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異能の目を持つので魔王に嫁ぎました  作者: りすこ
こぼれてしまった話

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ハエの王様──人生最良の日

匿名のファンアートをもらったときに書いたハエの王様視点の話を加筆、修正したものです。


時系列は本編後に書いた余聞の魔王視点の途中の出来事。アッシャーが魔王の森に行った後の話になります。

「アッシャー、君にお願いがあるんだ」

「なんでしょうか?」


 アッシャーとキールさんが魔王様の森に招待されるという話を聞いて、私はあるお願いを彼にした。


「私のモンスター姿をラナさんに聞いてきてほしい」


 笑顔で告げると、彼はとても驚いていた。


「……モンスターの姿をですか?」

「うん。そうだよ」


 アッシャーは首をひねって肩を強ばらせた。困ったように下がった眉を見て、私は軽い口調でいう。


「君が妖精で、キールさんは悪魔。グランはオークという豚頭の生き物なんだろ? だから、私は何かと思っただけだよ」


 自分のモンスター姿を想像してみたが、さっぱり分からなかった。ほんの一瞬。兄上のモンスター姿が脳裏を掠めたが、兄上と私は性格がまるで違うから、あの姿ではないと思う。


 とっても怠け者な王様だったから、アメーバーとか変な生き物かもしれない。

 想像したら笑いが込み上げる。喉がくつくつ鳴ってしまい、アッシャーは訝しげな顔をした。

 口元に手をおいて笑顔を噛み砕く。


「純粋な興味だよ。どんな姿でも構わないから聞いてきてほしい」


 怒りはしないからと念を込めて言ったが、アッシャーは気のない返事をした。




 後日。彼は私の願いをきいてくれ、緊張した顔で部屋に来てくれた。


 私は話を聞くのを楽しみにしていたのでニコニコと上機嫌だったが、アッシャーは所在なさげに視線をさ迷わせていた。とっても言いにくそうだ。


 だからといって、黙って帰すことは絶対にしたくないので、遠慮なく尋ねる。


「ラナさんに私のモンスター姿を聞いてきてくれたんだろう? その様子だと、変な姿だったのかな?」


 黙ってしまったアッシャーにほほえみかけた。笑顔だが言わざるをえない状況に追い込む。こういう笑顔は得意だ。


「ただの興味だから言って。どんな姿でも憤慨したり、君を責めたりしないから」


 小さい子供を諭すように言うと、アッシャーは渋々と声を出した。


「ハエ……だそうです」


 その一言にひゅっと息を飲む。私が目を見開いて驚いていると、アッシャーが早口でまくし立てた。


「あのっ! でも! 陛下は陛下ですし! 今は陛下ではないですけど!! あぁ、いや、えっと!その!!」


 慌てるアッシャーを見つめながら、不意に目の奥が熱くなった。

 ふくよかになった手の爪に、あの痛みを感じる。


 一人、土をかきむしり、兄を思って泣いたあの日のことが鮮明に蘇る。


 兄のモンスター姿──蛾の姿を無意識に思い出してしまっていた。


 心臓が早鐘をうち、苦しくなる。


 この痛みはなんだろう。


 あのときの無力感だろうか。


 …………。


 …………いや。


 違う。これはそういう種類の痛みじゃない。


 きっと、私は嬉しいんだ。


 兄に似た自分の姿が。



 兄の代わりを勤められた自分が、同じ虫であったことが──こんなにも嬉しい。



 目を閉じると涙がこぼれそうだったから、それを微笑みで誤魔化した。


「聞いてくれてありがとう、アッシャー」


 アッシャーは変な顔をしたが、私は心からの感謝を口にした。



 一つ、大きく息を吐いて魔王様の様子を聞く。彼から聞いたのは魔王様に子供ができたこと、名前を変えたこと、そして彼が長くは生きられないという事実だった。


「そう……魔王様は長くは生きていられないんだね……」


 せっかく子供にも恵まれ、彼の人生はこれからだというのに。

 この世界の神は残酷なことをする。

 暗く思考が沈んでいると、アッシャーが声をだした。


「魔王様……いえ、ハーツさんはそれでも幸せそうでした!」


 力強く言われたことに、はっとした。顔をあげると、アッシャーが真っ直ぐに私を見ていた。

 過去の痛みを全て飲み干して、それでも前に進もうとしている人の目だ。


「ハーツさんにラナさんたちを見守ってほしいとお願いをされました。だから、僕は……っ」


 アッシャーは手に握り拳を作る。


「僕は彼らが作っている幸せを守りたいと思ったんです。彼らが幸せだと思うなら、これからも幸せは続きます。絶対、絶対、続きます! 僕は友人として、彼らの作る幸せを守りたい!」


 目尻に涙をためて、アッシャーは言いきった。乱暴に目元を手の甲で拭う。別れがあってもうつむかないと、自分に言いきかせているようだった。


 彼の真っ直ぐな気持ちは私の胸に届いた。


「そうだね……彼らが幸せだと思うなら、幸せだね。幸せになってくれた彼らが私は誇らしいよ」


 同調すると、アッシャーは真っ赤な目を細くして、くしゃっと顔をほころばせた。





 アッシャーが帰った後、私は兄が眠る木の元に行った。木々の隙間から見える陽光が眩しい。風に揺れる葉の音は、私に今までのことを思い出させた。


 私は土の上に膝をつき、兄が眠る地面をじっと見つめた。口元がかすかな笑みを作る。


「兄上……私はハエなんですって……」


 兄が埋まった地面をなでていく。指を立てたら、爪に土が入った。


「魔王様……ハーツ様も含めて、この国は幸せになる道を歩みだしています。私は愚かな王様になれました……兄上の代わりに……なれたと思って……いいですよね……?」


 唇が震えだした。

 頬に一筋の涙が伝う。


 この涙の意味はなんだろう。


 兄が生きていないことの後悔だろうか。

 愚かな王様になるために、子供を作る選択肢を持てなかったことへの懺悔だろうか。

 ハーツ様が長くないことへの慟哭だろうか。


 それとも、彼が幸せになってくれた事実に安堵しているのか。


 私はアッシャーみたいに強くはないから、感情を涙で流さないと前に進めない。


 爪に土が食い込む。

 汚れた手に痛みは走らなかった。



「ミュー」


 不意に声をかけられ顔をゆるゆると上げる。ヘレナが立っていた。茫然としていると、ヘレナは穏やかに微笑みながら近づいて、私と同じように地面に膝をついた。

 私の頬を両手で挟んでくれる。


「どうしたのですか? 泣き虫ミュー」


 涙の筋に唇を寄せられる。そうしてやっと、私の涙はとまった。


「アッシャーさんが慌てていましたよ。あなたのモンスター姿にショックを受けていないか心配だって」


 ヘレナは目を細くする。私は口の両端を穏やかに持ち上げた。


「ショックなんか受けていないよ。むしろ嬉しかった」


 そう言うと、ヘレナは無邪気な笑顔を見せる。


「あなたがハエだったら、わたしは何かしらね? 聞いてみたいけど、ラナさんに会ったことがないから無理よね」


 ヘレナの言葉に私は正直、驚いた。まるで会いたいといっているような口ぶりだ。


 私は彼女を見つめ、神妙な顔をする。


「……会いたいのかい?」

「えぇ。もちろん」


 迷いのない澄んだ声だった。


「ラナ様たちには子供ができたそうだよ……それでも会いに行きたいのかい?」

「えぇ、もちろん。二人の赤ちゃんなら可愛いでしょうね」


 太陽のようにほほえむ彼女。そこには私との子供が欲しかったと泣いていた面影はない。


 まいった。

 本当に彼女にはかなわない。


 彼女はアッシャーと同じ。

 前に進める人だったな……


 彼女のことを気遣って、ハーツ様と会うことを避けていた私の方が愚かだった。


 彼女が進むなら、私も前に踏み出すしかない。

 私は彼女に笑いかけた。


「……会いに行ってみようか」

「え……?」


 私は腰を持ち上げた。そして、地面に膝をついたままの彼女に手を差しのべる。彼女は自然と手を出して、私に答えてくれた。


 ヘレナを立たせると、目線を合わせる。


「彼らとの垣根はなくなった。もう、会いにいけるはずだよ」


 そう言うと、ヘレナは少女のように微笑んだ。



 それからハーツ様の森に行く日までの間は、冒険に出かけるようなワクワクした気持ちだった。


 グランに一応、報告をしたが、彼は大慌てで「護衛をつけます!」と叫んでいた。だから、笑顔で一刀両断した。


「ヘレナと二人で旅をしたい。無粋な真似を君ならしないよね? ついでに国内を放浪してくるから後は任せたよ」


 グランは何か叫んでいたが、全て無視した。

 変わったこの国をヘレナと一緒に見れるなんて、もう二度とないだろう。

 グランには悪いが、私たちは遠慮なく旅立った。





 数日かけて、ハーツ様の住む森にやってきた。森は想像以上に深くて驚いた。


 森の近くには二軒の家が建っていて、一軒は作りかけのようだ。しげしげと眺めていると、扉が急に開いて、中から女性が飛び出してきた。


「王様ですね! そちらは、もしかして王妃様!? はじめまして、わたし、ラナちゃんとハーツちゃんのお母さんで、ホープちゃんのおばあちゃんのチアです! フォルト! フォルトおおお!! 王様たちきたわよおおお!!」


 大きな声でまくしたてる女性にポカンとしていると、中から壮年の男性がでてきた。

 目が合うと優しげな笑みを浮かべて頭を下げる。


「はじめまして、私はラナたちの父親です。ラナとハーツくんを呼んできますから、少し待っててもらえますか?」


 もう一度、深く頭を下げて彼は森の中に入ってしまった。

 彼が森に入っていくとき、猫耳をつけた女性の像が見えた。


 チアさんにすすめられて、外に置いてあった椅子に腰かける。しばらく待っていると、憮然とした声が聞こえてきた。


「おい、ラナ! 走るな!」

「走ってませんよ! 早歩きです!」

「ホープを落とすだろう!」

「マッハで歩くとホープはよく寝てくれるので大丈夫です!!」


 声が近づいてきて、心臓が高鳴った。思わず立ち上がって森の入り口を見る。


 息を切らせながらやってきたのは、ふにゃふにゃの赤ちゃんを抱えたラナさんだった。

 私たちを見ると満面の笑顔になる。


「王様! 王妃様! 私たちの家にようこそ!」


 元気な声が響いて、早歩きでラナさんが近づく。その後すぐ純白の髪色の青年がでてきた。

 舌打ちをしそうな顔だったのが、私を見ると足を止めて目を見張る。


 私も目を開いて彼を見てしまった。一瞬でわかった。彼がハーツ様だ。噂とは違って、彼は人間の容姿をしていた。


 彼を見ると泣きだしてしまいそうだ。長く別れていた同胞と再会できたような感慨深さがある。

 私はうるんだ視界をとめるように頭をふった。


「ハーツ様……ですね? はじめまして、ミューゼンです」


 深く頭を下げると、横にいたヘレナも同じようする。


 顔をあげて二人に笑顔を向ける。


「ラナ様、ハーツ様。今日はお招き頂きましてありがとうございます」


 感謝を伝えるとラナ様はびっくりして、頭をペコペコ下げる。

 ハーツ様が口元に笑みを浮かべて私たちの方へ近づいてきた。


「来てくれて感謝する。お前たちに会ってみたかった」


 差し出された左手。右手がないことに気づいて、私は瞠目した。

 彼は軽い口調で言う。


「腕がないことは気にするな。生きているだけでいいんだ」


 左手を揺らされ、私は右手をだした。しっかりと握られた手。

 それを見ていると、肩の力が抜けた。

 頭の上にのっていた王様の冠が消えたみたいだ。

 もう重さは感じない。


 手を離すと、ヘレナがラナ様に声をかけた。


「ラナ様、よろしければ、赤ちゃんを抱っこさせてくれませんか?」

「あ、はい。ホープは泣くとすごいのですけど……」


 おずおずとラナ様が赤ちゃんをヘレナへ渡す。彼女はほほえみながら腰を落として、赤ちゃんを胸に抱いた。


「ホープ様というのね……可愛いわ……本当に可愛い……」


 ヘレナが頬を染めて、体をゆりかごのように揺らす。


 私は口を開いてその光景を見ていた。ゆるんだ涙腺がまた熱くなる。唇まで震えてしまって、なんとも情けないじゃないか。

 でも、涙は止められそうにない。


 だって、夢みたいな光景だ。

 叶わなかった願いが、現実になったような気がしてしまったんだ。


「……年を取ると涙もろくていけませんね」


 鼻をすすりながら、笑ってごまかす。ハーツ様は何も言わずに、私の背中をぽんっと押した。

 弾みで一歩、前に出る。


「抱いてやってくれないか」

「え……? 私はへたくそなので」


 苦笑して断る。すると、彼は口の端を持ち上げた。


「俺もへたくそだ。だから、構わない」


 笑顔をやめて、ヘレナの方を向く。


「ミュー」


 彼女ははしゃいでいた。私はおそるおそる近づき、震える両手を伸ばした。


「頭を支えて。そう。手を離すわよ」


 ヘレナが腕を抜くと、ずしっと腕に重さを感じる。なんて、重いんだろう。こんなに小さいのに、とても重いんだ。


 涙が次々に溢れて、頬を伝う。

 震えた唇を持ち上げて、眠るホープ様に笑いかけた。


「……私はミューゼンです。ホープ様……いい名前ですね。……あなたを抱いた今日という日を……私は決して忘れません……生まれてきてくださって……ありがとう……ございます……」


 最後は唇が震えて言葉にならなかった。ヘレナが目を赤くして、ポケットからハンカチを取り出す。頬に伝う涙を拭ってくれた。


「もう、ミューったら。泣き虫なんだから……」


 困ったようにほほえみながら、彼女は自分の目元もハンカチでおさえた。


 私は鼻を鳴らしながら、ラナ様たちに向いた。ラナ様までぐずぐず泣いていて、ハーツ様が彼女の肩を抱いていた。


 私は二人に宝物を返す。


「ありがとうございました……」


 重さはまだ手に残っていて、感触を忘れないように手のひらを握りしめた。


 ラナ様はホープ様を腕の中に抱えると、元気な声をだした。


「みんなでクッキーを焼いたんです! ぜひ、食べていってください!」


 どうぞと森の中へ案内される。


「森に入ったらモンスターの姿になっちゃいますけど、なんの問題もないです!」


 ラナ様が力強く言う。


「アッシャーから聞いていますから大丈夫です」

「えぇ。自分がどんな姿なのか楽しみだったんですよ」


 ヘレナがそう言うと、ラナ様も笑顔になる。


「それはよかったです。行きましょう!」


 チア様もまじえて、私たちは森に入っていった。


 猫耳がついた女性像を横目に、森に一歩、入る。瞬間、とっても驚いた。


 ヘレナの姿が七色に光る蝶になったからだ。

 彼女と一緒に足を止めて顔を見合せる。


「……ヘレナは蝶だったんだね……」

「ミューは本当にハエだったのね」


 二人でポカンとした後、ぷっとふきだした。

 妙におかしかった。


「とってもキレイな蝶だ。羽が虹色だ」

「あら、ステキね。あなたもキュートよ」

「そうかい?」

「えぇ」


 羽音はするが、人間のときと同じく歩いている感覚がする。とても不思議な体験だった。


 前を歩くハーツ様も魔王の姿になっている。彼は振り返り、ニヤリと笑った。


「俺が魔王だって、これでわかっただろ?」


 自慢げな態度にふきだす。


「えぇ、そうですね。よく分かりましたよ」


 くすくす笑うと、彼は眉をつり上げた。


「もっと怖がると思ったが、拍子抜けだな」


 ラナ様がすかさず言う。


「旦那様は格好いいですからね!」


 鼻息を出す勢いで言うと、ハーツ様が動じた。


「……旦那様じゃなくて、ハーツだろ?」

「そうでした。まだ口が慣れなくて」


 へらっと笑うラナ様にハーツ様が耳元でなにかを囁く。小さい声なので、私たちには聞こえない。ハーツ様が離れると、ラナ様の顔が真っ赤になって、後ずさった。


「言います! 絶対、言いますから!!」


 焦った声をだしたラナ様を見て、ハーツ様が満足げに笑った。


 仲の良い光景に私たちはふきだした。



 森を歩いていくと、立派な屋敷が見えてきた。屋敷の前では巨大な猫が二匹、お茶の準備をしていた。


「あら、お帰りなさいませ」


 三つの目がある猫が私の前に出る。私の姿を感慨深げに眺めて、にこりと笑った。


「はじめまして、私はミャーミャと言います。ラナ様たちのお世話をしております。以後、お見知りおきを」


 頭を下げられて、私たちも軽く挨拶をする。


「あぁ、王様は本当にハエなんですね」


 聞いたことがある声でもう一匹の猫が言う。


「あなたは……フォルト様ですか?」

「様づけはよしてください。そうですよ。私は猫になるんです」

「私も猫でーす!」


 後ろを歩いていたチアさんも同じ猫だった。私たちは目を丸くしながらも、席につくように促される。


 長いテーブルにみんなで囲った。席につくと、垣根はなくなったんだなと感じる。


 ハーツ様の横だけ空席になっていた。不思議に思ってじっと見る。

 私の視線に気づいたハーツ様が笑って空席を見た。


「居なくなった友の席だ。また帰ってくるらしいから、席を用意してあるんだ」

「そうなんですか……」


 彼は目を細めて、椅子の背もたれに手を置く。その表情を見ていると、とても大切な人の席のように感じた。


 会えるといいですね、と言いかけて言葉は飲み込んだ。

 私が踏み込んではいけないものだと感じたからだ。


 何も言わずにいると、目の前に大皿が置かれる。


「まぁ、可愛らしいクッキー」


 ヘレナが感嘆の声をだす。

 お皿には色とりどりのクッキーが盛られている。


「家族全員で作りました! どうぞ!」


 ラナ様が声を出して、私たちはクッキーに手を伸ばす。


 噛むとさくっと音を立てて、ほろほろ口の中で崩れる。甘く美味しいクッキーだ。


「とても美味しいですわ」

「うん。本当に美味しい」


 私たちが口々に言うと、その場にいた全員が笑顔になる。

 つられて私たちも笑顔になった。こんなに笑ったのは久しぶりだ。



 甘いクッキーを噛み締めながらふと思う。


 今日は人生、最良の日だ。

 この幸運な一日を忘れないようにしよう。



 森に笑い声が響く。

 時折、赤ちゃんの泣き声を響いていたが、幸せな光景だから私から笑顔は消えることはない。


 笑顔で始まり、泣いて、笑顔で終わった一日だった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] やはりこのハエの王様の話好きです。 そうだよね〜子ども可愛いよね(´;ω;`)とうるり。 妬みや嫉みなどなく、温かい心でホープくん抱く夫婦の姿に今回も心打たれました〜よきよき(●´ω`●)…
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