♥ 【 第1回 王子殿下、暗殺会議 】 ベアリーチェの自室 5
よーし、現役バリバリの悪役令嬢探しは、妖精さんに任せるとしてだ、オレは高笑いの練習でもするかな?
オレは寝間着のまま姿見の前に立つと、左手を腰に当て、右手の甲を左頬へ当てた。
そんでもって、大きく息を吸い込んでから、姿見の前で胸を張って、「 おぉ〜〜〜ほっほっほっほっほっ!! 」と高笑いをしてみた。
……………なんか違うんだよなぁ…。
覇気が足りないのかな??
悪女の覇気って、どんなのだよ〜〜〜〜!!
兎に角、オレは時間の許す限り、姿見の前で高笑いの練習を続けた。
あんまり根気詰めてすると声が枯れる恐れがあるから、程々にしとく。
今夜はこれぐらいにしとくかな。
セフィが用意してくれた紅茶を飲んで喉を潤すのを忘れちゃいけない。
お手本の悪役令嬢が見付かる迄には何とか高笑いをモノにしておきたい。
クルチェもクレルもパムも高笑いとかしなさそうだもんなぁ…。
──ふぁわぁぁぁ〜〜〜〜〜………眠ぅ……。
そろそろ寝るか…。
「 んーーーー 」っと両手を挙げて、背筋と両脚を伸ばして、思いっきり背伸びをしたオレは、ふかふかベッドの上にダイブした。
デカいベッドって最っ高だ(////)
前世ではシングルベッドで狭かったからなぁ…。
然も、貰い物のお古だったから、ギッシギシ音がしてたし。
丈夫で、立派で、寝心地の良いダブルベッドは最高だ。
毎日とはいかないけど、お日様の匂いのする暖かいベッドで寝れるんだから、幸せだよな〜〜(////)
ふへへ(////)
ベアリーチェ
「 ──セフィ、おやすみ〜〜。
また明日な! 」
セフィ
『 お休みなさい。
ワタシのベリィ。
良い夢を見てください 』
ベアリーチェ
「 ──なぁ、セフィ。
実体化して一緒に寝ようよ 」
セフィ
『 精霊と妖精は “ 寝ない ” と教えた筈です 』
ベアリーチェ
「 そうだけどさ…。
偶にはいいだろ?
セフィは精霊だからさ、実体化しても全然嫌じゃないんだ。
触れるし、抱き付けるしさ。
性別がないからかな? 」
セフィ
『 前世が犬だったからではないです?
ベリィさえ良ければ、犬の姿になります 』
ベアリーチェ
「 ──えっ?!
セフィ、犬になれるのか?
マジかよ!
抱っこしたい!!
セフィ、犬になってよ!!
カムカム♪ 」
セフィ
『 ふふふ… 』
期待の眼差しでセフィを見るオレに、セフィが微笑んでくれる。
オレが「 あっ! 」と言う間もなく、人型だったセフィの容姿が犬に変わった。
オレの目の前には真っ白い犬が居る。
犬…だよな??
犬の種類は分からないけど──、ポメラニアンに似てるような気がするし、スピッツにも似てるような気がするし、サモエドにも似てるような気がするし、チワワにも似てるような気がする。
兎に角、無条件でギュッとしたくなるような、愛くるしくて可愛い真っ白い犬だ。
ベアリーチェ
「 …………セフィ…だよな? 」
セフィ:犬
「 ワタシ以外に居ます? 」
ベアリーチェ
「 喋っ──、喋っ──、喋っ──、喋った!? 」
セフィ:犬
「 当たり前です。
姿を変えただけですし、今まで通り話せます 」
ベアリーチェ
「 抱っこ!
抱っこしたい!!
ギュッてハグしたいっ!! 」
セフィ:犬
「 どうぞ。
気の済むまで好きなだけハグして、堪能してください 」
ベアリーチェ
「 うん(////)」
オレはセフィの言葉に甘える事にして、犬化してくれたセフィを抱き寄せた。
肌触りの良い毛並みが、フワッフワッ,モフッモフッしてるぅぅぅうううう(////)
ベアリーチェ
「 セフィ〜〜〜〜♥
執事を止めてさぁ、このままの姿で居座らないか? 」
セフィ:犬
「 お断りします。
犬の姿ではベリィを守護れません。
犬の姿になるのは夜だけにします 」
ベアリーチェ
「 マジかよ〜〜〜。
う〜ん……でも、仕方無いか…。
セフィには守護ってもらいたいしなぁ… 」
セフィ:犬
「 それなら逸その事、執事を人獣族にします? 」
ベアリーチェ
「 人獣族?
セフィは人獣族にも姿を変えれるのかよ?! 」
セフィ:犬
「 精霊ですし。
人獣族の執事なら、人前で獣化しても怪しまれません 」
ベアリーチェ
「 うん!
それ、採用!!
人獣族の執事に決定な!
楽しみだなぁ〜〜(////)」
オレはセフィを抱いたまま寝る事にした。
セフィは嫌がるどころか、オレが寝易いように、スリスリしてくれる。
可愛いぃ〜〜(////)
癒しぃ〜〜〜(////)
今夜は何時もより、ぐっすりと眠れそうだ。
オレは毎晩、ぐっすり眠れてるけどな!
セフィのフワッフワッ,モフッモフッする毛並みに顔を埋めたオレは、両目の瞼を閉じて眠りに就いた。