第28話 マーメイド
「にゃにゃ!?月が降ってくるにゃ!?」
魚を捕まえたアミュが聞き返した。
「うん」
ヒトデを引っ張りながら答えるルゥ。
「ヤバイにゃ〜お願い事しなきゃにゃ〜!!」
捕まえた魚を食べながらアミュが言うと
「うん?!それはおかしいよ姉御!?」
ヒトデを極限まで伸ばしたルゥが突っ込んだ。
「ふにゃ?団子かにゃ?」
再び魚を捕まえたアミュが小首を傾げると
「お月見気分!?」
ヒトデの足を蝶結びにしながら突っ込むルゥ。
「にゃは〜ルゥちん面白〜い♪」
魚を食べながらアミュがきゃらきゃら笑った。
「仲良いわね〜あの二人」
ルゥに蝶結びされてしまったヒトデを哀れみながらエリアが言うと
「ボケとツッコミは切っても切れない関係だからな」
そうありたいと願いながら呟くシャーン。
「まふ〜♪」
「キキー♪」
楽しそうに水浴びするガブリエルとテトラ。
「…」
打ち寄せる波を岩の上から睨みつけるソラ。
「? どうしたのソラ?」
そんなソラを見て小首を傾げながら尋ねるエリア。
「へ?!な、何でもないよエリア!」
水の中に入ってビーチボールを持っているエリアにブンブン首を横に振るソラ
「ソラ兄入らないのぉ?」
浮きわの真ん中から顔を出したルゥが尋ねると
「え…う…うん…僕は遠慮しとくよ…」
困ったように笑いながらソラが答えた。
「入ろうにゃ〜ソラソラ♪気持良いにゃ〜?」
魚をくわえながらアミュが言った。
「いや、だから―…」
ソラが返そうとした瞬間
「隙ありっ!!!」
シャーンがソラの後ろからビーチボールを投げつけた。
ボンッ
それが見事にソラの後頭部に当たり
「うわあ?!!!」
バッシャーン
バランスを崩したソラは岩から水の中に落ちた。
広い海、白い砂浜、焼けつくような太陽に、雲一つ無い青い空。
そして、たった今真っ青になったソラ。
メンバーは今、海に居るのでした。
「…」
「…」
「…」
ソラが海に落ちてからしばらく経って
「あ、あれ?ソラ兄…上がって来ないよ?」
浮きわで浮いているルゥがソラが落ちたところを覗き込みながら言った。
「ふにゃ〜ソラソラは息止めの達人かにゃ?」
まだ魚を食べ続けているアミュが言った。
「お…おい…しばらく経つぞ?」
冷や汗を掻きながらシャーンが言った。
「ま…まさか…ソラ…」
エリアが顔を青くしながら言うと
((泳げない!?))
やっとその考えに至るメンバー。
「きゃー!!早く助けなきゃ!!」
叫ぶエリア。
「任せろエリ姉!!」
浮きわを身に付けたまま素潜りを試みるルゥ。
「にゃ〜!!ソラソラ死なないでにゃ〜!!」
更に魚を捕まえるアミュ。
「落ち着けルゥ!!浮きわを身に付けたまま水中に潜るなんてレベルが高すぎる!!」
なかなか潜れないルゥにシャーンが突っ込むと
「探し者はコレですか?」
水中から現れた少女が尋ねた。
「「へ?」」
メンバーがそちらを向くと
「…」
青い髪の少女が、ぐったりしたソラをメンバーに見せた。
「「それー!!」」
喜ぶと同時に顔を青くするメンバー。
「ルゥ先生!!呼吸、確認出来ません!!」
少女からソラを受け取ったシャーンが、彼の口に手をかざしながらルゥに報告した。
「よぅし!!四の字固めだ!!」
「了解!!」
身に付けていた浮きわを投げて水中に潜るルゥ。
そんなルゥにソラを引き渡すシャーン。
「ちょわ〜!!」
そしてルゥが恐らく不可能な秘奥技・水中四の字固めをソラに見舞わした。
「痛ったあっ!?ギブギブギブ!!」
あまりの痛さに息を吹き返すソラ。
「「ソラ!!」」
「ソラソラ!!」
ぱあっと顔を明るくするエリアとシャーンとアミュ。
「…はっ!?僕!?」
我に返ったソラ。
「えへへ♪お役に立てた様ですね!」
にこっと笑う少女。
「ぷはっ…ソラ兄、あの娘が助けてくれたんだよ?」
水中から顔を出したルゥが言うと
「…?あ…ありがと…」
ぎこちなくその少女にお礼を言うソラ。
「いえいえ♪」
にこっと笑いながら両手を振る少女。
すると
「にゃ!?一体何者にゃお前っ?!」
アミュがその少女をズビシッと指さした。
「え?」
少女が小首を傾げると
「…その足…」
ごくりと唾を飲んだアミュが
「美味しそうだにゃ〜♪」
幸せそうな顔で幸せそうに言った。
「「…は?」」
首を傾げるルゥとシャーンとエリア。
すると
「…バレてしまいましたか…」
下を向きながら少女が呟いた。
「「?」」
四人が首を傾げると
「そう…私は人魚です!」
そう言って少女は水中から大きくジャンプした。
「うにゃ〜♪是非腹に納めたいにゃ〜♪」
その少女の足の部分に当たる魚腹を見てうっとりするアミュ。
「いや食うなよ猫?!」
透かさず突っ込みを入れるシャーン。
「凄い…人魚って居るんだ…」
ポカンと口を開けるルゥ。
「きれ〜い…!!」
少女の美しい姿に目を輝かせるエリア。
「バレたついでに言わしていたたぎます…」
着水した少女が真剣な顔でルゥを見た。
「「?」」
小首を傾げる四人。
すると
「あなたに一目惚れしちゃいました!!」
両頬を両手で押さえながら少女が言った。
「はあ?!」
突然の告白に驚くルゥ。
「…こんな可愛いい娘に一目惚れさせちゃうなんて隅に置けないわねルゥ?」
にこっと笑いながらエリアが言った。
「エリ姉!?」
何言ってんの?!とルゥが突っ込むと
「…一応ソラとルゥより年上なのにな…俺…」
目頭を押さえるシャーン。
「ちょっシャーン?!落ち込んでる場合!?」
更に突っ込むルゥ。
「ルゥ…ルゥ様って言うんですね!!私、チモシーです!!早速デートしませんか!?」
ルゥの手を取りながら少女・チモシーが言った。
「はあ!?ちょっ待っ…オレらは宝玉を台座に―…」
ルゥが言いかけると
「白の台座までデートしてくれるのですか!?私感激です!!」
目を輝かせるチモシー。
「…へ?ここらは緑の宝玉のハズだけど?」
小首を傾げながらルゥが言うと
「…あ!そうでしたね…緑…ですよね!!」
チモシーは訂正した後で
「やだ…何緊張してんだろ私…」
頬を赤らめた。
「ね…ねえ?私たちもついてっていい?もちろん邪魔だけはしないわ」
エリアが尋ねると
「もちろんです!!さ、行きましょうルゥ様!!私と愛のランデブーへ!!」
にこっと笑いながらチモシーが答えた。
そんなこんなでルゥとチモシーのランデブーが始まったのであった。
ブクブクブク
…?気泡が…
「!! 発言が無いと思ったら地味に溺れてたのソラ兄!?」




