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エフォルド公爵 ③

「も、もぅ、げんかい」


魔力よりも心が限界を迎えてきた。終わりが見えるならまだいいのだけど終わりを迎えるどころか敵は増え続け体力も限界を告げようとして来てる。魔力消費は抑えれるようにし続けたけど………もういいやと思えてきちゃった


「クロエさん! 頑張って下さい!」


ボルノさんの声が心に響くことがなく私はどんどん疲弊していく。一度折れかけてしまうと建て直すのは難しいと学校で習っていた。だから心を常に強く持てと習ってたんだけど私の最も苦手な分野だったことだ。私は本当に心が弱いから折れてしまうと余計に建て直しが難しいのがよくわかる


だけど、そんな状況はたった一人の存在で覆された


誰よりも心が強く折れることを知らない一人の男


妥協とか挫折とか最も遠いだろうなと思っていた馬鹿な漢だ


【フルインパクト】


「ガッハ?」


大地を駆け抜け屋根を飛び越え空に向けて飛び上がった漢は拳を握りしめエフォルド公爵に後ろから叩き付けた。まさか後ろから来るとは思ってなかったようで完全に隙を突かれたエフォルド公爵は地面へと一直線に飛んでいった


「てめぇはぶっ殺す! 生きて帰さねぇぞ!!」


「誰かと思えばスティアーシュゲル聖王国のゴミクズか。なぜ貴様のような輩が我が国が誇るメディア騎士団に入れたのか謎だ。おまえもついでに消してやろう」


【フレイムノート】


あの魔法は不味い。対象者を炎の渦に閉じ込め永遠に燃やし続ける牢獄のような効果も持つ魔法だ。急いで助けな………


【フルインパクト】


その一撃はまさに私が見たなかで今までの最高の威力だったことは間違いなかった。爆風が魔法を吹き飛ばし消し飛ばすだけじゃなく少し離れていたエフォルド公爵までも巻き込むだけじゃなく、私たちにまで届き復興した街まで破壊した。私やボルノさん、ルナ先輩とルミナスは私が魔法で守ったけど、気を遣って壊さないようにしてた街を破壊するなんて………アイツはやっぱり大馬鹿野郎だ


「オラン、ここからは二人で戦うぞ」


「うっす」


拳と拳を殴り合わせるだけで小爆発を起こしてる。あいつの怒り爆発は怒れば怒る程、威力が倍増していくって聞いてたけど………どんだけ怒ってんのよ


「てめぇは許せねぇことをした。俺のダチを傷付けた、苦しませた、泣かせたぁ!! ぶっ飛ばして後悔させてやる!!」


「ふん、ごみが吠えよるわ」


あれだけの爆発に巻き込まれても傷一つない………ううん、すぐさま回復したんだ。バーニアさんの攻撃も回復していたようだし光魔法にもかなり長けてるみたい。それでも少しは希望が見えてきた


「クロエぇ! 俺を飛ばせや!」


「絶対にぶっ飛ばしてよ!」


【エアライド】


「おぅよ!!」


私の方に走ってきてシャドウをぶん殴って消し飛ばしたかと思ったら飛ばせとはどんなむちゃくちゃ言ってんのよ。私がいなきゃエフォルド公爵もぶっ飛ばせないなんて………私に感謝して尽くしなさいよね


「全部吹き飛ばしたんだ。もうどうにでもなれ!!」


【テンペスト】


自分を中心に竜巻を起こし全てのシャドウを吹き飛ばし上空へと集めていく


魔法耐性がある?


回復してしまう?


増え続ける?


はぁぁ?


「全部消し飛ばせばいいんでしょうが!!」


【フレイムランス】【ウィンドランス】【アクアランス】【ロックランス】


「消し飛べ」


【エレメントランス】


「小娘!!」


はいはい、お呼びでしょうか? あんたが気付いた通り術式を書き換えて複雑にし追尾の術式も書き加えてやった。何らかの意味のある術式なら読み取れるでしょうけどどんな効果を発生させるかもわからないめちゃくちゃな術式なら読み取れないでしょ? 魔法に長けてるからこそ術式に詳しい。なら、この場で魔法を展開するのに邪魔しない訳のわからない術式ならアンチの魔法で消せない筈だよね?


【ダークホール】


「はい、残念」


「なっ?」


めちゃくちゃだけどオリジナルのアンチの魔法を術式に加えておいた。絶対に速効でダークホールの魔法で消しに来ると思った。消すだけなら余計な魔力を消費せずに私のエレメントランスを無効化出来る。だから、術式を書き加えてこないと思った。その予想通りダークホールは消えていったんだから


「ちっ!」


「俺のことを忘れてねえよな?」


【タコ殴り】


オランは避けた先に来るとわかっていたようで先に動いて行動していた。て言うか私が誘導してあげたんだけど? 私に感謝しまくってよね


「じゃ、邪魔だぁ!!」


【テンペスト】


オランは吹き飛ばされたけどかなりのダメージを与え回復に魔力を割くことに成功させた。そして、動きを止めることにも成功したんだ。そんな隙をバーニアさんが見逃すわけがない


「終わりだ、エフォルド公爵」


「忌々しいバーニアめぇぇぇぇ!!!!」


【光芒一閃】


光の線が一瞬見えたかと思うと空には全てが消し飛ばされエフォルド公爵の姿は全くなかった。これで終わったんだと思うと私の気が一気に抜けてその場にへたれ込んでしまった。まだ休んでる場合じゃない、ルミナスの様子を見ないと


「る、ルミナス! ルミナスって」


「う………わね、きこ………るわ」


「よかったぁ」


私が話しかける少し前に舞いは終わっていたようでルナ先輩がグーサインを出してニカッと笑ってくれた。その証拠にルミナスは意識を取り戻して最悪の事態を免れた。本当に生きててくれてよかった。これで今回の事件は本当に終わったんだよね?

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