第34話 ちょんま!
「♪〜」
紫色の髪の毛をした女の子が歩いていた。鼻歌混じりでご機嫌のご様子。
「あ!カーフェイ君!」
カーフェイと呼ばれたブロンドヘアの男が反応して振り向いた。
「クロレカ!久しぶり!」
「うん!…て何してるの?」
カーフェイは望遠鏡を持ち、茂みに身を潜めていた。これではまるで変態だ。
「見てみる?」
そう言ってクロレカに望遠鏡を手渡すカーフェイ。
「?…何も…見えないよ?」
「クロレカ…逆、逆…」
「え?…あ!!」
ボケの王道を行くクロレカ。顔を赤らめ、持ち直して遠くを見る。
「!!」
「見えた?」
「オバさんが案山子に向かって挨拶してます!!」
「そこじゃないそこじゃない」
突っ込むカーフェイ。
「こっちだよ」
「!!…あの人達は!」
「そう。あの映像に映ってたヤツらだ」
「早く消さなくちゃ!」
「ウエーイト!」
微妙な英語でクロレカを止まらせたカーフェイ。
「? 何ですか?」
「まずは敵を知らなくちゃ!」
「あ!そ…そうですね!そうでした!」
納得してカーフェイの隣に座るクロレカ。
するとメンバーの会話が聞こえてきた。
「ソラソラ〜♪ちゅーしていいかにゃ〜?」
「理由を105.6文字で簡潔に述べろ?」
「にゃにゃ!?".6"って何にゃ!???」
「良いなぁ…ソラ…モテモテじゃん…」
「見苦しいぜ?シャーン」
「く…ルゥてめぇ…」
「も〜アミュったら!!」
「エリアはソラに言って来ないんですか?」
「え?な、何言ってるのよ!」
顔を真っ赤にするエリア。
「ききききき〜き!!」
「ほら、テトラもそう言ってますよ?」
「まふまふ〜まふ♪」
「ガブも」
「フィーナ、動物の言葉が解るの?!」
「全然解りません。」
「ええ?!!」
「ルゥ、台座までどれくらい?」
「ん〜…まだまだ先だね〜ソラ兄」
「面倒にゃ〜…短足、馬になりなさい?」
「はあ!?ふざけんな猫!!ってもう乗ってる!?」
「もっと速く歩けにゃ!」
「うっせぇ!!お前が重いんだよ!!」
「アミュ、そんなコト言ったら可哀想よ?」
「エ…エリア!」
「シャーンは足が短いんだから…それでいっぱいいっぱいなのよ?」
「エ…エリア…」
「いひひ、シャーンもう駄目だね」
「あはは、作者ももうすぐ消そうかなってぼやいてましたよ?」
「な?!」
「「消えた方がいいんじゃない?」」
「く…!ルゥ…フィーナ…憶えてろ?!」
「そう言えば、フィーナは家に戻らないの?」
「あはは〜ソラ、忘れてました〜私、迷子なんですね〜!」
「にゃは〜この年になって迷子かにゃ〜♪」
「フィーナ兄、何処に住んでるの?」
「あはは〜何処でしたっけ〜?」
(((((駄目だコイツ…)))))
「「…」」
「…楽しそう…ですね…」
「ああ…なんか邪魔しちゃいけない雰囲気だったな…」
「ちょんま!」
「おうっ?!」
謎の声に目を向けるカーフェイ。
「ちょんま!」
ソイツはクロレカの隣にいた。
(またコイツ…なんか造ったな…)
そこには緑色のちっこくて可愛いい怪獣みたいなのがいた。
「…なんだ?それは?」
「あ、これですか!?これはハイパー☆恐竜、ライラちゃんです!可愛いいでしょ?!」
「ちょんま!」
「ハイパー☆恐竜?」
「はい!別名"魔法能力測定判別特殊変形可能及び人体精密解析装置二号"です!」
「ちょんまちょんま!!」
「え?これ機械なの!?」
「はい!ライラちゃんは凄いんです!個人情報が読み取れちゃうんですから!」
「え?それって犯罪じみてない?」
「大動脈です!」
「大動脈っ?!」
「ちょんま!」
「え?本当ですか!?ライラちゃん!」
「? どうしたの?」
「個人情報を読み取れました!」
「やっぱりそれって犯罪だよな…?」
「茶髪君が、ソラ…キリサキ?炎使い、武器は剣です。」
「ちょんま!」
「金髪ちゃんが、エリア・フラント、水使い、武器は杖です。」
「ちょんま!」
「赤髪君が、シャーン・ブライト、水使い、武器はハリセンです。」
「ちょんま!」
「猫さんが、アミュレリス・ヴァレンタイン、風使い、武器はボンドです。」
「ちょんま!」
「緑髪君が、フィーナ・アトワイト、植物使い、武器はありません。」
「ちょんま!」
「銀髪君が、ルクレツィア・シャイアルク、雷使い、武器は槍です。」
「……ルクレツィア!?」
「オイオイ…ルクレツィアって言ったら…!!」
「ちょんま!」
「「まさか―…!!」」
息を飲む二人。
「…どうしよう?カーフェイ君!」
「…とりあえず、上に報告だよ!」
「うん…!」
「ちょんま!」
そうして二人と一体は消えた。