第64話 ソラとジャンヌ
「…う…痛たた…」
ソラが起き上がった。
ゴンッ
「うぐっ?!」
フライパンにぶち当たるソラ。
「おぱよ〜モヤシ!」
「ふぇ?ジャンヌ…」
周りを見る。誰もいない。
「はれ?みんなは!?」
ソラが言った。
「さぁ?」
ジャンヌは楽しそうにフライパンにを回しながら何かを炒めている。
「さぁって…」
「今回はモヤシと二人きりね!ゲヘヘ」
「怖いからっ」
ソラが言った。
「はーい!モヤシ?朝エサよ?」
「朝エサ!?」
ジャンヌがフライパンを差し出した。
そこには毛虫やら芋虫やら何やら…
「気持悪っ!?」
「そうかしら?美味しそうじゃないゲヘヘ」
そう言うとジャンヌはフライパンにスプーンを入れた。
「ちょっ?!ジャンヌ?」
「いただきまーす♪」
パクッ
ジャンヌがそれを食べた。
「うわぁ!?」
「うん♪美味し!!」
「嘘ぉ!?」
「ほっぺがバラバラに崩れちゃうわ!!」
「ええ!?」
「はいモヤシ?あーんして?」
「うえ!?嫌だよ!?」
「気ィ使うなよ?ウチとモヤシの仲だろ?」
「いやいやおかしいから!!」
「何がおかしいのよ?」
「その料理以前にジャンヌがおかしいよ!!!!」
「最高の名誉ね!!」
「ジャンヌ?!」
「はいモヤシ!あーん☆」
「もがぁ!?」
言葉とは裏腹に力の限りスプーンをソラの口に突っ込むジャンヌ。
「幼虫パラダイス☆」
「…」
ソラが固まった。
「…あら?モヤシ?」
コツコツと頭を叩いてみる。
「モヤシ?」
バシバシと頭を叩いてみる。
「…そんなに美味しかったのね!!」
「…」
「突っ込む気力も無いのね…さあ!大根とか人参とか探すわよ!!」
ソラを引きずってジャンヌが歩き出した。
「…は!僕!?」
「漸く起きたわね!」
「って痛たたた!?痛い痛い痛い痛い痛い痛い!?」
ソラはジャンヌにボディーブローされていた。
「どんな状況!?」
「ウチが聞きたいわ!!」
「聞くな!!!?」
ボディーブローをやめるジャンヌ。
「…何処かしら此処?」
「ん…?何でこんな事になったんだ?」
「ウチのジャックと豆の樹が途中でヘタれたから皆バラバラにゴミの様に落ちていったのよ!!」
「最後の方要らないけど…で何で僕とジャンヌが?」
「運命ね!ジャジャジャジャーン!!」
「…こんな運命は嫌だ」
「嘘よ!ウチがとがった岩に落ちそうになったから側にいたモヤシに餌食にしといたのよ!!」
「最悪じゃんか!!」
「最悪ね!!」
「自覚あり!?意外!!」
「ゲヘヘヘヘ!!!」
「エリアー!」
「大根ー!!」
「ルゥー!」
「チビッコー!!」
「アミュー!」
「毛玉ー!!」
ソラとジャンヌは漸くまともに探し始めた。
「いないな…」
「ゲヘヘヘヘ」
「笑うとこおかしいから!?」
「谷の下に落ちたとか?」
「へ?」
「此処にあるじゃない谷が」
「ジャンヌがまともな事言ってる!?」
「ゲヘヘヘヘ♪眼鏡パワーね!!」
「行こう!」
「あいよ!ジャックと豆の樹!!」
もももももももももももも
豆の樹の葉に乗りゆっくり下がっていく二人。
「いないなぁ」
「モヤシと二人きりで谷底なんてまるでデートの様ねゲヘヘ」
「多分こんな場所にデートでは来ないと思うけど…」
「知らないの!?今流行ってるのよ!!」
「ええ!?」
「もう廃れたけど」
「ええ!?」
谷の上に戻る二人。
「うーん…山とか?」
「行くわよ!!ジャックと豆の樹!!」
もももももももももももも
山の上に着いた二人。
「いない…」
「あら?あの枝にぶら下がってるのは…」
ジャンヌが言った。
「え?!見つけた!?」
ソラが聞いた。
「…人…ね」
「わ!行ってみよう!」
「あいよ!」
その場所まで走る二人。
トテトテトテトテトテトテ
「ジャンヌ遅っ!?」
「ま、待ちなさい?!」
ジャンヌは必死で走っていた。
トテトテトテトテトテトテ
「ジャンヌ!!見てるこっちが悲しいよ!!」
「こ、此処からが本番よ!!」
トテトテトテトテトテトテトテトテトテ……コテンっ
「ジャンヌ!?」
「…転んだわ!!」
「いや解るから!?」
起き上がるジャンヌ。
「ウチは走れないのね!!びっくりだわ!!」
「こっちがびっくりだよ!!」
「これじゃ全知全能じゃないわね…」
「ジャンヌ…」
「半知半能ってこと!?」
「悲しいよジャンヌ!!」
「モヤシ!ウチをおぶりなさい!!」
「ええ!?」
「アイツ…首吊ってる虞があるわ!!」
「嘘!?わ、解った!!」
ジャンヌをおんぶするソラ。そして急いでアイツの元に行く。
「だ…大丈夫ですか!?」
ソラが肩に手をやった。すると
ガランガランガラン
「っ!!!?」
その人が崩れた。
「ぎゃああああああ!?」
「白骨化してるわね…死後一時間ってとこかしら」
「速いよ!!!?」
「せめて埋めてあげなさい?」
ジャンヌが言った。
「う…うん…」
ソラがジャンヌを下ろすと、穴を堀始めた。
そして怖いながらその人を埋めてあげた。
「ふぅ…ご冥福をお祈りします…」
ソラが手を併せると
がしっ
「っ!?」
ソラは地面から出てきた手で腕を掴まれた。
「うわああああああ!?」
ソラが叫んだ。
「ゲヘヘヘヘ♪」
何処かで聴いたことある笑い声♪
「…ジャンヌ?」
ズボッとジャンヌを引っこ抜くソラ。
「なぁにモヤシ?」
「僕ちょーっと怒ってるんだけどー?」
「あら?そうなの?」
「一回燃やしていい?」
「モヤシがウチを"燃やし"ていい?巧いわね!!」
「バーンバニッシュ♪」
ドカ――――――――ン♪
「ぎゃああああああ♪」
「はい次行ってみよう!」
「そ…そうねモヤシ…」
「此処にもいない…」
「あ!!」
ジャンヌが気付いた。
「!何!?ジャンヌ」
「大根だから…畑に埋まってるとか!?」
「馬鹿だろお前♪」
「ゲヘヘヘヘ♪」
「エリアールゥーアミュー!!」
「マリモー昆布ーワカメー!!」
「エリアールゥーアミュー!!」
「黒豚ー黒毛和牛ー黒鶏ー!!」
「ジャンヌー真面目にー探せー!!」
「了解ーモヤシー見つけたー!!」
「早く言えよ!?」
「了解モヤシ見つけた」
「いや言葉そのものじゃなくて!!」
「彼処よ!!」
ジャンヌが街を指差した。
「え?何処!?」
「…モヤシ目悪いわね?視力いくつ?」
「え?両目とも1.5だけど…」
「駄目よそんな!!ウチの裸眼と一緒じゃない!!」
「それで十分だと思うけど!?」
「眼鏡をつけたウチの視力は100よ!!」
「ええええええ!?」
「だから良く見えるの!!行くわよ!!」
「あ、うん…」
街に着いた二人。
「ええ!?何故磔に!?」
「メルヘンね!!」
「何処が?!」
エリアとルゥとアミュは街の広場で磔にされていた。
「!ソラ!!」
エリアが気付く。
「ソラ兄〜助けて〜!!」
続いてルゥ。
「ソラソラ〜!!」
最後にアミュ。
「みんなっ!?どうしたの!?」
「わわわ、解んないわ!」
「なんか街の人に"メルヘンが無い"とかワケ解んない事言われて気付いたらこんなことに…」
ルゥが説明した。
「メルヘンが無い!?最悪ね!!」
ジャンヌが言った。
「メルヘンはこの世で46番目に重要なものよ!?」
「「「「微妙だよ!?」」」」
「今助けてあげる!」
ソラが言った。
「流石ソラ兄!!」
「ありがとう!ソラ」
「感謝感激にゃ〜!!」
すると
「駄目です!!その人たちを降ろしては!!」
「!?」
町人Aが言った。
「その人たち、メルヘンが無いんですよ!?」
町人Bが言った。
「どうしても助けたいなら…」
町人Cが言った。
「「「メルヘン対決です!!」」」
町人ABCが言った。
「ええ!?」
「さあ?どうします?」
町人Cが言った。
「ど…どうって…」
「降参ですか!?」
町人Bが言った。
「その勝負!受けてたつ!!」
「「「「ええ!?」」」」
「ジャンヌ!?」
「パー子!?」
「メガネ!?」
「任せなさい!!」
ジャンヌが言った。
「なかなか…自信ありですね…!!」
町人Bが言った。
「いいです。ではそちらから仕掛けなさい?」
町人Aが言った。
「ゲヘヘ♪先手を取らせた事…後悔なさい!!」
ジャンヌが言った。
「"○肉○食"この○の中に入る語を次のア〜ヲの中から三つ答えなさい!!」
ジャンヌが叫んだ。
「…」
「…」
「…」
「…え?」
「ゲヘヘ…決まったわね」
そう言うと町人ABCが倒れた。
「「「「!?」」」」
「か、完全なメルヘンね…!!」
町人A。
「選択肢が多すぎるわ…!!」
町人B。
「何より○が二つしかないのに答えが三つ…」
町人C。
「完全に先生選択肢に同じ漢字入れちゃったわね…」
町人Bがそう言うと三人は負けを認めて帰っていった。
「口ほどにもないわね!!ゲヘヘ」
「大丈夫?みんな」
「ありがとうソラ!!」
「流石ソラ兄!!」
「感謝感激にゃ〜!!」
「さあ行こうか!」
「「「はーい♪」」」
そう言うとメンバーは街から出ていった。
「完全シカトね!メルヘンの極みだわ!!」
ジャンヌはメンバーの後を追っかけていった。