✒ 【 婚約者として… 】 初めましての御挨拶
──*──*──*── ランシティブ公爵領地
──*──*──*── ランシティブ公爵邸
?
「 ようこそ遠路遥々御越しくださいましたな、シュケルハン侯爵令嬢。
私はランシティブ公爵家領主のディグラマス・ランシテブと申します 」
ベアリーチェ
「 ランシティブ公爵様、ワタクシのような小娘如きに丁重なお出迎えをしてくださり、感謝致しますわ~~ 」
ディグラマス・ランシティブ
「 何を仰られますか。
遠路遥々タシルドレテクに逢いに来てくださった婚約者ではありませんか。
婚約者であるシュケルハン侯爵令嬢と逢えるのですから、タシルドレテクもさぞかし喜ぶでしょう 」
ベアリーチェ
「 タシィに驚いてもらえると訪ねた甲斐もありますわね~~ 」
ディグラマス・ランシティブ
「 シュケルハン侯爵令嬢の滞在中に使用して頂くお部屋を用意させて頂いております 」
ベアリーチェ
「 まぁ……御親切に有り難う御座いますわ~~。
滞在期間中は宿泊施設に宿泊しようと考えてましたの~~ 」
ディグラマス・ランシティブ
「 ……は?
宿泊施設に御滞在される──ですと? 」
ベアリーチェ
「 ランシティブ公爵様?
どうかなさいましたの~~? 」
ディグラマス・ランシティブ
「 例え他国の貴族であろうとも上位貴族が宿泊施設に滞在されるなどとんでもありません!
どうか、お止めください!!
既にチェクインをされておられるなら、此方でキャンセルさせて頂きます故、宿泊施設の名前をお教えください 」
ベアリーチェ
「 ランシティブ公爵様、落ち着いてくださいませ~~。
未だ宿泊施設には足を運んでいませんわ~~ 」
ディグラマス・ランシティブ
「 …………そうで御座いましたか。
それを聞いて安心致しました…。
前より治安が良くなったと言っても上位貴族が宿泊施設を利用するのは物騒なのです。
御気を付けください 」
ベアリーチェ
「 そうですのね~~。
気を付けますわ~~。
教えてくださって有り難う御座いますわ~~ 」
ディグラマス・ランシティブ
「 御夕食まで時間がありますので、是非とも自慢の庭園を見て回って頂きたいですな。
タシルドレテクがシュケルハン侯爵令嬢へ想い馳せながら作り上げた庭園で御座いますからな 」
ベアリーチェ
「 まぁ……ワタクシに想いを馳せながらですの~~。
嬉しいですわ~~。
時間の許す限り、お散歩させて頂きますわ~~ 」
ディグラマス・ランシティブ公爵との当たり障りない会話を終えると、控えていた侍女に滞在中お世話になる部屋へ案内してもらった。
──*──*──*── 滞在部屋
部屋に案内してくれた侍女には下がってもらったら、セフィーネが防犯魔法と防音魔法を掛けてくれた。
滞在部屋の中に盗聴関連や盗撮関連の魔法や魔道具の類いは仕掛けられていないみたいで安心した。
今回は専属執事のセフィロートではなくて、セフィの容姿は専属侍女のセフィーネとしてオレの身の回りの御世話や護衛をしてくれる。
専属侍女だからか動き易さを重視している事もあり、おぱぱい様は小振りで控え目となっている。
今回も人獣族ではなくて、人間の姿になっている。
≪ アブカニズダ帝国 ≫では亜人類は成人した貴族の愛人として扱われているから、未成年のオレが亜人類の使用人を連れていると大問題となって連行されて裁かれた後、鞭打ちの刑を受ける事になるらしい。
鯔のつまり、4年前にタシルドレテク・セロッタが人獣族のセフィロートを連れて≪ アブカニズダ帝国 ≫へ入国した場合には、10歳の未成年であるタシルドレテク・セロッタは連行されて裁かれた後に鞭打ちの刑を受けてから養子親の元へ送られる事になり、人獣族のセフィロートは貴族御用達の売買場へ連れて行かれて、競売に掛けられた後、落札されて他の貴族に買われていた事になるわけだ。
なんて恐ろしいんだ≪ アブカニズダ帝国 ≫って所は!!
そんな事もあって≪ アブカニズダ帝国 ≫では15歳を迎えて成人の義を終えてからでないと亜人類を傍に置く事が出来ないわけだ。
だから今回、セフィはオレと同じ人間族のセフィーネとして傍に居てくれるわけだ。
ベアリーチェ
「 ふぅ~~~。
久し振りにお嬢様すると疲れるぅ~~ 」
セフィ:セフィーネ
「 ベリィお嬢様、御行儀が悪いです 」
ベアリーチェ
「 は~~~い……。
中々センスの良い部屋だよな。
タシィの肖像画が飾られてるの以外は──だけど…… 」
セフィ:セフィーネ
「 ベリィは婚約者ですからね。
想い合って見えるように肖像画は妖精に用意させて飾らせました 」
ベアリーチェ
「 結構な美男子に描かれてるじゃん?
タシィは如何にもモテそうだから他の貴族令嬢からの縁談が舞い込んで来てるんじゃないのか?
たったの4年で準男爵位から伯爵位に迄のし上がって大大大出世を遂げた異例中の異例な令息なんだしさ 」
セフィ:セフィーネ
「 婚約者が居ると公言して断らせています。
しつこい令嬢には他の令息を紹介して縁談させてますよ 」
ベアリーチェ
「 えぇ~~其処迄してんの? 」
セフィ:セフィーネ
「 以前ベリィが教えてくれた前世の結婚式とやらを参考にして平民向けの事業として広めています。
意外にも貴族からの依頼も多く、事業としては順調に成功してます 」
ベアリーチェ
「 へぇ~~。
日本の洋式風結婚式が異世界に受け入れてもらえてるんだ? 」
セフィ:セフィーネ
「 結婚式も娯楽の1つとして平民に浸透しています 」
ベアリーチェ
「 結婚式かぁ~~。
見てみたいかも… 」
セフィ:セフィーネ
「 見てみたいモノがどんどん増えますね 」
ベアリーチェ
「 そうだな!
帝国歌劇だろ大道芸にサーカス,結婚式……。
買い物もしたいし、美味しい料理も食べに行きたいしな~~ 」
セフィ:セフィーネ
「 滞在中は退屈しないで済みますね 」
ベアリーチェ
「 うん。
退屈しないに越した事ないよ。
それにしても、セフィが傍に居るのにタシィに親しく接するなんて変な感じだよな~~ 」
セフィ:セフィーネ
「 ベリィの頑張りに掛かってますね 」
ベアリーチェ
「 そだな……。
ランシティブ公爵が言ってたけど、上位貴族が宿泊施設を利用するのって、そんなに物騒なのか? 」
セフィ:セフィーネ
「 常識のある貴族なら宿泊施設に宿泊はしないでしょうね。
帝国貴族は平民から嫌われてますからね。
襲われても自業自得として処理されますよ。
ワタシが居ますから返り討ちにして捕らえますけどね 」
ベアリーチェ
「 心強いよ、セフィ。
それじゃあ、ちゃっちゃと着替えて庭園の散歩に行こう! 」
セフィ:セフィーネ
「 支度致します、ベリィお嬢様 」
ドレスなんて久し振りに着るから、落ち着かないや。
≪ アブカニズダ帝国 ≫に滞在しながら観光を楽しんだら、≪ バルハロン王国 ≫に戻って成人の儀を受けないといけない。
今からドレス生活に慣れとかないとな……。
違和感なく自然に令嬢らしく振る舞えるようにもなってないと非常に拙い。
おしとやかなベアリーチェ・シュケルハン侯爵令嬢に戻らないとだ。
ファイトだ、おぉ~~~!




