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第63話 プレゼント

「やぁヴェルナ☆」


「ゲ…」


すんごい嫌そうな顔をするヴェルナ。


「…なんでカーフェイなのよ…」


「運命運命デスティニー♪」


「…はぁ…行くわよ」


「うん!」









「わぁ!今度はルポのお姉さんだ!!」


クロレカが言った。


「にゃ?!斧っ娘!!」


「クロレカだよ〜♪よろしくね!」


「よろしくにゃ〜…ってさっきまであたしら殺そうとしてたのに!?」


「あー!それは今はグシャグシャに丸めてゴミ箱にポンッだよ!」


「…"今は"?」


「…」


「斧っ娘達は月を落としてどうするにゃ?!」


アミュが聞いた。


「…世界を…ネィバーランドを救うんだよ」


クロレカが答えた。


「にゃ?!何言ってるにゃ?!月が落ちたら皆死んじゃうにゃ〜!?」


「…」


「どうしてにゃ?!」


「解んないよ」


「にゃ?!」


クロレカが下を向いた。


「…解んない…サンタさんが何考えてるのか…」


「"サンタさん"?!」


「うん…わたし達は…サンタさんに使われてるだけ」


顔を上げるクロレカ。


「だからわたし達、四人合わせて"トナカイ"って言うの!」


「"サンタさん"に"トナカイ"!?」


「えへへ…本当はね…わたしだって月なんか落としたくないよ?」


「にゃ…」


涙を溜めるクロレカ。


「でも…トナカイはサンタさんの命令は訊かなきゃいけないの」


「斧っ娘…」


「えへへ…行こうアミュちゃん!ゴールしたら戦わなくちゃだけど…!」


「うにゃ!負けないにゃ〜!!」


「わたしだって!」









「そ…ソラ…」


「よろしくエリア」


エリアはソラと繋がれていた。


「大丈夫?顔赤いよ?」


「へ、平気よ!行きましょう?」


「うん」


コロコロ


「62ね…」


「ええ?!」


「?どうしたの?ソラ」


「62!?」


「ええ。ほら」


サイコロを見せるエリア。


「…本当だ」


62マス進む二人。


「…」


「…」


"ゴールまでもう少しだしまぁベッドに入ってゆっくり休めや"


「…これ…入らなきゃいけないの…?」


エリアが言った。


「…」


「…」


「…」


「…」


「…」


「…入る?」


「ええ?!な、何言ってるのよソラ!!」


顔を真っ赤にするエリア。


すると


『ゲヘヘ♪入っちゃいなさいよ大根!!』


「!?」


エリアの頭の中にジャンヌの声が響いた。


『ビッグチャンス到来よ!しかもモヤシもその気ありって感じだし♪』


「え?」


頭の中で会話するエリア。


『さっき"入る?"って言ったじゃない!』


「じ…ジャンヌ…」


『何?大根』


「珍しいわね?あなたが人を応援するなんて…」


『いや暇やし』


即答。


「…あぁ…そう」


『さぁ!どーんと当たって砕けちゃいなさい?』


「砕ける前提!?」


『当たり前よ!何様のつもり!?』


「…すみません」


『よろしい!あんたが入るまで進めないからね!じゃねい♪』


ブツッ


頭の中の通信が切れた。


(…考えてみたら凄い事してたわねジャンヌ…)


「どうしたの?エリア」


(!!)


顔を真っ赤にするエリア。


「ななっ!なんでもないわ!!」


「じゃ、エリア入って?」


「ええ?!……う、うん」


顔を赤くしたままベッドに入るエリア。


「じゃあおやすみエリア」


「お…おやすみなさい」


ごろんと横になるソラ。


(……………………ん?)


エリアが反対側を向いた。誰もいない。


「…あれ?ソラ?」


キョロキョロするエリア。その時エリアの右手が下に引っ張られた。


「…まさか」


エリアはベッドの横の床を見た。


「…」


ソラが寝ていた。


(…なんだぁ…)


「は!て、何考えてるの私!?ふ、不潔だわ!!」


自分を自分で突っ込むエリア。


「…すー」


寝息。


「!」


(か、可愛いい…)


顔を真っ赤にするエリアでした。









「…お前か…」


「…」


こちら、ルゥとセルシオ組。


「…」


「…」


「…お前」


「何だ」


「…小さいな」


「はっ!お前と変わらねぇよ」


「そうだな…オレと変わらないか…」


「王子様がそんなんでいいのか?」


「…」


「牛乳でも飲んだ―…」


「嫌いだよ…知ってるだろ?」


「は?」


「…お前も嫌いだろ?」


ルゥが言った。


「オレ、五年前から記憶が無いんだ」


「…で?」


「でもなんとなく解るよ…オレの記憶が始まった時の事…」


「何が言いたい」


セルシオが言った。


「お前が"ルゥ"なんだろ?」


ルゥが言った。


「…は?何言ってやがる」


「オレは王子なんかじゃない…本当の王子はお前のハズだ!!」


「…」


「オレは…お前の替え玉だ」


「…へぇ…知ってたのか」


「わ!当たった!?」


「…カマかけか?」


「ううん嘘」


「…そうだ。お前は俺の"替え玉"だ」


「!」









『…』


ルゥは自室窓辺に腰掛けて日が暮れかけた外の世界を見ていた。


『…外』


そう呟くとほぼ同時に部屋の扉が音もなく開いた。


『…誰?城のヤツじゃないね』


ルゥは振り向かずに部屋に入ってきた者に言った。


『おお!そうだま!よく解ったま?』


声をかけられた男は特徴のある喋り方で答えた。


『…城のヤツならノックぐらいするだろ』


『失礼したま!』


『名前ぐらい名乗ったらどうだ』


ルゥが言った。


『名前かま〜?"トラ"と名乗っておくま』


『…おく…ね』


『俺はルクレツィアが欲しいものを差し上げに参ったま』


『…欲しいもの?』


『そうだま!』


『…無いよ』


ルゥがそっけなく答えた。


『いーや!ある!』


『は?』


『君が欲しいものは"力"と"殺意"と…"自由"だま』


『…』


『図星だま?』


『そうかもね…ファスチネイションサンダー』


ルゥが言った。


『おお!その年で最大魔法かま!』


『…?』


魔法が発動したハズなのに平然と話すトラに振り向くルゥ。


『っ!?』


『やーとこっち向いてくれたま!』


そこにはシルクハットを被った金髪男が立っていた。


『…顔色悪いぞ?』


ルゥが言った。

男の顔色は酷く青白い。


『そうだま!俺は"人間"じゃないんだま〜』


『!?』


『俺は"サンタ"だま』


呆気にとられるルゥ。


『…サンタ?』


『そうだま!だから君に欲しいものをプレゼントするま!』


そう言うと、トラの人指し指の先にオレンジ色の光が集まる。そしてそれをルゥの額に押し込んだ。


『ハイ!おしまいま!』


『!?』


『これでお前はルクレツィアではなくなったま!』


ルゥの目の前にはもう一人のルゥが浮いていた。


『…どういう事だ?』


『お前は王子だったま!消えたら大変だま?だから"替え玉"が必要だま!』


『俺が…自由?』


『そうだま!お前の名前は"セルシオ"だま!さぁセイクリッドに来るま!仮面をあげるま!』


トラが言った。


『は?』


『セルシオはセイクリッドに来る以外は自由だま!』


『セイクリッド…だと?』


『そうだま!世界の中立国だま!』


『何故俺をそこへ呼ぶ?』


『お前の"力"が必要なんだま!!』


『…へぇ?どうして』


『世界を変えるんだま!』


『世界を…変える…ね』


『そうだま!』


『いいよ…行ってやる』


そうしてルゥ…セルシオはトラの元へと歩いていった。


『今日からコイツが…ルクレツィア…』


『…』


ルゥはうっすらと虚ろに目を開けていた。


『…あばよ』


セルシオとトラが部屋を出ると、浮力がなくなりルゥが床に落ちた。










「…それがお前だ」


「お!見ろ!6だぞ!」


ルゥが言った。


「…聞いてたか?」


「おう!バッチリ!」


「…」


6マス進むセルシオ。


「にしても黒幕が"サンタ"とは驚きだな!」


「…俺の名付け親がサンタだ」


「"セルシオ"ね…どんな意味だ?」


ルゥが聞いた。


「トラの思い付きだ」


「そっか」


再び6マス進むルゥ達。


「…もうすぐゴールだね」


「…」


「セルシオは…世界を変えたいのか?」


「…そうだな」


「…そっか」


ルゥが向き直った。


「じゃあお前は敵だな!」


「ふっ…お前こそ」


「負けねぇぞ!?」


「雑魚が粋がるなよ。返り討ちだ」


「よっしゃ!ゴールしたら覚悟しとけよ!?」


「望むところだ」










「…暇ね!」


ジャンヌが逆立しながら言った。


「もう魔法解いちゃおうかしら」


ジャンヌが逆立からブリッチする。


「よっしゃ!解くぞ!」


ジャンヌがブリッチから立ち上がった。


「ビビデバビデブー☆」


ばふんっ!!


茂みが消えた。


「「「「「!?」」」」」


中にいたメンバーが驚く。


「にゃ!?もうちょっとでゴールだったのに!?」


「なんか悔しいーっ!!」


「…ゴールしたらって…さっき決めたばっかなのに…」


「はっ!」


「あら?終わったの?」


「あ、本当だ!」


「カーフェイから離れられたわ!!」


「そんな喜ぶ!?」


それぞれの感想を言う。


「さぁ愚民ども!引き上げるわよ!!」


「パー子!?黄色の宝玉…」


「ああこれ?置いたわよ」


「「「「「「「ええええええええ!?」」」」」」」


「さあ行くわよ!!メルヘンの向こう側へ!!」


ジャンヌが言った。


「さ、させないわ!!」


ヴェルナが言った。


「戦う必要なんかないわ!!打倒サンタなんだから!!」


ジャンヌが言った。


「「なんで知ってるの!?」」


ルゥとアミュが言った。


「全知全能の神だからね!盗聴なんかお手の物よ!!」


「「おい!?」」


「さあ行くわよ!!ジャックと豆の樹!!」


そうジャンヌが言うと、ジャンヌの足元からももももももももももももももももという妙な効果音つきでぶっとい蔓が現れた。


「乗りなさい?ローズホイップ☆」


ジャンヌが薔薇の鞭を出すと、器用にメンバーを掬い上げた。


「わあ!?」


「きゃっ!」


「うわ!!」


「にゃ?!」


「ゲヘヘヘヘ!あばよトナカイ!!時期早ぇえんだよ!!」


そう吐き捨てるとメンバーは消えた。



「…」


「行っちゃったね…」


「…ああ」


「…ってか最初からアレやれば良かったじゃない…」


「確かに…」















ガクン


「!?高度落ちてない?」


ソラが言った。


「落ちてるわね」


ジャンヌがY字バランスしながら言った。


「どうするの?!」


「どうにもならないわね」


「死ぬにゃ?!」


「死ぬかもね」


「ざけんな?!」


「ふざけてるかもね」


「「「「ざけんな――――――っ?!!!」」」」


そう叫びながらメンバーは落ちていった。


「次回はウチが主役よ―――――――っ!!」


独りだけ違うことを叫びながら…











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