だよな! 喧嘩とか言い合い始まったらいつのまにかどこかに行ってるし」

「ん〜? それはお前達がうるさいからだぞ」

「だ〜か〜ら〜! なんで衣織や陸斗の呼び方だけ! あたしは!?」


 碧太くんが「お前にその価値はない。光莉もだけど」と言って琴さんをさらに怒らせる。火に油すぎて、悠人はこっそり笑った。もしも悠人が大家族ならば、こんな生活なのだろうかと思ったのだ。



 夜の九時、悠人と碧太は客間でヒソヒソと話していた。きっとお母さん(ゆきこさん)がみれば早く寝ろと言われるだろう。


「ねえ、碧太くんはお母さんとお父さんのこと、好き?」

「……母さんはうるさいし、父さんは休日もいないことが多いけど、好きだよ。本人たちには絶対言わないけど」


 悠人がどうして言わないのか聞くと、碧太くんは「面倒そうだから、色々と」と言った。


「めんどくさい?」

「そー。親バカ? って言うの?」


 碧太くんはそう言うと、ニヒッと笑った。悠人は素直にいいな、と思った。

 授業参観、運動会……。子供が褒められるためにあるような行事に、離婚をした後の母は見に来てくれることはなくなった。「親バカ」とは程遠い。


 ……羨ましい。なんて、欲張り? 我儘? そんなこと、ないよね。


「ごめんね。本当に行きたかったんだけど、仕事が忙しくて」


 これはこの間の運動会の時。


「おはよう悠人、ご飯作ったから食べといて。お皿は流しに入れといて」


 これは一昨日。


「あっち行って! 大体誰のせいでわたしがこんな……! アンタのせいでバレたんだから!」


 ……これは、夜中に目が覚めて机に突っ伏した状態で寝ていた母を起こした時。

 よく見れば、周りにお酒の缶がたくさん転がっていた。こういう時は大抵いつも手をあげられる。でも、母は何も覚えていない。



「悠人は?」

「え?」

「悠人はお母さんのこと、好き?」

お久しぶりです。

もう一つの作品に力を入れておりまして、

こちらは久しぶりの投稿となります。

お楽しみいただけると嬉しいです。

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