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真っ赤な真っ赤なお肉は滴るレア、お肉をお口にいれてあなたは私に何を問う?

 真っ赤なそれは滴るレア。


 お肉を口に入れて、吐き出したあなた、愛しいあなたはどうなるの?


「ひと……殺し!」


 人を殺すのはいけないことだと神は言った。しかし人を殺した事など『私』はありませんわ。


 にこやかに私は殿下に笑いかけました。


 殿下はいつもいつもいつも私の想いを無視しました。

 愛しているという言葉を無視し、そして私の愛を否定してしました。


 ええ、一度、私たちの想いは通じ合ったのに……。


 ならあなたが大好きなお肉をご用意した私はひと殺しとやらなのでしょうかね?


「ほら、どうぞ」


 私は愛しい殿下の口にお肉を差し出します。相変わらず嫌がる殿下。


 名前はもう呼びません。

 だって私が愛しいあなたはもう死んだのですもの。

 ここにいるのはもう抜けがらにすぎません。


 世界は残酷です。


 真実愛するものがいる。お前なんてもう愛していない!


 婚約者であるあなたの口から語られて、愛し合った私たちのすべてを否定された私。


 私の絶望と悲しみをあなたは知りますまい。


「あははははは! うふふふふふふふふふ、おいしいですか? おいしいですか? あなたが愛したものはおいしいですか?」


 愛したものは多分おいしいと思いますわ。

 だって愛したものを食すのは究極の愛ですもの。


「愛した……もの?」


「あなたの世界で一番ですわ。以前そうおっしゃられてましたわよね?」


「アリス…アリス…アリス…アリス!」


 不思議の国に迷い込んだ少女、しかしその少女の行方は永遠に知れず、水晶玉が映し出すのはアリスの不義ばかり。


 私はレイモンド様と二人同衾する二人の画像を見せながら、愛しい殿下の髪を掬い上げました。


 うふふふふふふふ、愛しいあなた、優しいあなた、いえ、以前はそうだったあなた。



「おま……え」


「あら、気が付きましたの? これさえあればあなたはもういらない子になりますの」


 クスクスと私は笑いました。

 笑う以外はもうできない。くるってしまっているのですもの私。


 悪役令嬢フェリーシカ、王太子をどこへやった?

 悪役令嬢、悪役令嬢、悪役令嬢、王太子の愛しいアリスをどこへ消した?


 貴族たちがうわさする。


 貴族たちがまき散らすのは流言?


 いえいえいえいえ違います。


 これは真実。


 陛下がさて、と微笑み貴族たちをけむに巻いてはいますがね、さあ、さあ、さあどうなりますか。


でもこれさえあればあなたはもう必要ありませんもの。


 いらない子なのですわ。あなたは。

長期入院していまして、更新が遅れてしまいすみません。

ようやく退院いたしました。

定期更新を再開します。どうぞよろしければ☆に色塗り、ブクマなど宜しくお願いします。

感想、できればお優しいものでお願いします。割ときつい感想が続き、スランプで書けない時期が続きまして(贅沢言ってすみません)お優しい感想やメールも多数いただいてましたが…リハビリで手慰みで書いたものも多数あり投稿しましたが、やっぱりフェリカたんが気になって気になって…。


完結にむけて頑張ります!


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