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黄金世代 ①

夢を見た


それは私が学校に通っていた頃の夢


劣等感を抱き超えられない壁と言うものを見せつけられる日々


セイント・フォン・ルージナス

勇者の称号を手にし実技では教師さえ圧倒してみせた。希代の奇才

その強さは群を抜いていて学生時代に闇の魔物のスタンピートを一人で防いだ実績を持ってる


マリア・フォン・フォルトシア

聖女の称号を手にし学問の成績に置いて他者の追随を許さない天才

特に光魔法の適正が高く神話に語られる伝説の聖女の再来だと言われたほど


ルーグ・フォン・ドラグナー

賢者の称号を手にした魔法会のプリンス。あらゆる魔法に精通し使える魔法は私の四倍の二百種類を大きく超えてる秀才。新たな魔法を作り出し学会を騒がせたのは有名な話


この三人に追い付こうと努力をするも指先がかすることもなく遥か遠くにいる三人だった

どれだけ努力を積み重ねても圧倒的な壁の前に私は挫折するしかなくて現実の厳しさをまじまじと教えられていた

それでも諦めたくなくて追い付きたくて必死に足掻いて………結果、最終総合成績は四位で終わった


何が黄金の世代なのだろうか。この三人だけが黄金と呼ばれる存在だったに過ぎないと言うのに


「敵襲!! アイシャ様はご無事か!!」


誰かがドアを激しくノックする音で私は目が覚めた。慌てるように布団で自分の姿を隠したけどお付きのメイドさんが冷静にドアの向こうから話しかけてきた人に対応してくれた


「アイシャ様は無事です。私が逃がしますのでこちらはお任せを」


「アイシャ様を逃がすのが最優先! 我々が護衛に付きますので………」


「その為にメディア騎士団からゴートンランガ様が来ております。クロエ様も同行されていましたので問題ありません。それとも称号持ちが二人では不足だと?」


「………くっ、わかりました」


何処かへと急いで走り去っていく音を聴いて私は安堵の溜め息を吐く。もう副団長の力はとっくに解いてるので見られたら秒でバレてしまう。急いで着替えて敵を迎え撃たないと


「私は直ぐに出ます。逃げて下さいね」


「はい、アイシャ様からの伝言です。敵はあなたの同期の三人、セイント・フォン・ルージナス、マリア・フォン・フォルトシア、ルーグ・フォン・ドラグナーです。必ず勝って見返してこい。だそうです」


「………わかりました」


まさかあの三人とこんなところで対峙することになるとは思わなかったけど学校での成績で負けたと言って殺られるわけにはいかない。逆にボコボコにして追い返してやる


「くっ、やりすぎでしょ?」


街は赤く染まり深夜だと言うのに明るく照らされている。避難が上手くいってるならいいんだけど………同じ国の人間同士で殺し合うって頭イカれてんじゃないの?


【エアライド】


上空へと飛び立ち街の中心へと移動していく。これだけ燃やされていたら復興も大変だけどこれ以上燃やされるのも困る。敵に居場所を知らせることになるけど死人が出るよりかはましだ


【アクアレイン】


魔力を大きく込めて街全体に大雨を降らしていく。本当にあの三人がここに来てると言うなら直ぐに魔法の雨だと気付き魔法が唱えられた場所を特定してくるはずだ


「って、もう気付かれたし!」


【マジックバリア】


地上から私を狙って四方からライトニングアローを放ってきたのは多分、ルーグだと思う。こんな器用な魔法の使い方をするのは彼以外に思い付かないし


「くぅ、って休ませろ!」


【シールド】


空から斬撃の嵐が飛んできた。なんとか耐えたと思ったらただの目眩ましでセイントが直接攻撃してきた。目眩ましにしては攻撃力高すぎじゃない?


「くっ、つぅ」


シールドごと吹き飛ばされて地面に叩き付けられてしまった。なんとかエアライドを使って衝撃を緩和させたけどそうじゃなかったらペッタンコになって死んでたって。同級生に対する攻撃じゃないよ


【サンライトプリズン】


立とうとする隙間もなく一瞬で拘束され光の檻に閉じ込められてしまった。この魔法はマリアだね


「捕まえました」


聖女って呼ばれてるのに私に対しては本当に心から冷たい目で見てくる。まるでごみを見るかのような目は相変わらずか。何で私はここまで嫌われてるんだろうね? 何かした覚えはないんだけど


「生きてる前提で拘束するなんて信頼されてるってことでいいんかな?」


「えぇ、貴女があの程度で死ぬわけがありませんから」


「信頼してくれてありがとうって言った方がいい?」


「お礼はいいので死んで貰えませんか? 正直、これ以上貴女と関わるのは嫌なんですよ」


うわぁ、本当に嫌われてるなぁ。出会った頃は私にも優しくしてくれてたんだけど………本当に何をしたか記憶ないんだけど


「捕らえたかい?」


上空からゆっくり降りてきて姿を表したのはセイント。女学生たちの憧れの王子さまのような人。本当に心やさしい人で行動のどれもがイケメンなんだけどこちらも私にだけ冷たい。何かしたらしいんだけどこちらも記憶なし。困っている私を昔はよく助けてくれたんだけどなぁ


「相変わらず憎たらしい女だ」


そう言いながら現れたのはルーグ。昔は図書館でよく一緒に勉強してたけど何時からか私一人になってこちらも凄く嫌われてしまった。誰かぁーこの三人に嫌われた理由教えて欲しいんですけど


【アンチ】


私を捕らえている檻を魔法で強制的に解除し私は自由を手にする。この程度なら直ぐに解析出来るから捕らえるだけ無駄だって


「「「?!」」」


「ごめん、私にも戦う理由があるから捕まるわけにはいかない。勇者と聖女と賢者の三人に勝ってこいって言われてるから」


「本当に君だけは………」


「手加減はしませんよ」


「君にだけは負けられないな」


こうして私と三人組の戦いの火蓋がきって落とされた。陰口も独り言も使えないけどなんとかなると信じるしかない

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