♥ 応接室
──*──*──*── 2階・応接室
オレは今、お父様,お母様に呼ばれて、応接室に来ている。
何の用で呼ばれたかと言うと、昨日開かれたオレの誕生日パーティーで、男嫌いなオレとダンスを踊ってくれた絶世の美少年タシィルドレテク・セロッタの専属執事をしていた超絶万能執事が、タシィルドレテク・セロッタの紹介状を持って、シュケルハン家へやって来たからだ。
因みに絶世の美少年タシィルドレテク・セロッタは、男嫌いでダンスを上手く踊れないオレの為に、態々実体化してくれたオレのセフィだったりする。
タシィルドレテク・セロッタの専属執事とは初対面なわけだ。
人獣族の執事にする──って、セフィが言ってくれたけど、どんな容姿なのかは完全にセフィ任せだ。
お父様:ディアスト
「 ベアリーチェ、お前の専属執事が来てくれたぞ。
セフィロート、末娘のベアリーチェだ。
今日から君が仕える主だ。
愛娘を頼むよ 」
セフィ:セフィロート
「 畏まりました、旦那様。
初めまして、ベアリーチェお嬢様。
本日付けで、お嬢様の専属執事をさせていただきます執事のセフィロート・ビッケブランと申します。
ワタシの事は “ セフィ ” とお呼びください、ベアリーチェお嬢様 」
滑らかで文句なしの完璧な身のこなし方で、恭しくオレに頭を下げてくれるセフィロート・ビッケブラン── もといオレのセフィ ──は、完璧な執事を演じている。
わぁお、美っ声ぇ~~~~(////)
声を聞くだけで骨が砕けちゃいそうな程の美っ声ぇ~~~~(////)
オレの心が男じゃなかったら、ヤバかっ!!
着ている衣服を脱ぎ捨てて抱き付いちゃいそうだ!!
美声、恐るべしっ!!
タシィルドレテク・セロッタの容姿も絶世の美少年だったけど、セフィロート・ビッケブランも相当な絶世の美麗人だ。
整った体型のスラッとした長身で、艶やかな白銀色の腰まで伸びた長い髪。
綺麗な紫色の瞳の中にオレが映っている。
執事姿──燕尾服も似合うな。
完璧に着こなしてるよ…。
頭の左右には人獣族の証しでもある大きな真っ白い獣耳が生えていて、ピンッと立っている。
勿の論、フサフサでモフモフしてる真っ白い尻尾も生えている。
これが人獣族なのか……。
ファンタジーだなっ!!
精霊も十分過ぎるぐらいファンタジーだけど。
無駄にテンション上がるぅ~~~~(////)
ベアリーチェ
「 ──初めまして、ですわ〜〜。
ベアリーチェ・シュケルハンですわ〜〜。
今日から宜しくお願いしますわ〜〜。
ワタクシの事は “ ベリィ ” と呼んでほしいですわ〜〜 」
セフィ:セフィロート
「 畏まりました。
ベリィお嬢様 」
ベアリーチェ
「 セフィの種族はワンコ族ですの〜〜? 」
お父様:ディアスト
「 こら、ベアリーチェ。
ワンコとは失礼だろう!
娘が失礼な事を言って済まない… 」
セフィ:セフィロート
「 いえ、お気になさらずに。
ベリィお嬢様には、これから亜人類の事も学んでいただきますので── 」
お父様:ディアスト
「 そ、そうか…。
宜しく頼む。
ベアリーチェ、セフィロートは白狼族の青年だ 」
ベアリーチェ
「 白狼族…ですの〜〜? 」
お父様:ディアスト
「 白狼族は寒い地方に生息している種族だ。
遥か昔に絶滅してしまった白狼フェンリルの子孫の末裔だと言われている。
とても珍しくて稀少な種族だぞ。
白狼フェンリルは、美しい毛皮を目当てにした人間から乱獲されていたと言い伝えられている。
白狼族が人間社会で暮らす事は稀なんだ。
これからセフィロートには “ 人狼族 ” としてシュケルハン家で働いてもらう事になる 」
ベアリーチェ
「 種族偽装は犯罪ではありませんの〜〜? 」
お父様:ディアスト
「 ベアリーチェ!?
一体何処でそんな物騒な言葉を覚えたんだ?
正当な種族偽装は犯罪にはならない。
稀少な種族を守る事になるからだ。
白狼族の場合は、種族を偽装しないと心ない乱獲者達の対象になるんだ。
使用人を守る為に、雇う側の義務として種族偽装をするんだ 」
ベアリーチェ
「 そうですのね〜〜 」
お父様:ディアスト
「 ベアリーチェ、お前も人前でセフィロートが白狼族だと言わないように気を付けなさい。
セフィロートは人狼族の執事だ。
いいな? 」
ベアリーチェ
「 分かりましたわ〜〜。
気を付けますわ〜〜 」
抑だ、セフィは白狼族なんかじゃなくて、精霊だからな〜〜。
言うわけないよ!
お父様:ディアスト
「 セフィロートはベアリーチェの専属執事兼護衛だからな、セフィロートの部屋はベアリーチェの部屋の右隣に用意させた。
室内にあるドアも開くようにしておいた。
何か起きた時には直ぐにセフィロートの部屋に逃げ込めるからな 」
ベアリーチェ
「 お父様〜〜、有り難う御座いますわ〜〜 」
お父様:ディアスト
「 セフィロートの荷物は部屋に運ばせておいた。
部屋に戻り次第、ベアリーチェの専属執事として尽力するように。
全身全霊,心血注ぎ、誠心誠意,真心を込めてベアリーチェに仕えてくれ 」
ベアリーチェ
「 お父様〜〜、言い過ぎですわ〜〜 」
お父様:ディアスト
「 言い過ぎではない。
シュケルハン侯爵家の執事なのだから、それぐらいの心意気で挑んでもらいたいのだ。
可愛い愛娘の命を預けるんだ。
これぐらいでなければな! 」
セフィ:セフィロート
「 旦那様のご期待に添えるよう、精一杯ベリィお嬢様にお仕えさせていただきます 」
お父様:ディアスト
「 任せたぞ、セフィロート 」
こうして、オレとセフィロート・ビッケブランとの顔見せ,紹介は終わった。
オレとセフィは応接室から出ると、寄り道せずにオレの部屋へ向かった。




