⭕ 【 第1回 王子殿下、暗殺会議 】 ベアリーチェの自室 1 / 演技って疲れるね
──*──*──*── 2階・ベリアーチェの自室
応接室から戻って来たオレは、ドルシーに手伝ってもらってドレスを脱いだ。
寝間着に着替えたオレは、ドルシーには先に休んでもらう事にして、早々に部屋を出てもらった。
ドルシーが出た後は、部屋のドアに鍵を掛けて、誰も入って来れないようにした。
オレだけになった室内で、オレはベッドの上にダイブした。
オレがベッドの上で両足をバタバタと動かして寛いでいる間、セフィと妖精さんがパーティーで出された御馳走とデザートをテーブルの上に並べてくれている。
セフィはテーブルコーディネーターも吃驚するぐらい、テーブルセッティングが上手い。
テーブルセッティングとテーブルコーディネートって何が違うのか良く分からないけど、セフィはどっちも出来るみたいだ。
“ 前世が犬だった ” なんて、嘘じゃないのか──って疑っちゃうぞ?
セフィ
『 ベリィ、準備が出来ました。
どうぞ 』
ベアリーチェ
「 ──有り難な、セフィ!
妖精さんも有り難な!
──うわぁ……何れも美味そうだなぁ〜〜!!
何れから食べたらいいか迷っちゃうなぁ〜〜〜。
ふへへ(////)」
セフィ
『 ふふふ。
今のベリィを見たら、ドルシーは間違いなく気を失いますね 』
ベアリーチェ
「 だろうな。
全くさぁ、お嬢様の演技は疲れるよ!
ストレス溜まるぅ〜〜〜。
その内、10円ハゲとか出来たりしないだろうな〜〜 」
セフィ
『 ふふっ(////)
それは…面白いですね 』
ベアリーチェ
「 笑い事じゃないってーーーの!!
可憐で可愛い少女の頭に10円ハゲが出来たりしたら、お父様もお母様も絶叫しちゃうかもな 」
セフィ
『 有り得ますね 』
オレが思念じゃなくて、声を出して素の口調で話が出来るのは、セフィが室内に防音魔法を掛けてくれているからだ。
大声を出して素で話しても、部屋の外にオレの声が漏れる事はない。
だから、オレは安心して前世の口調でセフィと話が出来るってわけだ。
これが出来ないと、息が詰まってオレが窒息死しちゃいそうだからな。
素で話せるのって、素晴らしいよ!!
オレは長らくお預けをくらっていた御馳走を食べ始めた。
ベアリーチェ
「 ──うっま〜〜〜〜〜♥
出来立ての御馳走って、めっちゃ美味いのな!!
冷めてる御馳走なんて美味くないもんなぁ。
ふへへ(////)」
オレはテーブルに並べられている御馳走をバクバクと口に入れて平らげていく。
腹が空いてるから幾らでも食べれる気がする。
盛り付けられている料理が少量ずつだから、食べた気にならないんだよなぁ〜〜。
デザートも美味い!
デザートは冷めてるのが当たり前だけど、全種類が5人前ずつ確保されてるから、数日は日替わりで楽しめるな。
また食べたいリストも作って、料理長に渡さないとだ!
ベアリーチェ
「 ──ふぅ〜〜〜〜。
食べた食べた〜〜〜!
もう満腹だよ〜〜。
セフィ、有り難な。
後片付け、宜しく! 」
セフィ
『 ワタシのベリィ、ソファーで一休みします? 』
ベアリーチェ
「 そうだな。
美味い紅茶を飲みながら寛ぎたいな! 」
セフィ
『 直ぐに紅茶の用意をします 』
ベアリーチェ
「 うん、頼むよ 」
腹一杯になったオレはソファーにドカッと座ると寝転がった。
こんな令嬢らしさの欠片も感じないようなだらしない座り方をして、だらしなく寛いでる様子をドルシーにはガチで見せられないな。
出来る事なら男に生まれ変わりたかったよなぁ〜〜〜。
オレはソファーの上で八つ当たりをするみたいに両足をバタバタさせた。
テーブルの上に置かれているティーカップの取っ手を持ったオレは、セフィが淹れてくれた紅茶を飲む。
身体の中からじんわりと温まって来る感じがする。
ホッとするなぁ……(////)
精霊なのに美味い紅茶を淹れれるって、どゆことだよ!
本当に前世は “ 犬 ” だったのかぁ??
益々怪しくなって来たな……。
ベアリーチェ
「 ──セフィ、王位継承権第5位のライエムント王子殿下だっけ?
そいつとの婚約を何とか破棄したいんだけど、どうしたらいいかな?
男と結婚なんかしたくないし、王妃にもなりたくないんだけど!
全力で破棄出来ないかな? 」
セフィ
『 立場上、大人の事情により此方からライエムントからの婚約を破棄する事は出来ません 』
ベアリーチェ
「 やっぱ…無理っぽいのか? 」
セフィ
『 いいえ。
無理ではないです。
此方から婚約破棄が出来ないならば、彼方から婚約破棄をさせれば良いです 』
ベアリーチェ
「 彼方から──。
職権乱用して無理矢理に婚約を申し込んで来やがったオラオラ王子殿下から破棄させる──って事かよ?
そんな事が出来るのかよ? 」
セフィ
『 ベリィのやる気,努力,根気,頑張り,継続,持続,粘り強さ次第です。
ベリィが諦めたら、ライエムントから婚約を破棄させる事は出来ません 』
ベアリーチェ
「 マジか〜〜〜。
オレ次第なのかよ…。
責任重大だな〜〜〜。
“ 王子殿下から婚約破棄をさせる ” って目的を実現させる為には、オレは何をしたらいいんだ? 」
セフィ
『 好きの反対は無関心です。
ライエムントを無視し続けてはどうです? 』
ベアリーチェ
「 無視か…。
…………流石に無視は失礼過ぎるんじゃないかな?
王子殿下だしなぁ… 」
セフィ
『 そうです?
無視は出来ません? 』
ベアリーチェ
「 貴族令嬢っぽくないかもな… 」
セフィ
『 ライエムントに呆れさせる手もあります 』
ベアリーチェ
「 呆れさせる? 」
セフィ
『 婚約を続ける価値のない令嬢だと思わせるのです。
ライエムントの前であらゆる失敗を立て続けに起こし、ライエムントに恥を掻かせ、失望させます 」
ベアリーチェ
「 あらゆる失敗を故意にする──って事か?
…………オレに出来るかな?
なんか激しく嫌なんだけど…… 」
セフィ
『 そうです? 』
ベアリーチェ
「 だってさぁ、常に失敗しないといけないんだろ?
面倒だよ… 」




