♥ 応接室 3
お母様:レナフォード
「 本当にね 」
ベアリーチェ
「 お父様,お母様〜〜、どうしてツァイベルお兄様は学院がお休みになっても帰省してくれませんの〜〜? 」
お父様:ディアスト
「 ツァイベルは第3王子殿下の友人の1人でな、何かと忙しいらしい。
学院では生徒会役員をしているそうだ。
王子殿下の補佐役と言った所だろう。
1年に1度ぐらいは帰省してくれても良いとは思うんだがな…。
頼りにされ過ぎるのも問題だな 」
お母様:レナフォード
「 依存されてなければ良いのだけど…。
手紙のやり取りは許されているから、ベアリーチェもツァイベルに手紙を書いてみてはどう? 」
お父様:ディアスト
「 おぉ、それはいいな。
ベアリーチェ、手紙を書けたら持って来なさい。
一緒に転送しよう 」
ベアリーチェ
「 お父様,お母様〜〜、有り難う御座いますわ〜〜。
ツァイベルお兄様の誕生月は何月ですの〜〜? 」
お母様:レナフォード
「 ツァイベルは11月よ 」
ベアリーチェ
「 11月…ですの〜〜。
誕生花で栞は作れませんわ〜〜 」
お母様:レナフォード
「 あらあら。
花の栞とは可愛い贈り物ね。
ベアリーチェには未だ早いかしら?
ツァイベルの誕生色のリボンに瞳の色の糸で、誕生花の刺繍をしてみてはどうかしら?
リボンと糸なら用意出来るわよ 」
お母様……いきなりハードル上げて来たな。
ほっそいリボンに細かい刺繍なんて、10歳の子供に出来るかよ!!
然も、リボンって長いじゃんかよ!
ベアリーチェ
「 ツァイベルお兄様の瞳と同じ色のハンカチに誕生色の糸で、誕生花を刺繍してみますわ〜〜 」
お母様:レナフォード
「 あらあら。
それも素敵な贈り物ね。
きっとツァイベルも喜んでくれるわ 」
お父様:ディアスト
「 “ 親愛なるツァイベルお兄様 ” と刺繍で入れるともっと喜ぶぞ! 」
お母様:レナフォード
「 それは良いわね(////)
ツァイベルもベアリーチェに会いたがっているものね。
ベアリーチェ、どうかしら? 」
ベアリーチェ
「 ワタクシの誕生花の刺繍と一緒に付け加えますわ〜〜 」
何か、こういう話を家族でするのって良いもんだな。
1度も会った事のない長男のツァイベルお兄様か…。
喜んでもらえるといいな(////)
──っと、王子殿下の話をするつもりだったのに、魔物とかお兄様の話をしちゃったよ!
オレは王子殿下の事を何も知らないんだ。
少しでも王子殿下の事を知っておいた方が良いよな。
気を取り直して、お父様とお母様に教えてもらわないとだ。
ベアリーチェ
「 お父様,お母様〜〜、ワタクシにライエムント王子殿下の事を教えてください〜〜 」
かなり雑談が過ぎて、話が脱線したけど、お父様とお母様へ思い切って本題を切り出した。
セフィ:セフィロート
「 ──旦那様,奥様、王子殿下をお出迎えするのでしたら、そろそろ1階へ降りられた方が宜しいかと 」
お父様:ディアスト
「 おぉ、そうかね。
もうそんな時間か… 」
お母様:レナフォード
「 教えてくれて有り難う、セフィロート。
貴方、行きましょう 」
お父様:ディアスト
「 そうだな。
ベアリーチェも来るか? 」
ベアリーチェ
「 行きますわ〜〜 」
ソファーから腰を浮かせて立ち上がったオレは、お父様,お母様と一緒に王子殿下をお出迎えする為、応接室から出た。
◎ 訂正しました。
ライムエント ─→ ライエムント