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エフォルド公爵

「………やっぱりルミナスだったんだね」


「………」


「黙秘を貫くってこと? それでもいいけど私は逃がそうと思ってるけど」


「逃がさなくていいわ。もぅ父親に振り回されるのはこりごり。このまま処刑台にでも連れてって」


投げ槍になられても困るけどなりたい気持ちもわかる。父親にいいように利用され都合のいい駒として動かされる人生なんて全く面白くないと思う。どんな悲劇のヒロインだって話だよね


「ねぇ? 私も狙われてるしさ………?」


「クロエ!!」


急に覆い被さってきたルミナスを思わず受け止めた瞬間、光の柱が私たち目掛けて降り注いできた。魔法で防御する暇さえなく何も出来ずに攻撃を受け止めるしかない。そして、瓦礫の中から出てきた時には全身から夥しい血を流してるルミナスが両腕のなかにいた


「………いやぁぁぁぁぁ!」


【グレーターヒール】【グレーターヒール】【グレーターヒール】【グレーターヒール】【グレーターヒール】【グレーターヒール】【グレーターヒール】【グレーターヒール】【グレーターヒール】【グレーターヒール】【グレーターヒール】【グレーターヒール】【グレーターヒール】【グレーターヒール】


何度、回復魔法をかけようと全く怪我が治ることがない。つまり、肉体が死へとゆっくり歩んでることを意味する。ルミナスはもう助からないんだ


「いや、死んじゃ駄目!」


ルミナスの両目はもう見えてないみたいなのにしっかりと私を見て微笑んでる。かすれるような声で《よかった》と言った気がした。その次の瞬間には建物の屋根の上から誰かの声がした


「最後ぐらい花を持たせてやろうとしたが役立たずは役立たずか。不出来な娘を持つと親は苦労するな」


怒りが込められた目で屋根の上の人物を睨む。杖を持ちこちらを哀れむように見詰める人物がいた。こいつが………こいつがルミナスの父親で私やアイシャ様を狙ってるエフォルド公爵か


「何が不出来だ! おまえの子供だろう!」


「その通りだ。それは私の所有物でおまえを殺すために役立たせようと利用してやったのだが………最後の最後まで役に立たんかった。役に立ったのは憎きメディア騎士団に入団出来たことか。内情を知れたので少しはマシか? まぁ、父の役に立てたのだから本望だろう」


「もう………臭い口を開くな!!」


【カタストロフィー】


こいつは全力でぶち殺す、生かしちゃおけない存在だ。どんな犠牲を払おうと絶対に許さないんだ


「やれやれ」


【アンチ】


私が放った最強の魔法が一瞬でかき消され静かな夜に戻ってしまった。何をしたかはわかってる、アンチの魔法は敵の魔法の術式を読み取り術式に逆流するように魔力を送り込むことで敵の魔法を打ち消す高度魔法だ。前提として敵の術式を読み取ると言う難題があるゆえに簡単に使える人なんて世界に何人もいない。私はたまたま得意だからマリアの魔法に対して使ったけど………


「よ、四つの魔法の術式を構築してるのに?」


「だからなんだと言うのだね? 単純な魔法の術式四つなど読み取るのに時間など必要ないではないか」


ち、違う! 単純な魔法の術式だからこそオリジナルを加え自分流に変化させる余白がある。私はカタストロフィーに使う四つのボール系統の魔法を簡単に読み取れないように複雑にしてる。肥大化や高圧力、高威力、それぞれの魔法に適した術式を自分で作って加えて変化させてるんだ。簡単に読み取るとかあり得ないのに


「絶望してるところ悪いが………私の計画をさんざん邪魔してくれた礼に死んでくれ」


【ファイアーボール】


あれがファイアーボール? 初心者が使う魔法で誰もが使える魔法なのに奥が深い魔法

炎が青く燃え上がり太陽のように夜空を照らしてるだけじゃなく、あまりにも巨大なのに凄まじいほどの魔力が込められ超圧縮されてる

同じ魔法使いとしての次元が違う。こんなの伝説の魔法使いと同レベルじゃんか


「死ね」


ヤバッ、死んだ


アンチの魔法も思い付いたけどマリアの魔法みたいに単純ではないから消すことは不可能だ。だって、見ただけでどれだけの複雑な術式が描かれ構築されてるか一瞬で理解してしまう。こんな天才的な魔法使いの娘だったんだなんて………そりゃルミナスは凄いわけだよ


「死なさん!」


【巨光】


目の前が光輝いたかと思うと巨大なファイアーボールが吹き飛び街を昼よりも明るく照らしてしまった。その正体は今までどこで何をしていたかもわからない待ち望んでいたメディア騎士団団長………バーニアさんだ


「だ、団長」


【不死鳥之舞】


「る、ルナ先輩!」


「クロエ! ルミナスを死なせたくなかったら舞が終わるまでルナを全力で守り通せ!!」


「は、はい!」


確かにルミナスの出血は止まってるけど傷が治る………いや、少しずつだけど回復してるのがわかる。このまま回復してくれればルミナスは助かる


「ルナせ………」


「………フゥ」


ルナ先輩が尋常じゃないぐらいの滝の汗をかいて舞いに集中して踊ってる。つまり、それだけ集中しないとこの舞は成立しない上に踊るのを止めたらルミナスは本当に死ぬんだ


【シャドウ】


上空で戦っていたバーニア団長とエフォルド公爵の頂上決戦の隙を突いてエフォルド公爵はシャドウの魔法を唱えて私とルナ先輩に攻撃を仕掛けた。シャドウの魔法は術者と同等の強さを持たせるけど単純な動きしかしない。でも、エフォルド公爵のシャドウはおそらく………


「くっ、やっぱり」


シャドウに武器を持たせるって発想は私も持ったことがある。けど、闇魔法は苦手だったし適正に合わなかったのもあって諦めたけどエフォルド公爵のシャドウは武器と盾をしっかりと所持してる。影の形を変形させて維持させるなんてどれだけのコストを支払い術式を書き換えたのか………ご教授願いたいぐらいだわ

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