✒ 【 ランシティブ公爵邸を目指して 】 フィールド / 馬車の中 2
馬車の中でバインダーに挟んだ白紙とにらめっこをしていると、馬車が停まったみたいだ。
もう到着したのかな?
ベアリーチェ
「 セフィ、ランシティブ公爵領地に着いたの? 」
セフィ
『 未だですよ 』
ベアリーチェ
「 未だなのに馬車が停まったのか?
何で? 」
セフィ
『 馬車が停止するような事でも起きたのでしょう 』
ベアリーチェ
「 何が起きたって言うんだ?
怪物にでも襲われた? 」
セフィ
『 ベリィは何も心配しなくて良いです。
正午前ですけど早目の昼食にしますか? 』
ベアリーチェ
「 今って何時? 」
セフィ
『 11時前ですよ 』
ベアリーチェ
「 昼食よりお菓子が食べたいかも… 」
セフィ
『 ジャムを練り込んだクッキーを食べますか? 』
ベアリーチェ
「 食べるぅ~~♪」
手に持っていたペンとバインダーをソファーの上に置いたら、セフィが出してくれたクッキーを受け取った。
クッキーを食べてる最中に再び馬車が動き出した。
セフィが淹れてくれた紅茶も飲んで、小腹が膨れたから再びペンとバインダーを手に持って、【 復刻勇者の冒険潭 】の続きを書き始めた。
ベアリーチェ
「 う~~~ん……。
やっぱりさ、最初は徒歩でも良いんだけど、雨風を防ぎながら移動の出来る馬車は欲しいよな…。
だけど……どうやって手に入れようかな? 」
ついつい考えている事が声に出ちゃうから困ったもんだ。
セフィ
『 悪さをする盗賊,山賊も馬車を使うのでしょう?
彼等の馬車を拝借すれば良いのでは? 』
ベアリーチェ
「 あっ……そっか。
その手があったか!
馬車って買うと高いけど、盗賊や山賊が使ってる馬車を貰っちゃえば良いんだ!
お宝と一緒にタダで手に入るじゃん!
セフィ、有り難う! 」
セフィ
『 どう致しまして。
ベリィの役に立てて嬉しいです 』
セフィからアドバイスを貰いながら【 復刻勇者の冒険潭 】を書いていく。
夢中になっているとグゥ~~~とオレの腹の虫が鳴いた。
セフィ
『 ベリィのお腹は正確ですね。
そろそろ正午になりますし、昼食にしましょう 』
ベアリーチェ
「 もう正午なんだ?
なんか『 あっ! 』と言う間だったな 」
セフィ
『 それだけベリィが執筆に集中していたのでしょう。
フィールドへ出て食べますか? 』
ベアリーチェ
「 良いの? 」
セフィ
『 結界を張りますし、妖精達も見張りますから大丈夫ですよ 』
ベアリーチェ
「 うん!
じゃあ、外で食べたい! 」
馬車が停まるとセフィが馬車の扉を開けてくれる。
結界が張られているのかオレにも分かるように地面から光が出ている。
ベアリーチェ
「 綺麗だなぁ…。
オーロラが地面から出てるみたいだ 」
セフィ
『 ベリィ、準備が済みましたよ。
昼食にしましょう 』
ベアリーチェ
「 は~~い♪」
馬車から少し離れた場所に妖精さん達がテーブルと椅子を設置してくれている。
テーブルの上はオサレにセッテイングされていて、花が生けられた花瓶も置かれている。
セフィが座り易いように椅子を後ろに引いてくれる。
椅子に腰を下ろしたら、妖精さんが料理を出してくれる。
先ずは野菜で作られた喉越しが良くてお腹に優しいポタージュスープだ。
妖精さんお手製のカリカリクルトンも入っていてパセリも振り掛けられている。
ポタージュスープを味わって食べ終えると、ベーグルサンドが出された。
ベーグルサンドには新鮮な野菜と味が染み込んだ美味な肉の薄切りが挟まっている。
幻のミルクで作られた特製チーズも挟まれている。
ベーグルサンドを頬張って食べ終えると、新鮮な海の幸をふんだんに使われた海鮮ピッツァが出された。
海鮮ピッツァも妖精さんの手作りで、本格的な窯焼きピッツァらしい。
海鮮ピッツァに舌鼓を打ちながら食べ終えると、ツルッと食べれるデザートの果物ゼリーが出される。
果物ゼリーを食べ終わると、セフィが締めの紅茶を淹れてくれた。
上品な花の香りの漂うフレーバーティーの1種、ブレンデッドティーだ。
何の花弁が紅茶葉に加え混ぜられているのか分からないけど、ホッと安心する香りと味がする。
お日様の下で紅茶を飲んで一息吐いたら、後片付けを妖精さん達に任せて馬車の中へ戻った。
セフィが馬車の扉を閉めると馬車はランシティブ公爵領地へ向けて再び走り出した。
──*──*──*── 14時頃
──*──*──*── ランシティブ公爵領地
約14時頃、馬車はランシティブ公爵領地へ入ったみたいだ。
ランシティブ公爵領地に入ったからと言って馬車が停まる事はなかった。
約2時間程したら目的地のランシティブ公爵邸に到着するらしい。
本来なら≪ 帝都 ≫からランシティブ公爵領地へは馬車を全速力で飛ばしても2日は掛かる距離らしい。
その距離を約8時間で走ってしまうんだから、妖精さんが入ってる馬車馬は凄い!!
モノレールや新幹線の早さには敵わないだろうけど、早いと思う!
オレは景色を見るよりも【 復刻勇者の冒険潭 】の続きを書く事にした。
──*──*──*── 16時頃
ランシティブ公爵邸に到着したのか馬車が停まった。
セフィ
『 ベリィ、到着しましたよ。
ワタシは侍女に姿を変えます。
馬車から出たら、ランシティブ公爵へ挨拶をしてください 』
ベアリーチェ
「 分かったよ。
緊張して来たぁ~~~。
ちゃんと挨拶出来るかな… 」
セフィ
『 大丈夫ですよ。
ワタシは傍に居ます。
ベリィなら、きちんと初めての挨拶が出来ます。
自信を持って胸を張ってください 』
ベアリーチェ
「 セフィ……。
有り難う(////)
頑張ってみるよ!」
実体化したセフィの姿が侍女に変わる。
セフィが馬車の扉を開けてくれたから、オレは侯爵令嬢らしく上品に馬車から降りた。




